秘密というのは、バレてしまったら終わりです。
それが、軍事機密であればなおさら。
重大な外交問題に発展する可能性もあるでしょう。
しかし、時には、実に意外な形でバレてしまうことがあるのです。
今回は、絶対に明るみに出てはならない重要な軍事機密が、意外な所からアッサリバレてしまったという稀なケースをご紹介します。
〈originally posted on November 23,2015〉
1 「ステータス6」
2015年11月、ロシアの国営放送である「チャンネル1」が放送したニュースの中で、プーチン大統領が、NATOの「ミサイル防衛システム」について会議をしている映像が流れました。
その中で、軍幹部の一人が、「ある資料」を読んでいる場面が映ったのですが、その資料をよく見てみると、驚きの内容が記載されていたのです。
それは、ロシアが極秘に開発を進めていた、
超大型魚雷
の資料でした。この魚雷システムは、
「ステータス6」
という名前で呼ばれており、性能面ではレーダーに探知されずに100ノットの速さで10000kmもの距離を進むことが出来るそうです。
さらに、100メガトン級の核弾頭を積んでいて、広範囲に渡って放射能汚染をもたらす威力があるのだとか。
これを受けて、プーチン大統領の報道官は、
とコメント。
ちなみに、一説によれば、これは意図的な情報リークだったのではないか、という見方もあるようです。
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2 新竹市のレーダー
2012年、台湾の防衛省は、アップル社に対し、同社が提供する地図サービスである、
「Apple Maps」
で使われている写真の修正を要求しました。
問題の写真は、「新竹市」の空軍基地を撮影したもの。
そこには、基地内に設置されたトップシークレットの「高周波レーダー」が写っていたのです。
このレーダーの存在は、台湾の一般紙である『自由時報電子報』でも報じられました。
10階建てのビルと同じ高さのそのレーダーは、4000km離れた位置のミサイルを探知する性能を備えているとされています。
常識的に考えて、この高性能レーダーが設置された目的は、中国からの攻撃に対抗するため。
実際、台湾政府は、中国が台湾を直接ターゲットに出来る弾道ミサイルが、1600基は存在するとみているようです。
3 潜水艦「ロシャリク」
2015年1月、『トップギア・ロシア(Top Gear Russia)』という雑誌の中に掲載された写真の片隅に、謎の潜水艦が写っていたのが話題になりました。
後にそれは、ロシアが1980年代から極秘に開発を続けていた原子力潜水艦であると判明。
正式名称は「AS-12」ですが「ロシャリク」というニックネームが付けられています。
巨大な球体を団子のようにつなぎ合わせた形状で、理論上は6000mの深さまで潜ることが可能だという情報もあります。
仮にそこまで深く潜れるとすると、「海底ケーブル」を利用して諜報活動を行うことも可能となります。
また、全長が約75mのため、全長150mの潜水艦「K-129」のミサイル格納庫にスッポリと収まることができ、海底で見つけた物を隠すのにも好都合なのです。
4 レッド計画
(War Plan Red)というのは、1930年代にアメリカがイギリスとの交戦を想定して立てていた計画の名称。
この計画では、イギリスがカナダを拠点にしてアメリカを攻撃することを予想していたので、先手を打ってカナダに侵攻を開始する作戦に重点が置かれていました。
そのために、5700万ドルもの巨費を投じ、カナダとの国境付近に、民間飛行場に偽装した滑走路を建設。
ところが、この「極秘滑走路」の存在が、誤って「合衆国政府印刷局」の刊行物によって明るみに出てしまいます。
さらにその内容は、1935年5月1日、
「ニューヨーク・タイムズ」
の第一面で大々的に報じられることとなりました。
何ともお粗末な大失態ですが、この事実によってイギリス側の軍事政策に特に影響は無かったと言われています。
5 「MIGプロジェクト 1.44」
ロシアのジェット戦闘機開発計画である、
「MIGプロジェクト 1.44」
は、アメリカの戦闘機「F-22 ラプター」に対抗すべく、ステルス性能を備えた機体を目指していました。
しかし、資金難から計画は度々延期され、2001年に計画は中止に。
ところが、それから約10年後に中国で開発されたステルス戦闘機である「J-20」に、計画中止になったはずの「1.44」戦闘機の技術が流用されているのではないか、という疑惑が浮上したのです。
これに対しロシア政府は、中国側に技術を提供した事実は無いと断言。
計画中止が真実ならば、この発表は十分納得できるものだったでしょう。
ところが、マイクロソフトの地図サービスであるBing Mapsに使用された航空写真(2012年撮影)に、「1.44」と思われる戦闘機が写っていたのです。
しかもその外観は、「MIG プロジェクト」が完全には中止されていないことを伺わせる状態でした。
これにより、先の政府の主張は一気に信憑性が損なわれることとなったのです……。
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