接客の上手な店員さん
のいる店だと、快適に買い物ができて、また来ようという気にさせられます。
一方、接客に問題のある店員だらけの店だと、「こんな店、二度と来るか!」と気分を害されてしまうことも。
店の売り上げにも大きな影響を与えるこの接客に関して、おそらく多くの人が抱いているであろう疑問が一つあります。
それは、「店員さんって、何であんなにグイグイ話しかけてくるの?」ということ。
こっちの商品にしようか、そっちの商品にしようか、などと迷っているときに限って、全く関係ない話題を店員から振られてしまったときの、あのなんとも言えない面倒臭さは、誰もが一度は経験したことがあるはず。
今回は、そんな厄介な店員さんの話です。
〈originally posted on April 19,2021〉
1 速攻話しかけタイプ
家電量販店のスマホ売り場に立ち寄り、スマホの前に立った瞬間、ものの数秒で店員に話かけられる。
これはよくある現象です。
店員が客に話しかけること自体は何ら問題ないのですが、そのタイミングが早すぎる場合、客としてはリアクションに困ります。
何となくスマホ売り場に行き、何となくスマホを物色したいと思っている客にとって、売り場に行った途端に話しかけられるのは、それなりに面倒。
確固たる目的など何も無く、ただぶらぶらと店内を巡りたい客にとって、こういう店員は「天敵」と言えるかもしれません。
このタイプの店員は、あたかもその客が、スマホの購入を既に決めており、後は機種を選ぶだけ、という状態にあるものと断定して話しかけてきます。
すなわち、客と店員との間に、非常に大きな認識のズレがあるのです。
厄介なことに、客の側は、このズレを早急に訂正せねばなりません。
そしてこれが、けっこう面倒な話。
店内をのんびり見て回る自由を客に与えてほしい、と言いたくなります。
2 いきなり解説タイプ
先のパターンとは違い、すでに購入を決めている客にとっては、店員が話しかけてくるのは特に問題なさそうですが、この場合であっても油断できない店員がいます。
それは、いきなり解説タイプの店員。
こちらが聞いてもいないのに、唐突に商品の解説を始める店員です。
ノートパソコンの前に立っていると、いきなり店員が近づいてきて、
「このノートパソコンですと、16GBのメモリを搭載しておりまして、あとストレージは256GBのSSD、それとCPUはコア数とクロック数が……」
などと解説し始める。
こういう説明を聞いても、パソコンにあまり詳しくない人は、ピンと来ないでしょう。
商品の解説をしてくれるのは有り難いのですが、問題は、客がどういう情報を欲しているのかを確かめもせずに、いきなりベラベラと喋り始めること。
このタイプの店員は、客に与える不快度が高く、場合によっては悲惨な事態を招くこともあります(後述)。
3 タメ口タイプ
40代くらいのベテラン男性店員に多く見られるのがこのタイプ(特に家電量販店)。
陳列されている電化製品の前で立っている、機械に詳しくなさそうな中年女性客を見つけるやいなや、こんな風に話しかけてきます。
「お母さん、これはね、ブルーレイプレイヤーっていうの」
「これ一台あれば、DVDも観れるし、CDも聴けるからね」
「でもねぇ、テレビ番組の録画は出来ないんよ。そこだけ注意して」
親切に教えてくれるのはいいとして、しかし何故タメ口なのか。
これは本当に不思議です。
機械音痴っぽい中年女性を相手に接客するときは、タメ口でOKという暗黙のルールが、家電量販店の業界にはあるのか。
もちろん、ベテラン男性店員の全員がそうというわけではないのですが、ノリのいい店員に多く見られるような気がします。
「お客様は神様」などと言うつもりはありませんが、最低限の接客マナーとして、やはり客には敬語を使うべきでしょう。
答 簡単な問題解決法
あるリサーチによると、店員が客に声をかけることに対し、肯定的に捉える客と、否定的に捉える客の割合は、ほぼ半々だったとか。
ということは、全体の約半数の客は、店員の声掛けに対してある程度は嫌悪感を抱いているということ。
この事実は、経営者にとっては無視できない問題でしょう。
そしてこの問題を解決する簡単な方法が、一つあります。
店員の声掛けを維持しつつ、なおかつ客に不快感を与えない方法が。
それは、客側に選択権を与えるように話しかけること。
ある商品の前で悩んでいる雰囲気の客を見つけたら、
「こちらの商品で何かご不明な点があれば、お尋ねください」
と言うのがベスト。
店の目玉商品について説明を始めたいときも、
「この商品、当店のおすすめなのですが、ちょっとご説明してもよろしいでしょうか」
などと言えば、いきなりダラダラと説明し始める場合と違い、相手に不快感を与えることはありません。
一般論として、丁寧な言い方というのは、「~して頂けますか」のように、相手に許否の選択権を与える形式になるのが基本です。
これは、店員の声掛けにも当てはめて然るべきでしょう。
そう考えると、客の意向を無視して一方的に喋りまくるのはかなり無礼。
店側からすれば、積極的に客に声掛けをすることで、客とのコミュニケーションを大切にしているのかもしれません。
しかしながら、相手の気持ちを全く考慮せず、自分が言うべきことをただ言うだけというのは、コミュニケーションとは呼べないのです。
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番外編 販促スタッフにキレる客
最後にご紹介するのは、僕自身が目撃した、ある若い男性客の話。
かなり前のことですが、大阪にある大手パソコンショップに立ち寄ったとき、某セキュリティソフトの販促スタッフの女性が、店内で客に声をかけていました。
この女性は、上記の店員タイプで言うと、「いきなり解説タイプ」。
セキュリティソフトの売り場にやって来た客を見つけるや否や、いきなり自社製品の解説を始めます。
僕は、その売り場から少し離れた場所にいたのですが、突然、激しい怒鳴り声が聞こえてきました。
「今、商品見てる最中やから、ちょっと黙っとけ!!」
確か、こんな感じでした。
その男性、商品を選んでいる真っ最中に話しかけられて、かなりイライラしたのでしょう。
怒鳴り声の音量は相当なもので、付近にいた客の全員が、「ナニゴト!?」と驚くほど。
気持ちは分からなくもないですが、怒鳴られて凹んでいる様子の女性スタッフを見た瞬間、そこまでキレなくても……という気にさせられました。