企業を経営していく上で、重大な決断を迫られる局面は数多くある。
その決断が誤っていたら、経営者が責任を追及されることも。
よって、普通は絶対に失敗のないような選択をするわけだが……。
それでも、後悔してもしきれない大失敗は起きるのである。
〈originally posted on December 6,2014〉
1 「Coca Cola」 → 「Coke」
あまり知られていない事実だが、コカコーラは1985年に一度商品名を「Coca Cola」から「Coke」に変更している。
多くの人に親しまれていた名前を変えてしまった理由ははっきりしないが、名前とともに99年間守られ続けたレシピまで変えてしまったのはマズかった。
約40万件ものクレームが消費者から寄せられ、売り上げも低下。
その結果、3ヶ月と経たないうちに名前もレシピも元に戻してしまった。
2 STAR WARS
1977年、映画「STAR WARS」が制作された際、20世紀FOXは映画の版権を監督であるジョージ・ルーカスにたったの2万ドルで売ってしまった。
その背景には、ジョージ・ルーカスが、監督としてのギャラは低くて構わないから版権を売ってくれと交渉した事実がある。
ジョージ・ルーカスは映画の版権が長期に渡って利益を生み続けるという確信があったのである。
一方、20世紀FOXはスター・ウォーズを若干軽視しており、版権など持っていたところで大した金にはならないと判断した。
しかし、スター・ウォーズはその後様々なグッズやゲームなど多くのメディアに展開し、莫大な利益を生むことになるのだ。
3 PIXARの売却
スター・ウォーズで版権をガッチリ確保し、商才を光らせたルーカス自身も大失敗をやらかしている。
1986年、アップル創設者であるスティーブ・ジョブズにCGアニメ制作会社であるPIXARを500万ドルで売却してしまったのだ。
これのどこが失敗なのかと思われるかもしれない。
ところが、20年後、ディズニーはPIXARをその1500倍である74億ドルで買収したのである。
4 Kodak のデジタルカメラ
Kodak は1975年に世界初のデジタルカメラの開発に成功していた。
しかし、フィルムが売れなくなってしまう事を恐れて公表を控えていたのである。
近い将来、世の中が完全にデジタルカメラ一色になる日が来るとは夢にも思わなかったのだろう。
その後、Kodak の経営は悪化の一途を辿り、2012年には裁判所に倒産法の申請をしている。
もし、1975年に世界に先駆けてデジタルカメラを販売していたら、世界有数の大企業になっていたのかもしれない。
5 ビートルズを断ったレコード会社
1962年、ビートルズのメンバーはデビュー前、デッカ・レコード(DECCA Records)に2時間にわたるオーディション用のデモテープを送った。
しかし後日、同レコード会社の社員と会った際、
「ギターを持った4人組バンドの時代なんてもう終わってるんだよ」
と言われ、契約を断られてしまった。
その後、ビートルズがどうなったかを知らない人はいないだろう。
6 Google vs Yahoo!
ビジネスにおける「世紀の判断ミス」といえるのがこれだ。
Googleが誕生する以前にインターネットに君臨していたのはYahoo!である。
Yahoo!は1997年にGoogleを100万ドルで買収する話を持ちかけられ、断った。
その5年後、今度は500万ドルでの買収を持ちかけられ、これもまた断った。
2014年現在、Googleの資産価値は3500億ドルであり、これはYahoo!の約10倍と見られている。
2人の学生が始めた会社を軽く見たYahoo!の代償は余りにも大きすぎた。
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