子供の頃に集めていたポケモンカード。
今となってはタンスの肥やし、という人もいるかもしれません。
ところが、近年、このポケモンカードが異常なほどの高値で取引されています。
自分のコレクションの中に超激レアカードがあろうものなら、それは一大事です。
とんでもない大金が舞い込む可能性があるわけですから。
しかし、昔集めたポケモンカードなど、とうの昔に捨ててしまったという人もいるでしょう。
そういう人たちにとって、ポケモンカードを取り巻く現状は、悔やんでも悔やみきれないかもしれません。
〈originally posted on September 27, 2023〉
1 ポケモンカードで億万長者
ポケモンカードをコレクションしておいてホントに良かった……。
心の底からそう感じたであろう人たちの中に、今年、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)を引退したブレイク・マルチネスという男性がいます。
ラインバッカーとして活躍していた彼は、今シーズン、わずか4試合に出場しただけで、引退を発表。
肩と腰の痛みと戦う日々から解放されたマルチネスは、アメフトとは何の関係も無い作業に没頭することになりました。
その作業とは、ポケモンカードの売却。
彼は、コレクションしていたポケモンカードのパックを開封しては、レアなカードを売るという地道な作業を繰り返すようになったのです。
そんな生活を初めて7ヶ月が経過。
ポケモンカードを売って得たお金の総額は、驚きの5百万ドル。
日本円で約7億4千万円です。
スポーツ選手は、引退した後の収入源が懸案事項になるものですが、マルチネスの場合は、ポケモンカードを売るだけで潤沢な資金を手にしました。
2 ポケモンカードで爆弾魔を逮捕
理由もなく街の中に爆弾を設置し、起爆させる人間というのはどこかが狂っているわけです。
そういう人間は、自分の好きな物を、たとえ犯行の真っ最中であっても手放しません。
2023年6月、米国メリーランド州のアバディーンという街で、爆破事件が連続で発生しました。
爆破の規模は大きくなかったものの、住民を不安にさせるには十分に悪質な犯行です。
当初、警察は有力な手がかりをつかめずにいましたが、あるとき、爆破の現場に数枚のポケモンカードが残されているのを発見。
恐らくは犯人が落としたものでしょう。
そしてこのとき、一人の警察官の脳裏に、ある男の顔が浮かび上がりました。
ジェレマイア・バーネットという名のその男は、以前、別の事件で逮捕された際、大量のポケモンカードを所持していたのです。
警察は早速バーネットの自宅を捜索し、程なくして彼を逮捕。
犯行の動機などは明らかにされていませんが、何をやるにも常にポケモンカードと一緒という奇妙なこだわりが、自分の首を締めたと言えるでしょう。
ちなみに、一連の爆破事件による怪我人はゼロ。
唯一、爆破のダメージを食らったのは、バーネットの持っていたポケモンカードだけです。
3 20年ぶりのユンゲラー復活
ポケモンカードの種類は膨大な数に上りますが、その中で、姿を消してしまったカードがあります。
カダブラ(日本名:ユンゲラー)というカードがそれ。
スプーンを片手に持ち、超能力を使うこのキャラクターは、かつて、イリュージョニストであるユリ・ゲラーによって裁判沙汰の対象となりました。
「超能力+スプーン」というのは、ユリ・ゲラーが確立させたトレードマークのようなものなので、それを勝手に使うな、というわけです。
この訴訟の結果、2000年頃より、公式のポケモンカードからカダブラは消滅しました(ビデオゲーム内ではそのまま登場)。
ところが、ポケモンファンからユリ・ゲラーに対し、大会でのカダブラ使用を認めるように嘆願するメールが送られ続ける事態に。
そして、訴訟から20年が経った2020年、ようやくユリ・ゲラーはカダブラの使用を許可したのです。
4 ポケモンカードで相手を亡き者に……
ポケモンカードはそもそも何のためにあるのかと言えば、それはもちろん、カードバトルを行うため。
当然ですが、このバトルはカードを使って行うのが基本です。
カードを相手に投げつけたりして肉体的にダメージを与えるわけではありません。
しかし、イングランドのシェフィールドには、この当たり前のルールを見事に破る男がいました。
アンドリュー・ハーグという男は、隣人と口論になった際、ポケモンカードが入った金属製ケースをしこたま袋に詰め込んで、それで相手を繰り返し殴打したのです。
暴行を受けたのは、サイモン・ウィルキンソンという50歳の男性。
ポケモンカードをコレクションしているのなら、カードバトルで決着をつけようぜ、などと切り出せば丸く収まった可能性もありますが、頭に血がのぼったハーグにそれは無理な話でした。
この事件により、ウィルキンソンの18歳の一人娘は、父親を失うことに。
後の裁判で、ハーグには終身刑が下されています。
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5 刑務官がポケモンカードをゲットだぜ(万引きで)
今から数ヶ月前のこと。
米国アラバマ州で、勤務を終えた一人の刑務官が、ウォルマートへ立ち寄りました。
ジョシュ・ハーディというその男が向かった先は、ポケモンカードの売り場。
男はポケモンカードの箱を次々と手に取っては、中身を取り出し、目ぼしいカードを見つけると、それをポケットへ。
誰がどう見ても万引きですが、驚くことに、この男は制服を着たままだったとか。
警察官らしき人物が堂々とポケモンカードを抜き取っていれば、周りから不審な目で見られるのは自然な流れです。
店の警備員から詰め寄られた男は、急に店から走り去りました。
しかし、近くのレストランにいるところを発見され、そのまま逮捕。
普段、鉄格子の向こう側にいる囚人たちを監視している男が、刑務所に入り、逆に監視される側になるとは皮肉な話です。