タバコ、酒、暴飲暴食。
毎日、残業で休息の無い日々。
こういう生活を継続していれば、いずれは皺寄せが来るでしょう。
体を壊すのは時間の問題です。
ただ、これらの行動は健康に悪いのが明らかなので、誰もが気を付けるべきことだと言えます。
しかし、体に悪いことが明らかなものだけに注意すればいいとは限りません。
表面的には特に問題が無さそうな行動が、実は精神面、肉体面にダメージを与えていることもあるのです。
〈originally posted on January 1, 2024〉
1 スヌーズボタン
明け方、目覚まし時計のアラーム音で目が覚める。
後はそのまま起きるだけなのに、「あと5分……」と思いつつスヌーズボタンを押して、なかなかベッドから出られない。
こういう人は少なくないでしょう。
日本人の睡眠時間は、世界的に見て極めて短いと言われていますから、朝の「あと5分」くらいは許されてもいいように思えます。
しかし、アメリカのノートルダム大学が昨年発表した論文によれば、これは健康に悪いのだとか。
目覚ましが鳴ってすぐに起きる人と、何度かスヌーズボタンを押した後にようやく起きる人とでは、後者の方が心拍数が高くなる傾向が強いそうです。
同大学が行った実験に参加した450人のうち、57%は「スヌーズ派」でした。
さらに、男性よりも女性の方が、スヌーズ派の割合が12%多いという結果に。
また、フランスで行われた別の研究によると、健康的な睡眠習慣を持つ人は、そうでない人よりも、心臓疾患にかかる確率が大幅に低いとされています。
睡眠の専門家の話では、スヌーズボタンで再び眠ろうとしたところで十分な睡眠は得られないのだから、一回目のアラームで起きるのがベストであるとのこと。
そのためには、最初からスヌーズ機能の無い目覚まし時計を使うのも一つの方法だと語っています。
寒い時期には特に、「スヌーズであと5分」という欲求に勝つのが難しいこともありますが、どうせ起きねばならないのなら、さっさと起きて行動を起こす方が、心臓への負担も無く、時間も有効に使えて一石二鳥と言えるでしょう。
2 ヨーヨーダイエット
美味しい食べ物というのは、たいてい高カロリーです。
そういったものを存分に食べまくっていれば、体重が増えるのは必至。
だからといって、低カロリーの食事ばかりでは、毎日の食生活がなんとも味気ない。
そこで、高カロリーの食事を堪能した後は、しばらく低カロリーのものを中心にして、その後また高カロリーの食事に戻す、という人が出てくるわけです。
体重が増えたな、と思ったらダイエットで体重を減らし、その後また体重が増えて、という行ったり来たりのヨーヨーダイエット。
アメリカのジョージタウン大学での研究によれば、一日の摂取カロリーを定期的に変える食事の習慣は、長期的な健康ダメージを招く恐れがあるそうです。
最悪の場合、心臓疾患や糖尿病などに発展する可能性もあるとか。
これは、高カロリーの食事と低カロリーの食事を交互に繰り返すような食生活は、不健康な食生活よりも悪影響があるということを示唆しています。
3 Twitch
ゲーム実況においてYouTubeと並ぶ巨大プラットフォームであるTwitch。
これはあくまでアメリカでのリサーチですが、ペンシルベニア州立大学の研究者によれば、日常的にTwitchを観ることは不健康につながるのだとか。
その理由はいたって単純。
不健康なスナックやドリンクの広告が多いからです。
TwitchはYouTubeに比べると若い世代の視聴者が多く、日常的に観る人たちの15%は不健康な商品の広告に影響されており、その約半数は実際にそういった商品を購入してしまうとされています。
「そういった商品」の中にはエナジードリンクが含まれているのですが、エナジードリンクは肥満になりやすい飲物としてよく指摘される代表格。
Twitchでの広告は、特に若者に対して非常に効果的なので、エナジードリンクの会社はテレビのCMよりも、最近ではTwitchでの宣伝に力を入れているのだとか。
Twitchを観るのが好きな人達は、その犠牲(?)になっていると言えるかもしれません。
アメリカは人口の4割が肥満症であるとされており、未成年者に限定しても2割を超えています。
そんなアメリカにおいて、Twitchの広告が視聴者に与える影響はかなり深刻です。
4 孤独
仕事上のストレスの多くは人間関係が原因です。
よって、仕事以外ではなるべく他の人との関わりを断ちたい考える人も多いはず。
まあ、かくいう私もそんな感じですが……。
しかし、アメリカのシカゴ大学での研究によると、孤独でいることはタバコを吸うのと同じくらい健康に悪いのだとか。
孤独感が強い人は、コルチゾールというホルモンのレベルが上昇し、それに伴い血圧が上がります。
その結果、心臓発作のリスクも上昇。
さらに、コルチゾールの増加は体の免疫機能をも弱めます。
また、因果関係は明確ではありませんが、孤独でいることは、認知症になるのを早めることにつながるとのこと。
一言で言えば、健康にとって、孤独でいることに良いことは何ひとつありません。
悪影響だらけです。
孤独を愛するライフスタイルの人もいるでしょうが、自分の身体のことを考えるなら、友人との付き合いを大事にする方が得策でしょう。
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5 「明日から本気出す!」
今やらねばならないことがあるのに、ついつい先延ばしにしてしまう。
すぐに本気を出さねばならないのに、なかなかエンジンがかからない。
こういう人は、周りから「ダメ人間」というふうに見られがち。
それだけではありません。
スウェーデンで3500人の学生を対象にして行われた研究によると、何でも先延ばしにしてしまうタイプの人は、睡眠時間が不規則になりがちで、さらには、運動不足や経済的困窮に陥る可能性も高くなるのだとか。
我々は誰しも、ちょっとしたことを先延ばしにするときがあります。
例えば、今日やるはずだった部屋掃除は明日にしよう、という具合に。
しかし、あらゆることについて先延ばしにしてしまう性質が染み付いている人は、学校の成績やメンタルヘルス、ひいては収入面まで悪くなる傾向があるのです。
これを、子供を育てる親の立場から見れば、やるべきことを先延ばしにしない習慣を、子供の頃から身に付けさせることが非常に重要であるということ。
何でも先延ばしにするタイプの子供は、その代償が、大人になって一気に降りかかるかもしれません。