一体何でそんなワケの分からない理由で犯行に及んでしまったのか。
今回は、普通では考えられない動機で罪を犯してしまった人たちの話です。
極めて残虐な事件が発生したとき、人々の関心は、犯人の動機に向けられます。
犯人にそんな凶行を実行させた原因は何なのか。
それが解明されないと、再び同様の事件が起きるのを防止できないという不安が生じます。
しかし、動機の解明というのは簡単ではありません。
たとえ解明できても、その動機が人々を唖然とさせるだけで終わることもあります。
〈originally posted on July 19,2016〉
1 母親がチケットを手配しなかったから殴った
2008年3月某日、39歳のロバート・ライオンズは、アヴリル・ラヴィーンのコンサート・チケット(ちなみに特等席)を手配するように母親に頼んだところ、すげなく断られたのにカチンときて、コニャックのボトルで母親を殴ってしまいました。
このライオンズという男、母親と一緒にアパートに住んでいたのですが、普段から些細なことで言い争いが絶えなかったとか。
ある時、アヴリル・ラヴィーンのコンサートに行こうと決めたものの、チケットを取る時間が無かったので、代わりにやってくれるよう母親に頼んだのです。
しかし、母親はチケットのことなど気にも留めず、その結果コンサートに行けなくなったことでライオンズがブチ切れたというわけ。
39歳にもなってチケットの手配を母親に頼っている時点で、ちょっとどうかという気もしますが。
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2 彼女といると頭痛がするから発砲
2013年、ユタ州出身の28歳の男性は、自分の彼女と一緒にいると、決まって酷い頭痛に襲われることに苦しんでいました。
彼は、その耐え難い頭痛を引き起こしている張本人が、自分のガールフレンドであると信じて疑わなかったのです。
そして、頭痛から開放されるべく彼が取った最終手段が、38口径のピストルで彼女を撃つことでした。
よく分からない理由で撃たれた彼女の方は、重傷を負って病院に運ばれましたが、幸い一命は取りとめたそうです。
3 すぐに引っ越したいから自作自演
2011年4月某日、米国カリフォルニア州で精神分析医の仕事をしていたローリー・マルティネスは、暴行の被害に遭ったという通報をしました。
それを受けて駆け付けた警察官が詳しく聞いた話によると、マルティネスが帰宅するといきなり見知らぬ男に殴られ、性的暴行を受けたとのこと。
その後、犯人は金目の物を数点盗んで逃走したらしいのですが……。
実はこの話、全てマルティネスの作り話だったのです。
彼女はこの自作自演を警察に信じこませるために、驚くほど気合を入れて準備していました。
まず、自分の唇を安全ピンで傷付け、その上友人に頼んで実際に顔面を数発殴ってもらっていたのです。
さらに、サンドペーパーを手に擦りつけて、犯人と格闘した感じを出しました。
そしてトドメは、恐怖のあまり失禁してしまったことにするため、本当に失禁していました。
そこまでして自分が性的暴行を受けたことにしたかった目的は、何と「引っ越し」です。
彼女は夫に、今住んでいる場所の治安が悪いと思わせ、それにより引っ越すことに同意してもらおうと考えていたのです。
それにしても、ここまでやる行動力があるのなら、普通に夫を説得した方が簡単だったような気がしますね……。
4 クーポンが使えないから威嚇
2013年3月某日、米国フロリダ州に住む61歳のメアリー・オールデイは、スーパーマーケットのウォルマートで1ドル値引きのクーポンを使おうとしたところ、断られました。
その店舗では、ネット上のクーポンをプリントアウトしたものは受け付けていないというのが拒否の理由。
しかし、その説明に納得がいかなかったオールデイは、駐車場に停めてあった自分の車から実弾の込められたスミス・アンド・ウエッソンを取り出し、店内に舞い戻るとその銃で店員を威嚇し始めたのです。
幸い、オールデイが発砲することはなく、この騒動から程なくしてこの女は逮捕されました。
5 映画館でメールしてる奴を見つけたから発砲
2014年、米国フロリダ州のとある映画館で、あまりにも気の短い男による事件が発生しました。
元警察官のカーティス・リーヴス(71歳)が、暗い館内で、前の席に座っている男がスマホでメールを打っているのを目にしたときのこと。
明らかにマナー違反ではありますが、まだ映画本編が始まる前の出来事です。
しかし、我慢がならなかったリーヴスは、映画館の支配人に苦情を言いに行きます。
この時点ではまだ辛うじて大人の対応ですが、結局支配人との話では問題が解決せず、彼は怒りを抱えたまま席に戻ります。
その後、リーヴスは銃を取り出していきなり目の前の男性に発砲。
この時、その男性の妻が隣の席から彼を庇おうとして手を負傷しました。
撃たれた男性はすぐに病院に運ばれましたが、残念ながら命は助かりませんでした。
リーヴスの行為は許されるものではないですが、しかし、他人のマナー違反に対して激怒する、という点にだけは共感を覚えます。
僕自身、スマホをいじりながら自転車で走っている奴を目撃すると、強烈な怒りを感じますから。
6 月曜日が嫌いだから銃乱射
1979年1月29日(月曜日)の早朝、当時16歳だったブレンダ・スペンサーは、自宅の向かい側にあるクリーヴランド小学校の前に子供たちが集まっているのを部屋の窓から確認すると、そこから子供に向けてライフルを乱射しました。
これにより、子供を庇おうとした校長と用務員の2人が犠牲になり、8人の生徒が負傷。
警察官たちがスペンサーの家の周りを取り囲む中、彼女と電話で会話することに成功した記者が犯行の動機を訪ねました。
すると、受話器から聞こえてきたスペンサーの答えが……。
後の裁判でスペンサーには、最長が終身刑となる不定期刑が宣告されました。
彼女に仮釈放が認められる権利が与えられるのは2019年になってからです。
この事件は、犯人の動機をその犯人自身から聞いたところで、時には何の意味も無いということを示す事例といえるでしょう。
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