僕がこのブログを始めたころに比べると、ブログを取り巻く環境は、かなり変わりました。
主に、悪い方向へ。
5~6年くらい前であれば、個人のブログはけっこう盛んでした。
まあ、当時から、「ブログなんてもうオワリ」と言う人はいましたけれど、それでもまだまだブログには勢いがあったように思います。
しかし、最近は「あるモノ」にかなり押され気味。
その「あるモノ」とは、言うまでもなく、YouTubeです。
〈originally posted on June 7,2021〉
1 勢いを増し続けるYouTube
数年前に比べると、今やYouTubeは激戦区となった印象があります。
その原因の一つは、ありとあらゆる業界で、自分のチャンネルを持つ人が増えたから。
例えば、お笑い芸人さんであれば、チャンネルを持っていない人の方が珍しいくらいです。
その他にも、タレント、歌手、声優など、様々な業界の人が動画を投稿しています。
そういった、広い意味での芸能人だけでなく、一般人であっても、何らかの専門的な知識・経験を持つ人で、そのスキルを活かして動画を作っている人は大勢います。
それに比べると、YouTubeではなく敢えてブログで情報を発信する、という人は、少数派。
特に、若い世代ほど、この傾向は強いように思います。
【スポンサーリンク】
2 維持費のかからないYouTube
規模の小さいブログであっても、運営するには、それなりの費用がかかります。
まず、サーバーのレンタル費用。
それに加え、場合によってはブログのテーマ(テンプレート)のサブスクリプション料金も必要です。
さらに、万が一、サイトの表示や構造に不具合が発生したときのための、自動バックアップ。
これも、有料サービスです。
忘れてはいけないのが、ドメイン名の維持費。
地味ですが、これもタダではありません。
こうして見ると、ブログ一つやっていくのには、けっこうお金がかかります。
それに比べて、YouTubeはどうか。
誰でも無料でチャンネルを開設できて、いくらでも動画をアップロードできる。
規約に違反したコンテンツでない限り、投稿した動画は半永久的に存在し続けます。
つまり、チャンネルを維持するのに、何の費用も要りません。
ブログ運営とは雲泥の差です。
3 不具合への対処とは無縁のYouTube
ブログを運営する上で厄介なのは、費用の問題だけではありません。
サイトを構築しているテンプレートやプラグイン等は、常に最新のものにしておく必要がありますし、サーバーを提供している会社から、技術的な面で利用者に細かい対応を求められることもあります。
こういったことへの対処を怠ると、最悪の場合、セキュリティ上の問題が発生する可能性も。
一方、YouTubeでは、ユーザー側にそんな心配は無用です。
ごく稀に、動画の再生が上手くいかなかったりするトラブルがありますが、それは飽くまでYouTube側の問題。
ユーザーは、何もする必要がありませんし、そもそも何も出来ません。
つまり、チャンネル所有者は、コンテンツ作りにだけ専念していればよいのです。
4 著作権の問題
ブログは、著作権に関しては、かなり厳しいメディアだと言えます。
例えば、ゲームのスクリーンショット。
多くのゲームレビューサイトでは、ゲーム画面のスクショを山ほど掲載していますから、自分のブログでも自由に使ってOKなのでは、と思いたくなりますが、そうではありません。
こちらのサイトでの解説によれば、こういった行為は、明らかに著作権侵害に当たります。
ゲームの画像・映像を個人が使用するためのガイドラインとして、YouTubeでの投稿を許可しているゲームメーカーは多いのですが、収益化している個人ブログに対して、スクショの使用を明示的に許可しているメーカーは、ほとんどありません。
ということは、メーカーから許諾を得ずに、スクショを掲載しているブログは、その多くが著作権侵害を犯していることになります。
それに比べると、YouTubeは著作権に関しては非常に寛大な場であると言えるかもしれません。
5 稼ぎやすいのは断然YouTube
収益
という面から見ても、ブログよりYouTubeの方が有利です。
ブログは、当然ながら、一つのまとまった記事を書き上げなければ、投稿できません。
ゲームのレビューや感想にしても同様。
文章を書かないことには始まらないのです。
一方、YouTubeであれば、工夫次第で、もっと簡単にコンテンツを作成できます。
ゲームのプレイ動画で稼ぎたい場合、実況動画を思い浮かべる人が多いでしょうが、必ずしも実況する必要はありません。
例えば、イギリス人YouTuberであるShirrakoという人の場合、基本的にゲームのプレイ動画を投稿しているだけで、実況やコメントは一切無し。
それでいて、チャンネル登録者数は、現在140万を超えています。
動画一本当たりの再生回数は、平均で数十万あり、それがほぼ毎日投稿されているので、年収は相当な額でしょう。
誰もが彼のマネをして、同じように稼げるわけではないでしょうが、やりようによっては、コメント無しのプレイ動画だけで大金を手に入れられることを示しています。
こういったロマンがあるのもYouTubeの魅力の一つでしょう。
ブログでは、まずありえない現象です。
6 企業ブログしか生き残れない?
2年ほど前、グーグルは、検索アルゴリズムに大幅な変更を加えたと言われています。
その結果、検索で優遇されるのは、主に企業が運営するような、巨大ブログ。
これにより、個人が運営する、とりわけ弱小なブログの多くは、風前の灯火になったとか。
この傾向が今後も続くのであれば、個人が情報を発信する手段はYouTube、企業のそれは、ブログまたはYouTube、という流れが定着しそうです。
つまり、個人のブログは居場所が無くなる。
完全に消滅することは無いでしょうが、その状態は確実に近づいて来ているように思います。
【スポンサーリンク】
問 個人ブログに未来はあるのか
こうして見てくると、個人が情報を発信する手段としてのブログは、YouTubeにどんどんその座を奪われつつあります。
「私、ブログやってるんだ」などと人に言うと、「え、なんでYouTubeじゃないの?」と不思議がられる日が、近い将来やって来るかもしれません。
或いは、ブログをやっている人に対し、ガラケーを使っている人に対するような眼差しが向けられる日が来るのかも。
個人ブログに未来はあるのか、と問われれば、僕自身は、「あまり明るい未来は無い」という答えしか思いつきません。
もちろん、今まで述べてきたのは、僕の個人的な見解ですし、僕はブログやSEOのエキスパートでも何でもないので、個人ブログに明るい未来を見いだせないのは、誤った捉え方かもしれません。
というか、むしろ誤っていて欲しい……。