かつて、ゲームが上手いことは、「ゲーオタ(ゲームオタク)」と呼ばれる要因の一つに過ぎませんでした。
しかし、今は違います。
ゲームが上手ければ、その才能と技術を活かして、プロゲーマーとして生計を立てる道がありますし、そういったプロを養成する専門学校もあります。
実況ゲーマーとして、動画配信で食べていくことも可能でしょう。
そして、ゲームの上手さを示す目安になるのが、「実績」の達成度。
普段ゲームをやらない方には馴染みがないかも知れませんが、これは、ゲームのやりこみ要素の一つで、PS4向けのソフトでは「トロフィー」などと呼ばれます。
具体的には、ゲームに予め設定されている様々な条件を満たすことで、それに応じた称号が与えられるというもの。
例えば、『デビルメイクライ5』というアクションゲームでは、「1秒以内に敵を5体倒す」という条件を達成すると、「瞬殺」というトロフィーをゲット、といった具合。
一方、ゲームの腕前とは全く関係の無い、変わり種の実績が設定されているゲームもあります。
いずれにしても、こういったやり込みの領域には、普通にゲームを楽しむ分にはあまり縁の無い、極めてマニアックなものが存在するのです。
〈originally posted on May 22,2020〉
1 火曜日に一日中ゲームを起動せよ
〈The Stanley Parable〉
一発目にご紹介するゲームは、『スタンリー・パラブル』です。
スタンリーは、とある会社の平凡な社員。
「427」という番号でもってその存在を識別される彼は、毎日休むことなくオフィスの「427号室」にやって来て、モニターに表示される指示通りの順番、間隔でキーボードのキーを押すという、ただそれだけの仕事をこなします。
年がら年中、全く何も変わらないスケジュール。
ところが、ある日出勤してみると、会社の中は全くの無人。
モニターには何の指示も表示されません。
完全なる孤独状態の中、プレイヤーはスタンリーとなって会社の中を探索し始める、というのがゲーム導入部。
このゲームのユニークな点は、プレイヤーの行動を先読みするかの如く、ナレーションがひっきり無しに流れること。
どういう行動を取るかは全てプレイヤー次第で、それによって展開が大きく変わります。
日本向けにローカライズされていない海外のゲームですが、有志によって日本語化ファイルが公開されていますので、ご興味のある方はぜひプレイしてみてください。
そしてこのゲーム、非常に独特の雰囲気を持っているだけに、実績も変わったものが多め。
例えば、このゲームでは、スタンリーはジャンプ出来ないのですが、キーボードのスペースキーを何十回も叩きまくると、
「ジャンプ不可」
という実績を獲得。
さらに、現実の時間で、曜日が火曜日に変わってから水曜日になるまでの24時間、ゲームをずっと起動させていると、「専念」という実績を獲得できます。
ゲームを起動させておくだけなので、誰にでも達成しうる実績ですが、実際にこれをやる人がどれくらいいるのかは謎です。
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2 トイレを7時間我慢してゲームをクリアせよ
『ロックバンド2』というリズムゲームに用意されている狂った実績が、「鋼の膀胱」というもの。
これは、あるプレイリストでゲームをクリアしたときに与えられるものです。
恐ろしいのは、このプレイリスト、最初から最後までプレイするのに約7時間もかかります。
しかもその間、ゲームを中断することは出来ません。
つまり、7時間ぶっ通しでこのリズムゲームをやり続けなければならないのです。
当然ながら、トイレにも行けませんから、文字通り「鋼の膀胱」の持ち主でないと達成出来ないかも知れません。
3 一度のミスも無く縄跳び1000回
現在、世界中のRPGファンがハマっていると思われるゲームが、言わずと知れた『FF7 Remake』。
そのファイナルファンタジーシリーズ9作目に当たる『FF9』には、なかなかハードルの高いやり込み要素が用意されています。
それは、アレクサンドリアという街にいる、一人の女の子に話しかけると発生する縄跳びイベント。
その名が示す通り、タイミングよくボタンを押して、ひたすら縄跳びをするだけです。
これを、ミスすること無く1000回続けると、「キング・オブ・ナワトビ」が賞品として貰えます。
1000回も一定の間隔でボタンを叩き続けるのは、もはや自分の手が機械化するようなレベル。
筆者には到底不可能です。
4 武器を一切使わずに『スカイリム』をクリア
〈The Elder Scrolls V: Skyrim〉
剣と魔法の世界で冒険をする、非常に自由度の高いRPGとして有名な『スカイリム』の名前は、一度は聞いたことのある人が多いでしょう。
このゲームでは、様々な武器を駆使して敵と戦うのがその楽しみの一つなのですが、あるプレイヤーは、敢えて武器を一切使用せず、素手でゲームをクリアしました。
数人の騎士に囲まれようが、巨大な熊に襲われようが、常に己の拳だけで敵を殴り倒し、道を切り拓きます。
「剣と魔法の世界」にいるにも関わらず、無数の鉄拳を繰り出して生き延びる姿は、ほとんどサイコパス。
ゲームにはいろんなやり込みのスタイルがありますが、これは明らかに、ちょっと危険な匂いのするやり込みです。
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5 『ダークソウル』三部作をノーダメージで一気にクリア
フロム・ソフトウェアより発売されている『ダークソウル』三部作は、鬼の難易度を誇るアクションゲームですが、だからこそ、世界中に根強いファンを持つ、人気の高い作品です。
数え切れないほどゲームオーバーを繰り返しながら、じわりじわりとクリアに近づいていくこのシリーズは、「死にゲー」の代表作となっています。
2016年、その『ダークソウル』の1作目から3作目の全てを、「ハッピー・ホブ」というゲーム実況者が、ノーダメージでクリアするという偉業を達成しました。
ゲーム開始からクリアまで、ただの一度も敵の攻撃を食らっていません。
さらに凄いのは、「1」から「3」までを、連続でプレイしたという点。
最初にこの挑戦を始めたとき、彼は「3」のラスボスで1回攻撃を食らってしまいました。
これにより、また「1」からゲームをやり直し、今度は見事に、ノーダメージを維持しつつ「3」のラスボスを撃破。
一体どれくらいの練習を積めばこのレベルに達することが出来るのか、想像もつきません……。