今のご時世、何でもかんでもリモートで行うことが推奨されています。
それを実現する上で、非常に有用なアプリが、Zoom。
学校の授業から会社の会議まで、幅広い用途で利用されています。
自宅にいながらにして、互いの顔を確認しつつグループで意見のやり取りができるので、大変便利。
ただ、そこには無視のできない落とし穴もあります。
我々は、自宅の中では、学校や職場にいるときに比べ、緊張感が無くなりがち。
普段は絶対にしないような凡ミスをやらかす危険性に、十分注意せねばならないのです。
〈originally posted on February 5,2021〉
1 停職処分を食らった数学教師
Zoomを使うとき、通常は利用者の上半身しかカメラに映りません。
そこで、上だけはきっちりとした服装をして、下はパジャマのまま、といった格好で会議などに臨む人がいるのはご承知のとおり。
しかし、何を勘違いしたのか、下はちゃんとズボンを穿いて、上半身素っ裸で画面に登場してしまった人がいます。
2020年8月、米国カリフォルニア州サンノゼにあるシルバー・クリーク・ハイスクールで行われたリモート授業で、13歳の女子生徒がパソコンの前で先生が現れるのを待っていたところ、いきなり画面に登場したのは上半身裸の男。
数学を担当するこの教師は、その生徒によると、カメラの前に出てきたときから、どこか様子がおかしかったとか。
女子生徒は、すぐにパソコンの画面を写真にとり、母親にメールで送信。
それを見た母親が、学校に苦情をぶつけたことで、問題が発覚しました。
この時期、サンノゼ市は気温が30度を超える酷暑が続いており、その男性教師は、恐らく暑すぎて服を脱いでいたのでしょう。
様子がおかしかったのも、暑さで参っていたせいかも知れません。
しかし、不適切な行為であることに変わりはなく、彼はその後、停職処分を食らっています。
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2 カメラを止め忘れたままトイレに行った女性
Zoomでの会議中に、急にウンコに行きたくなったら、どうするべきか。
常識的には、一旦カメラを止めて、トイレに行き、戻ってきてから再開すればよいだけの話。
ジャッキー・アデデジという女性も、当然、その常識を有しています。
2020年、彼女は、十数名のスタッフとZoomで会議をしている最中、便意を催しました。
そこで、カメラを停止し、バスルームに行ったのですが、このとき、操作を間違えたため、カメラはオフになっていなかったのです。
そうとは知らず、ジャッキーはバスルームで出す物を出して、ペーパーでお尻を拭き始めました。
運の悪いことに、カメラの位置からはバスルームが丸見え。
水を流して、パソコンの前に戻って来てみると、他のスタッフの様子が妙です。
全員、見てはいけないものを見てしまったような表情。
そのとき彼女は初めて知りました。
用を足している最中の一部始終を同僚に見られていたことを。
並の精神の持ち主であれば、ショックのあまり、しばらく誰にも会いたくなくなるかも知れません。
しかし、ジャッキーは違いました。
彼女は、限界を超えるほどの恥ずかしい体験をしてしまったため、吹っ切れたのです。
トイレに入っているところを見られたから何だというのか。
それって、命に関わるようなことなのか。
こう考えることで、ジャッキーは見事にこの試練を乗り越え、今では、どれだけ恥ずかしい失敗をやらかしても、全く動じないタフさを身につけています。
3 リモート授業中、先生に当てられないための画期的方法
イギリスのブリストルで教員をしているある女性は、今年に入って、ちょっと奇妙な現象に出くわしました。
普段の授業をZoomで行っていた彼女は、パソコンのモニターに表示されている生徒たちの名前を見ながら、授業中、生徒を指名して質問に答えさせていたのです。
ところが、ある生徒の画面だけ、なぜかいつも「再接続中(Reconnecting)」という表示。
ネットの接続環境は家庭によって差がありますから、その教師は特に気にしませんでした。
しかし、何週間経っても、その生徒の画面だけ「再接続中」のまま。
さすがに何かがおかしいと感じた彼女は、ようやくトリックに気づきました。
その生徒は、自分のユーザーネームを、本名ではなく、「Reconnecting」にしていたのです。
ネットの接続については何の問題も無かったのですが、名前が「再接続中」になっていたため、その生徒は、授業中に当てられる心配とは無縁でした。
この事実を、その教師の夫がツイートしたところ、大きな反響があり、「間違いなく、そいつは天才だ」と、絶賛する声が多かったとか。
確かに、画面に「再接続中」と表示されている生徒を当てようとする教師はいないでしょう。
そう考えると、やはりこの生徒、なかなか頭の切れる奴と言わざるをえません。
4 弁護士がカメラの前でイチャイチャ(裁判中に)
今年の1月、ペルーのフニン県にある裁判所で、詐欺事件についてZoomを使ったリモートの法定審問が行われていたときのこと。
被告側弁護士のヘクター・ロブレスという男が、法律書が並ぶ書棚の前で、いきなり女性とイチャイチャし始めました。
カメラに映っているということを、彼は全く認識しておらず、イチャイチャはどんどんエスカレートする一方。
その審問に関わっている裁判官や他の弁護士は、突然とんでもない映像を見せられて、唖然とするばかり。
その後、ロブレスは、自分の過ちに気づいたのですが、時既に遅し。
裁判官から通報を受けた警察官が、彼の事務所に向かい、裁判は中断。
当然ながら、ロブレスは担当している事件から外されることになりました。
彼が何故そのような行為に及んだのかは明らかにされていませんが、カメラに映っているのを知らなかったとはいえ、仕事中にイチャイチャというのは、常識外れもいいところです。
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5 Zoomで死刑宣告
2020年5月某日、ナイジェリアで、オラレカン・ハミードという男性が、パソコンのモニターを凝視しながら、自分の絶望的な運命を知りました。
彼は、Zoom経由で、死刑宣告を受けたのです。
2018年12月に76歳の女性を殺害した容疑で、ハミードは裁判を受けていたのですが、その判決による宣告刑が、死刑でした。
死刑制度がある以上、この結論自体はある意味しかたの無いことですが、このような重大な結論を、リモートで本人に伝えるというのは、どうなのか。
ナイジェリアの人権保護団体も、パンデミックが終息するまで判決の言い渡しを延期すべきだったと主張し、このやり方に強く抗議。
こういった例は他にもあり、同じ年、シンガポールでも、Zoomを使って被告人に死刑が告げられました。
同国は、薬物犯罪に極めて厳しいことで有名。
ドラッグの密売に関わった男に、死刑判決が出されたのです。
感染防止のため、様々なことを出来る限りリモートで行わねばならないものの、Zoomのこうした利用法は、果たして人権的に許されるのか。
これは、なかなか難しい問題です。