誰かから、重大な告白がある、と言われたら、大抵の人はドキッとするでしょう。
相手の顔が神妙な面持ちであれば、まず間違いなく「悪い知らせ」です。
さらに、それがもし、その人が亡くなる直前になされた告白だったら……。
今回は、死ぬ直前に衝撃的な告白を行った人たちをご紹介します。
〈originally posted on November 24,2016〉
1 謎の飛行物体
1947年7月8日、米国ニューメキシコ州ロズウェルで広報将校として勤務していたウォルター・オウトは、墜落した気象観測気球をアメリカ空軍が回収したと発表しました。
しかし、2005年に亡くなる直前、この発表は軍の上層部からの指示による「でっち上げ」だったと告白。
実際にウォルター自身が目撃したのは気球の残骸ではなく、卵型をしたUFOと地球外生命体だったとか。
上層部は、最初はこの事実をそのまま発表するように指示したものの、すぐにそれを撤回し、気球の残骸として公表するようウォルターに命じたそうです。
2 黄金のエルサレム
1930年にイスラエルで生まれたナオミ・シェメルは、同国を代表する作詞・作曲家です。
彼女の曲で最も有名なのが「黄金のエルサレム」。
この曲は多くの国民から愛され、実現はしなかったものの国歌にしようという動きまでありました。
しかしその一方で、メロディーの一部が別のある曲と似ているために、盗作ではないかと言われ続けていたのです。
シェメルは一貫してこの疑惑を否定していました。
ところが、2004年にガンで亡くなる数日前、彼女は盗作の事実を認める手紙を知人の作曲家に送っていたのです。
その手紙の中で、彼女は盗作したことを「痛恨のアクシデント」であると表現しています。
あるとき偶然耳に入ったメロディーが無意識のうちに頭に残っていて、それを自分の曲に使ってしまったとのこと。
一方、盗作された側のアーティストは、この事実についてコメントを求められると、
と語りました。
3 ネス湖のネッシー
〈現在のネス湖〉
1930年代初頭、イギリスのネス湖では謎の巨大生物がたびたび目撃されていました。
その生物の正体を探るため、デイリー・メール紙がマーマデューク・ウェザレルという男性に調査を依頼。
ウェザレルは巨大生物の足跡と思しきものを発見するのですが、専門家によってこれは捏造であると断定され、その結果デイリー・メールからも侮辱的な扱いを受けました。
彼はリベンジを果たすべく、模型製作の仕事をしていた養子のクリスチャン・スパーリングに「謎の生物」を作るように依頼。
スパーリングはおもちゃの潜水艦に長い首を取り付け、全長45センチ、高さ30センチの「ネッシー」を完成させました。
ネッシーをネス湖に浮かべて写真に撮ると、ウェザレルは信憑性を高めるために知人の医師であるロバート・ウィルソンに頼んで、その写真を彼の名でデイリー・メールに送ってもらったのです。
これが公開された後、実に60年間も「ネス湖のネッシー」は世界中を騙し続けたわけですが、1994年、93歳のスパーリングは自分の死期が近いことを知り、ネッシーの写真が捏造だったことを告白したのです。
4 ハリウッドの未解決殺人事件
ハリウッドが誕生して間もないころ、映画界に多大な影響を与えたウィリアム・テイラーという監督・俳優がいます。
彼は1922年に射殺されてしまうのですが、この事件の真相は長きにわたり大きな謎とされていました。
事件から42年後の1964年、マーガレット・ギブスンという女性がキッチンで心臓発作に襲われ、急いで隣人を呼んである告白をします。
(ウィキペディアより)
その内容は、彼女はかつて無声映画の女優をしており、また、ウィリアム・テイラーを殺した張本人であるというものでした。
殺害の動機については明らかにしていません。
彼女の告白により、長年の謎が解決したかに思われましたが、事実関係を確かめる前にギブスン自身が亡くなったため、公式にはこの事件は未解決のままとなっています。
5 罪を告白した後の意外な結末
1977年、米国テネシー州に住むジェイムズ・ブルワーは、隣人を殺害した容疑で逮捕されるのですが、保釈中にオクラホマ州へと逃走します。
その地で妻と新たな生活を始め、二人はマイケル・アンダーソンとドロシー・アンダーソンという偽名を使っていました。
犯した罪への後ろめたさからなのか、彼らは地元の教会で行われる活動に積極的に参加し、妻の方は聖書の理解を深めるためのサークルを結成。
やがて娘が生まれ、孫の顔を拝めるまでになりましたが、2009年にブルワーが重い心臓病を患ったときから運命が大きく変わり始めます。
余命が幾ばくも無いと悟った彼は、30年以上も隠してきた自分の過ちを告白する決意をしたのです。
病院まで警察官に来てもらい、ブルワーはベッドに寝たまま過去に隣人を殺した事実を話します。
しかし、彼にとって誤算だったのは、その後病気が治り、退院できるようになるまで回復したこと。
その後、ブルワーとその妻はテネシー州の警察に身柄を拘束され、死刑判決を食らう可能性のある裁判が始まりました。
ちなみに、そのときブルワーの弁護を担当したのは、32年前に彼が逮捕されたときと同じ弁護士だったそうです。
6 父親の本当の死因
1998年、米国カリフォルニア州ベンチュラに住んでいたジェラルディン・ケリーという女性は、幼い子どもたちとともにマサチューセッツ州サマービルへと引っ越しました。
ジェラルディンの夫は、子供たちが物心つくころにはすでに亡くなっており、その原因は交通事故だと彼女は説明していたのです。
しかし2004年、彼女が重病で倒れた際、娘に真実を打ち明けました。
父親の死因は交通事故ではなく、自分が殺したのだ、と。
1991年、ジェラルディンは家庭内暴力に耐えきれず、夫を射殺。
その後は遺体を大型のフリーザーに入れ、サマービル市内の倉庫に保管していました。
この告白が明らかになった後、警察が問題の倉庫を調べてみると、コンセントの外れたフリーザーを発見。
中に入っていた遺体は既にミイラ化していましたが、特徴的なタトゥーが残っていたためにジェラルディンの夫であるジョン・ケリーだと判明しました。
死を目前にして、彼女がなぜ過去の罪を告白しようと決意したのかは定かではありませんが、サマービルの地方検事によると、恐らくは遺体が発見されたときに娘に容疑がかかるのを避けたかったのではないか、とのことです。