日本では、かなり以前から、「オレオレ詐欺」などに代表される特殊詐欺が頻発しています。
主に高齢者をターゲットにして、多額の金銭を騙し取る卑劣な犯罪ですが、特殊詐欺よりも厄介なのが、「アポ電強盗」。
親族のフリをして電話をかけるところまでは「オレオレ詐欺」と同じですが、相手の自宅にまとまった現金があると分かると、その家に押し入って強盗を働く点が決定的に違います。
何気ない一本の電話が、強盗事件に発展してしまうのは、何とも恐ろしい話。
しかし、全ての強盗事件が、恐ろしいとは限りません。
時には、理解に苦しむような強盗事件もあるのです。
〈originally posted on August 21, 2021〉
1 ブサイクすぎる強盗犯
明らかに強盗犯に向いていない特徴とは何か。
それは、顔がブサイクなこと。
冗談のようですが、本当の話です。
2009年11月、イギリスのマンチェスターで銀行強盗事件が発生しました。
複数から成る犯人たちは、店内に押し入るとスレッジハンマーを手にして行員を脅し、現金を奪って逃走。
しかし、犯人グループの一人の男につき、行員の誰もがその特徴をよく覚えていたのです。
団子っ鼻に大きな耳。
一言で言えば、まるで「シュレック」のような顔。
実際、この男は、捜査関係者の間で、シュレックというあだ名が付けられていました。
彼の名は、デイヴィッド・ホリオーク(当時33歳)。
ホリオークは、どこにいてもとにかく目立ちます。
それはまるで、シュレックのコスプレをした人が街中を歩いているようなもの。
ホリオークはその後、別の強盗事件を起こして逃走中でしたが、その分かりやすすぎる外見のせいで、あっさり警察に捕まりました。
警察官の一人は、ホリオークについて、こうコメントしています。
「この男は、鏡で自分の顔を見さえすれば、自分が犯罪に向いてないことが分かるはずだよ」
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2 「現金を俺の口座に振り込め!」
2015年9月、イングランドのケント州にある銀行で、少々変わった強盗犯がやって来ました。
男の名前は、ポール・ネバーソン(61歳)。
ナイフをちらつかせながら現金を要求したところまでは、よくある強盗事件と同じ。
しかし彼は、要求した金を、「自分の銀行口座に振り込め」と言って口座番号を提示したのです。
その口座は、彼が普段利用している、本物の自分の口座。
そんなものを教えてしまったら、自分の身元が特定されてしまう、という点に考えが至らなかったのでしょう。
案の定、ネバーソンは、程なくして逮捕されました。
ちなみに、彼が強盗を働いた理由は、就職の面接を受けに行くための旅費が欲しかったからだとか。
真面目に働く気満々だったのに、何故強盗をやらかしたのかが謎です。
3 強盗犯を無視し続けるとこうなる
2016年7月某日、ニュージーランドのクライストチャーチにある飲食店に、一人の強盗犯が銃を持って押し入り、店長に現金を要求しました。
どれだけ勇敢な人でも、銃を突きつけられたら、とりあえずは相手の要求に従うしかありません。
ところが、その時、調理をしている真っ最中だった店長のサイード・アフメド氏は、そこの感覚が少し普通ではなかったのです。
彼は、強盗犯を完全に無視。
銃を向けられても、脅されても、全く無反応のまま、客に出す料理を作り続けました。
強盗犯にビビっている様子は皆無。
これには犯人も流石に面食らったのか、その男は、結局何も取らずに店を出ていったのです。
銃を構えた相手に対して全く動じない態度は、それだけで、底知れぬ強さ(というか、ヤバさ)を感じさせます。
その犯人も、店長が只者ではないことを悟って、犯行を諦めたのかも知れません。
4 11人を銃で脅して「6ドル」ゲット
強盗を計画する犯人というのは、そのリスクに見合うだけの大金を手にいれようと考えているのが普通です。
わずか数百円のために、一生刑務所から出られないような危険を犯す者はいないでしょう。
これからご紹介する女を除いては。
2010年3月某日、米国カリフォルニア州リバーサイド郡にあるスーパーマーケットで、一人の女が、セミオートマチックのピストルで、店内の客を次々と脅して金を要求し始めました。
彼女に銃を突き付けられ、現金を奪われた客は、全部で11人。
その結果、犯人がゲットした金は、合計で約6ドル。
11人から金を奪って、たった6ドル。
ビッグマックのバリューランチセットがギリギリ買える金額です。
その後、犯人の女は車で逃走し、幸い、客の中に怪我人は出ませんでした。
考えてみれば、ごく普通のスーパーに買物に来る客が、そんなに大金を持ち歩いているはずもなく、この女の目論見は最初から無理があったと言うべきでしょう。
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5 字が汚すぎる強盗犯
今年の3月18日、イングランド南東部のイースト・サセックスにある銀行に、マスクをした老人がやって来たときのこと。
年金暮らしのその男性の見た目からは想像しにくいのですが、彼は銀行強盗のために入店していたのです。
受付まで歩いて行くと、ポケットから出した一枚のメモを行員に差し出しました。
しかし、そのメモを受け取った行員は、リアクションに困ることに。
というのも、メモに書かれた字があまりにも汚く、何が書かれてあるのかサッパリ分からなかったのです。
結局、いつまでも困惑している様子の相手を尻目に、高齢の強盗犯は何もせずに銀行を後にしました。
その後、行員が改めてそのメモを「解読」してみると、「すぐに現金を寄越さないと他の客に危害が及ぶ」という内容であることが判明。
そこでようやく、「あのお爺ちゃん、強盗犯だったの!?」となったわけです。
銀行は、早速警察に通報。
それから一週間と経たないうちに、その年老いた強盗犯は、別の銀行でも強盗事件を起こしました。
今回は、行員に手渡したメモの文字がそこそこ上手かったため、彼は現金2400ポンドを奪うことに成功。
しかし、調子に乗って3度目の銀行強盗を実行した直後、警察に逮捕されました。
最初の失敗に懲りて、強盗を諦めておけば、逮捕まではされなかった可能性もありますが、その後、裁判でこの男には、実刑が言い渡されています。