異常な隣人
がいたらどうするべきか。
戦うか、耐えるか、それとも引っ越すか……。
この選択を誤ると、最悪の場合、地獄が待っています。
そして何より怖いのは、最後の選択肢を選んでも、結局地獄が待っているケース。
引っ越した先にマトモな人ばかりが住んでいる保証などありません。
新たな土地で生活を始めた途端、また悪夢が襲ってくる可能性も無いとは言い切れないのです。
〈originally posted on November 27,2017〉
1 同じ歌を2千回も聴かされる悪夢
隣人とのトラブルで多いのは、やはり騒音が絡んだケースでしょう。
ブルガリア在住のアレクサンダー・アレクサンドロフ(45)は、隣に住む男が、毎日ボリュームを最大にして音楽をかけているのに耐えられなくなりました。
その隣人マーティン・クロモフ(27)が聴いていたのは、イギリスのポップシンガーであるロビー・ウィリアムズのヒット曲『Angels』。
彼はこの曲を、一週間に渡って優に2千回はかけていたとか。
これに対し、アレクサンドロフは、隣人に文句を言いに行くようなことはしませんでした。
話して理解させられる相手ではないと確信していたので、あっさり刃物でブスリとやってしまったのです。
その後、動かなくなったクロモフを車に乗せ、捨てる場所を探して運転しているときにガス欠となり、そこで逮捕されました。
裁判で、彼は懲役16年が言い渡されています。
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2 隣人の声で寝られない日々
こちらは、先ほどとは次元の異なる騒音被害。
米国ペンシルベニア州のアパートに住むターニャ・セイラーには、重病を抱えた夫と、17歳でガンを患っている娘を含めた5人の子供がいます。
この状況では、どう考えても、頭のおかしい隣人に構っている暇など彼女にはありません。
しかし、そういう場合ほど、変な奴が隣に住んでいるのが人生の厄介なところ。
セイラーの娘たちが寝ている部屋の隣には、アマンダ・ウォーフィルという女が住んでいました。
毎日、夜中になると、子供には聞かせたくないようなイチャコラの声が、大音量で壁を突き抜けて安眠を妨害します。
耳栓をしたり、ヘッドホンを装着したりしても効果はなく、娘たちはまともに寝られない日々が続きました。
あるとき、セイラーはアマンダの部屋を訪ね、ガンに苦しむ娘が十分な睡眠を取れるように、声をもう少しだけ小さくしてもらえないか、と丁重にお願いしたのです。
その結果……。
声は小さくなるどころか、アマンダは、自分の中の「絶叫モード」をオンにする始末。
また、セイラーの娘たちに向けて、人種差別的な暴言を連発していました。
この陰湿な嫌がらせは2年間も続き、明け方まで声が聴こえることもあったとか。
ここまで来ると、さすがに法の裁きを受けないはずはなく、アマンダは45~90日の懲役刑を宣告されています。
3 爆弾を投げ合う村
というのは、近所に1人だけとは限りません。
2013年12月、インドのイディンタカライという漁村で、漁業権を巡って住民どうしの争いが勃発しました。
対立する二つのグループの中で、話し合いによる解決など眼中に無かった一部の者たちが、自宅で爆弾を作り、互いに敵対勢力に投げあうという恐ろしい事態に発展。
彼らの本職は漁師であって、爆弾作りのプロではありませんから、お手製の爆弾を作っている時に誤ってそれが爆発し、それにより7名が亡くなりました。
その後、役所の人間によって話し合いの場が設けられたものの、酒に酔った男がまたもや爆弾を放り投げます。
この時は、村人の一人が咄嗟に爆弾を水中に沈めて、事なきを得ました。
4 住人の全員がいがみ合う村
米国バーモント州にある「ヴィクトリー」という小さな村は、学校や郵便局、教会、ガソリンスタンド、ショップといったものが一つもありません。
60人ほどしかいない住人の多くは高齢で、村人の8割は仕事をせずに年金などで生活しており、また、全員が互いに顔見知りです。
