防犯の目的で、監視カメラを設置している家は珍しくありません。
一方、「隠しカメラ」となると、それほど一般的ではないでしょう。
隠しカメラは、どちらかと言うと、何か犯罪が起きていることを感じ取った人が設置する、という印象があります。
そして、後から隠しカメラの映像を確認すると、信じがたいものが映っていることも……。
〈originally posted on January 29,2020〉
1 死を招く(?)コーヒー
米国ミシガン州マコーム郡区に住む、テレーズ・コズラウスキーという女性は、2018年から、家でコーヒーを飲む度に、どういうわけか気分が悪くなり、視界が霞むようになりました。
ある時には、車の運転中に激しい眠気に襲われ、意識が遠のいたこともあったとか。
彼女が体調に異変を感じ始めた時期と、夫のブライアンと離婚の協議を始めた時期とが重なっていたことから、彼女は、次第に夫に疑いの目を向けるようになったのです。
そこでテレーズは、キッチンに隠しカメラを設置。
後日、録画された映像に映っていたのは、ブライアンがコーヒーに何かを混入させている様子でした。
その「何か」とは、抗ヒスタミン剤。
ブライアンは、妻にコーヒーをいれる度に、抗ヒスタミン剤を混ぜていたのです。
運転中に寝そうになったのも、この薬剤の副作用が原因。
妻の自動車事故を彼が目論んでいたのかは不明ですが、危険なコーヒーを作っていたのは疑いようがありません。
この映像を見た瞬間、テレーズは全身に寒気を感じ、まるで殺人鬼に狙われているかのような恐怖心が湧いたとか。
ブライアンは起訴されましたが、彼に下された判決は、わずか60日間の懲役刑でした。
2 走るトラ男
野生動物の生態を知るために、森の中にカメラが設置されることがあります。
貴重な映像が手に入ることも多いのですが、場合によっては、悪い意味で貴重な物が映っている場合も。
2016年12月、チェコ共和国で、森の中に備え付けられた隠しカメラの映像を確認した人が、奇妙な「生き物」が映っているのに気づきました。
木々の間を駆け抜けるその動きは、何となくトラのようではあるのですが、見た目はトラとは大違い。
映っていたのは、痩せ型で、服を着ていない、若い男です。
この男、両手両足を使い、トラのような動きをしながら、森を走り回っていました。
気味の悪いこの映像を、撮影者が警察に提供したところ、警察は、この「トラ男」の正体を特定し、21歳の男を逮捕。
その男の供述によると、自宅で覚醒剤を使用した直後、彼は自分のことをトラだと思い込み、何かの匂いに誘われて、森の中へと駆け出したのだとか。
驚くことに、トラと化したこの男は、ポーランドとの国境付近を、約24kmもトラ状態で走り続けていたらしいのです。
まさに、リアル山月記。
結局、このトラ男は、薬物所持の証拠が無かったため、罰金刑だけで済んでいます。
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3 カメラに映った窃盗犯の意外な正体
イングランドにある小さな町、ヘドンに住むサマンサ・ウッド(27)という女性は、2018年から、自宅に保管してある貯金が時々消えているのに気づくようになりました。
不安になったサマンサは、キッチンにあるトースターに隠しカメラを設置。
そのカメラが捉えた真実を知って、彼女は愕然としました。
そこに映っていたのは、空き巣などではなく、しょっちゅう彼女の家に来ている、親友のメリッサだったのです。
メリッサは、サマンサ宅で紅茶を飲んだりしているとき、サマンサが席を離れた隙に、貯金を保管してある場所から金を取ると、それを自分のブラに押し込んでいました。
さらに、サマンサの息子であるルーカス(9歳)の貯金箱からも金を窃取。
こんなメリッサとサマンサが知り合ったのは、サマンサが13歳のとき。
それ以来、二人はまるで姉妹のように仲が良く、お互いに支え合ってきました。
しかし、その関係も、この隠しカメラの映像で一気に崩壊。
サマンサはシングルマザーであり、経済的にギリギリの生活を送っていました。
メリッサは、そのことを知りつつ、親友から金を盗んでいたのです。
14年の付き合いになる親友に裏切られたという事実は、サマンサにとって大きなショックで、しばらく涙が止まらなかったとか。
その後、彼女は、この映像とともに、警察に被害届を出しました。
この時、彼女を驚かせたのは、別の複数の窃盗事件によって、メリッサが既に警察の捜査対象となっていたこと。
メリッサは逮捕され、2019年11月に、有罪判決が下されています。