電車に乗っていると奇妙な人間に遭遇することが時々あります。
そういう人はマナー違反を犯している場合が多いのですが、単純なマナー違反の範囲には収まりません。
何かがヤバいのです。
ジョーカーの格好をして、ライターオイルを持っているような男はなおさら。
ヤバいからこそ他の客は誰一人として何も注意しません。
注意したが最後、どんな報復が待っているか予測できませんから……。
〈originally posted on September 17,2019〉
1 列車の屋根で感電する少年
2019年7月某日、ロシアのアルタイ山脈にあるアルタイスカヤ駅で、17歳の少年が、駅員に警戒しつつ貨物列車の方に近づいて行きました。
そして、誰にも見られていないのを確認してから彼は列車の屋根に登ります。
その直後、すぐそばの架線をうっかり掴んでしまったのです。
架線に流れる2万5千ボルトの電気が彼を襲い、着ているシャツが発火。
感電した少年は地面に落下し、異常事態に気づいた駅員が駆けつけました。
現場にはその少年の友人も数名いましたが、燃える少年を放置して逃走。
感電死してもおかしくない状況ですが、彼の履いていたゴム製のシューズが絶縁体になったことで、軽傷で済みました。
ところで、なぜ彼は列車の屋根に登ったのか。
本人の話によると、列車の上で自撮りがしたかっただけとのこと。
感電している真っ最中の自分の姿を写真に収めていれば、見た者を震え上がらせるインスタ映えになっていたかも知れません。
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2 謎の筋トレ男
早朝のラッシュ時は、電車通勤の人にとっては憂うつな時間帯。
これから出勤して仕事をせねばならないというのに、職場に着くまでに満員電車の中で体力をごっそり奪われます。
ただでさえ不快な気分で電車に揺られているときに、変な男に遭遇したりするのは是非とも避けたいものです。
今年の1月某日午前6時20分ごろ、イギリスのヘイスティングスからロンドンへ向かう電車の中で、男の「ハァ、ハァ」という荒い息遣いが聞こえてきました。
日本の電車であれば誰もがすぐに痴漢を疑うでしょうが、イギリスは違います。
その乗客は、通路のど真ん中でいきなり筋トレを始めたのです。
目撃者の話によれば、男が筋トレしていたのは約15分間で、腕立てや腹筋など、5~6種類のトレーニングを本格的にこなしていたとか。
筋トレ中、周りの乗客のほとんどは彼を無視。
奇妙な乗客であるのは間違いないですが、通勤時間を有効活用していると言えなくもないですし、何より痴漢の数万倍マシです。
ちなみに、こんなことが可能なのはイギリスだからこそ。
イギリスで最も利用者が多くて混雑するのは、ウォキングからロンドンへ向かう電車だとされていますが、朝のラッシュ時であっても、その電車内で、座っている乗客と立っている乗客の比率は4対3。
立っている乗客の方が少ないので、日本のような「すし詰め」とは程遠い状態。
当然ながら、女性が痴漢の被害に遭うこともまずありません。
日本に比べれば天国のような電車通勤です。
3 冷蔵庫を持ち込もうとする客
満員電車の中で、周りの迷惑を考えない客の典型例は、バックパッカーです。
棺桶でも運んでいるのかと言いたくなるくらい巨大なバックパックを背負い、しかもそれを決して足元に置こうとしない。
周りの客は、電車が揺れる度にそのバックパックがごりごりと体に当たって不快度MAX。
滅多に出会わないタイプの客ですが、出会ってしまったら自分の運命を呪いたくなります。
しかし、これを超えるレベルの客が、オーストラリアのブリスベンにあるボウウェン・ヒルズ駅にいました。
その男は冷蔵庫を台車に乗せて電車を待っていたのです。
一人暮らし用の小型冷蔵庫ではありません。
ファミリー向けのデカいやつです。
引っ越し代をケチろうとしているのがバレバレの彼は、到着した電車に当たり前のように冷蔵庫を載せようとしました。
ところが、それを見つけた鉄道警察官に引き止められ、252ドルの罰金を払わされるはめに。
普通に引っ越し代を払えばよかったと彼は後悔したことでしょう。
ちなみに、この駅では、過去に巨大なソファーを電車で運ぼうとした客もいたとか。
冷蔵庫にしろソファーにしろ、そもそも駅の改札を通過できたことが謎です。
4 悪魔祓いを始める客
突然筋トレを始める客も変わっていますが、さらに理解不能な客がメキシコシティにいました。
地下鉄の中で、スーツ姿の男が、目の前の女性に「悪魔祓い」をしているのが目撃されたのです。
男は女性(に取り憑いた悪魔)に向かって、
「神の名のもとに命ずる!彼女の中から出ていけ!」
と一喝。
見知らぬオッサンから急にこんなことを言われたその女性は、困惑するかと思いきや、
「その通りよ!出ていきなさい!神の御血が全ての罪から私を解放してくれるわ!」
と、意外とノリノリな状態。
途中、女性がいきなり傘でその男性に殴りかかる場面もありました。
これは恐らく彼女の中の悪魔が暴れていたのでしょう。
映画『エクソシスト』のように、取り憑かれた女性の口からゲロが飛び出すことは無かったようですが、電車内で悪魔祓いが行われるというのは異常です。
しかし、さらに驚きなのは、地元メディアによると、メキシコシティの電車内ではこういう光景は決して珍しくないのだそうです…。
メキシコシティに旅行に行くことがあれば、ぜひ電車に乗りましょう。
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5 親切すぎる行為に涙した女性
電車の中にいる奇妙な人というのは、大抵は周りに迷惑をかける人です。
しかしごく稀に、親切すぎる人であるということも。
2018年1月、エラ・ヨハネッセンという23歳の女性が、イギリスのリーズからピーターバラに電車で向かっているとき、母親と電話で話していました。
彼女はお金に困っており、そのことに対する不満やストレスなどを母親にぶちまけていたのです。
ひとしきり発散すると、エラはそのまま寝てしまいました。
30分ほどして目を覚ますと、自分の膝の上に、誰が置いたのか、二つ折りの白いナプキンが。
日本でこんなことが起きたら、何か嫌な予感がする人がほとんどでしょう。
電車内で電話をかけるというマナー違反に対して、お説教のメモでも入っているのか。
ひょっとしたら、エラもそんな考えが一瞬脳裏をよぎったかもしれません。
しかし、結果はその逆。
ナプキンを開いてみると、20ポンド紙幣が5枚(約13000円分)入っていたのです。
それを見た瞬間、彼女は思わず涙が溢れてきたとか。
リーズ・ベケット大学を卒業して間もないエラは、金銭的な問題に加え、少し前に父親を亡くしていたこともあり、精神的にかなり参っていました。
それだけに、見知らぬ人からの善意に痛く感動したのです。
彼女は早速この話をフェイスブックに投稿し、その親切すぎる人物を探そうとしたのですが、残念ながら手掛かりは見つかりませんでした。
エラが経済的に困窮していることを、電話での会話から偶然知った客が100ポンドをプレゼントしたのでしょうが、赤の他人にそこまでする人がいるのは驚きです。