老人たちからなる小さなコミュニティなので、平和的なほのぼのとした生活を想像してしまいますが、実際はその真逆。
政治的な考えの違いから、村人たちは2つの派閥に分かれ、どんな事柄についても意見がまとまることはありません。
その上、対立する派閥への嫌がらせは日常茶飯事。
脅迫状が送られてきたり、ペットが殺されたりといった悪質なものも普通にあります。
この対立は20年以上前から続いていますが、不思議なことに、ここまでいがみ合うようになったきっかけが何だったのかは、もはや誰も覚えていないのです。
この争いが終わる日は来るのか、と尋ねられると、ある村人はこう答えました。
そりゃ来るさ。
村の人間が全員死んだらね。
俺も含めて。
5 トラウマになるクリスマス
が近づくと、家の周りにきらびやかな電飾を取り付けて、聖夜の雰囲気を演出する家庭が増えるのは、日本でもおなじみです。
付近の住人にとっては目の保養になるはずですが、やり過ぎは禁物かもしれません。
2007年、米国ペンシルベニア州のロス・タウンシップに住むビル・アンセルは、カジノも顔負けと言っていいほどのド派手な電飾で、家を目立たせていました。
ところが、あまりにも眩しいために近所から苦情が殺到。
アンセルは、やむなく全てのデコレーションを撤去しました。
そして、ここから彼の復讐が始まります。
クリスマスの時期になると、アンセルは、家の周りに不気味な飾り付けを施すようになったのです。
その他にも、特定の住人を名指しで罵る文を書いた紙をあちこちに張っていました。
さらに、投光照明器を使って周りの家を照らしたり、真夜中にハンマーで騒音を立てたりと、正にやりたい放題。
こんなことになるなら、多少眩しくても、前のままの方がマシだったと思った住人は少なくないでしょう。
6 引っ越しを阻止される恐怖
米国アラバマ州モンゴメリー郡に住むジェイソン・クラークという男は、巨額の資金を投入して自宅をまるで要塞のように変えてしまった、一種の変人です。
家の正面には大きなオレンジ色のフェンスが設置され、人感センサー付きのスポットライトや監視カメラも完備し、また、家の中にはライフル、ピストル、銃弾4千発もありました。
彼にとっては、周りに住む者すべてが敵だったのでしょう。
自宅の前を通る車にスポットライトを当てたり、他人の家の庭に毒物を撒いたりと、悪質な迷惑行為を繰り返し、ある時には、近くに住むトニー・カルホーンという男性に車を衝突させて怪我を負わせました。
理由は定かではありませんが、そんなクラークの目の敵にされてしまった不幸な人が、ジョー・グロスという男性。
グロスが飼っていた犬は、クラークの撒いた毒によって死亡しました。
我慢の限界を感じたグロスは、家を売却して引っ越すことを検討しはじめます。
遠く離れた場所に転居すれば、厄介な隣人とのトラブルは、たいてい解決するでしょう。
しかし、本当に頭のおかしい隣人を相手にすると、その対応策ですらすんなりとは行きません。
クラークは、グロスに家を売却させまいとして、彼の物件を扱わないように地元の不動産屋を脅迫したのです。
結局、グロスは自宅を教会に寄付して、そこを出て行く決断をしました。
その後、クラークは刑事裁判にかけられ、懲役16年が宣告されています。
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結論 ネイバー(neighbor)まとめ
異常な行動を取っている隣人がいる場合、最善の対処法は、とにかく「何もしないこと」に尽きます。
注意されて素直に行動を改めるような人間なら、端から異常な行動は取らないはずだからです。
常識では考えられないようなマナー違反を犯して平然としている人間に下手に注意すれば、相手の中の「危険なスイッチ」が入ってしまう可能性大。
運が悪いと、逆恨みによって更なる地獄を味わうはめになるでしょう……。