一部の職業の人たちにとっては、悪夢のシーズンが近づいています。
クリスマスまであと約2ヶ月。
ハロウィンで渋谷がカオスと化した後は、全国の街のショッピングモールなどでクリスマスの曲が流れ始めます。
恋人どうしが腕を組んで、この店、あの店、と回りながら商品を見ているとき、店内に流れるクリスマスの音楽は、ただでさえ良い雰囲気の二人をより一層ロマンチックな気分に浸らせてくれます。
一方、店員にとっては少々厄介な存在。
心理学者のリンダ・ブレア氏によれば、仕事中にヘビーローテーションしまくりのクリスマス曲は、店員にとって精神的に良くないのだとか。
いかに有名な曲といえど、同じ曲を何度も何度も聞くことに耐えられるように脳は設計されていません。
我々は、ヘビロテされたクリスマス曲を無意識のうちに頭から排除しようとし、そのことに多くのエネルギーを割いてしまいます。
その結果、クリスマスの曲が邪魔で目の前の仕事に集中できないのです。
集中すべきことに集中できない状況は、余計なストレスを生みかねません。
クリスマスの曲が特殊である理由
ところで、何故クリスマスの曲限定なのだと疑問に思われた方もいるでしょう。
本来、心理学的には、同じ物を見たり聞いたりする機会が増えると、我々はそれに対して親近感が湧き、好きになる傾向があります。
ところが、クリスマスによく聞く曲は、それとは逆の効果があるのです。
それは、クリスマスというイベントが、必ずしも楽しいイメージばかりと結びついているわけではなく、金銭的な事柄や仕事・恋愛に関する悩み、家族間の問題などを連想させるからだとされています。
クリスマスの曲をこのように否定的に捉えることに対し、店側の意見としては、クリスマスの雰囲気を盛り上げるためには、やはりそれに適した曲を流すことは重要であるというものがあります。
ちなみに、店によっては、曲を流すだけでなく、店内にシナモンの香りを漂わせることで、客にクリスマスをより強く意識させ、売り上げアップを狙うことがあるのだとか。
一方、客側の意見としては、クリスマスの2ヶ月も前からクリスマスの音楽を聞かされるのは馬鹿げているとするものや、同じ曲ばかり聞かされるのでイライラするというものがあります。
クリスマスの曲は、定番のものがだいたい決まっているので、11月~12月には、テレビでもそういった曲が頻繁に流れます。
客はまだいいとして、店員は、仕事中はもちろん、仕事以外でもクリスマスの曲を聞くことになるので、クリスマスまでの約2ヶ月間は、まさにクリスマス漬け。
それだけに、彼らのストレスは相当なものでしょう。
しかし、クリスマス・シーズンに、クリスマスの曲が聞こえなくなる日はまず来ないでしょうから、彼らの置かれている状況は、簡単には変えられそうにありません。
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