歯科医院
に行くのが怖い……。
これは、子供にはありがちなことです。
小さな子を持つ親にしてみれば、嫌がる子供を歯医者に診てもらうのは、一苦労でしょう。
しかし、歯医者を嫌うのは、子供ばかりとは限りません。
ごく稀に、大人でも歯医者を極度に怖がる人がいます。
その結果、悲惨なことになった人も……。
〈originally posted on October 22,2020〉
1 歯科医院を避け続けたために顎を失った男
イングランドのシェフィールドに住むダレン・ウィルキンソンという51歳の男性は、重度の「歯医者恐怖症」。
彼は、歯科医院に行く必要性を自覚しつつ、ずっと歯医者を避けてきました。
実に、27年間も。
彼の奥さんは、何度も彼を歯科医院に連れて行こうとしたのですが、虚しい努力だったとか。
しかし、昨年、彼は遂に重い腰を上げて、歯医者に診察してもらったのです。
その結果、彼を待っていたのは絶望でした。
妻のメルによれば、歯科医院から自宅に帰還したとき、ダレンは顔面蒼白だったそうです。
その原因は、歯のレントゲン写真。
写真に写った彼の顎の辺りには、真ん中にブラックホールのような大きな黒い穴がありました。
その正体は、エナメル上皮腫と呼ばれる腫瘍です。
これは、早急に除去せねば、症状をさらに悪化させます。
その後、腫瘍の摘出手術が行われたのですが、それと引き換えに、彼は顎の90%を失うことに。
顎の代替物として、薄いプレートがあてがわれましたが、これにより、彼は、自分で食べることも、話すことも出来なくなったのです。
医師の話によると、彼のような症状にかかるのは極めて稀で、確率的には500万分の1程度だとか。
現在、ダレンは、手術によって自分の足の骨を顎へ移植する計画を立てています。
彼は、ずっと以前から、朝目覚めると、枕に血がついていたり、口臭が酷かったりといったことに気づいていたものの、歯医者に相談することを避けていました。
27年間も歯医者を避け続けた代償は、大きすぎたと言えるかも知れません。
2 歯を抜いただけで死亡した女性
歯科医院が絡んだ、かなり稀な事件をもう一つご紹介しましょう。
歯を抜いただけで命を落とした女性の事例です。
イギリスに住むマグジン・ゴードンという48歳の女性は、2018年、歯周病の治療のため、トゥーシャー・パテルという歯科医の元を訪れました。
具体的な治療法は、上の歯10本の抜歯。
単純に抜歯するだけであれば、それほど困難な治療ではないはず。
ところが、彼女はこの抜歯が原因となって、後日亡くなりました。
その原因は、彼女が、血液の抗凝固薬を服用していたこと。
これは、抜歯の際の出血に、医師が特に留意せねばならないことを意味します。
しかしながら、パテル医師は、そのリスクを彼女に十分説明しないまま、施術を行いました。
しかも、7月13日に5本、7月18日に残り5本といった具合に、同じ週にたった2回の施術で全ての歯を抜歯。
彼は、施術を急ぎ過ぎていました。
7月19日、ゴードンは、自宅で血を流して倒れているところを、兄によって発見されたのです。
そのときの様子は、まるで殺人事件現場のようだったとか。
この結果を招いたのは、明らかにパテルの判断ミス。
しかし彼は、たったの1年間、業務停止処分を食らっただけで済んでいます。
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3 生まれて7日目で抜歯
27年間も歯科医院に行かないというのも稀ですが、逆に、歯医者のお世話になるのが早すぎる事例もあります。
2018年、イギリス在住のショーン・ケアニーの娘、フレイアは、わずか生後7日で、抜歯を経験しました。
しかも、麻酔なしで。
フレイアは、下の歯茎から、1本だけ歯が生えていたので、それを抜く必要があったのです。
歯根の無い歯なので、抜いておかないと、何かの拍子にその歯が抜けて、喉を詰まらせる恐れがある、というのがその理由。
抜歯は、大人に対して使用する器具を用いて行われたのですが、その様子を見ているとき、父親のショーンは、恐ろしさのあまり気が気ではなかったとか。
専門家によれば、生後7日で歯を抜くというのは、過去にほとんど例が無いそうです。