いつも一人。完全に一人。どこまでも一人。
そんな孤独な人たちをご紹介します。
一人になりたいと思うことは誰にでもあるでしょう。
孤独というのは、どこかマイナスなイメージが付きまといますが、時には孤独でいることも必要です。
これは決して、後ろ向きな生き方ではなく、むしろ人間関係をより充実したものにするために、一人で考えにふける時間が必要なのだと言えるかも知れません。
もちろん、過ぎた孤独状態は逆効果。
集団でいることと、孤独でいることとのバランスが重要だと言えます。
しかし、世界には「孤独」という言葉では表現しきれないほど、孤独に徹した人たちがいるのです。
〈originally posted on October 1,2016〉
1 「穴の男」
1996年、ブラジルの熱帯雨林で、およそ現代人とは思えないような風貌の謎めいた男が目撃されるようになりました。
この噂が広まったことで、ブラジル国立先住民保護財団から、調査隊が派遣されることに。
現地に到着した彼らは、原始的な作りの小屋がいくつか廃棄されているのを目にします。
それぞれの小屋の近くには、深さ2メートル近い穴が掘られており、どうやらこの穴を使って、何者かが獲物を捕らえている様子でした。
その後、これらの穴を掘ったと思しき男性に、遂に調査隊が遭遇。
しかし、その男性に接触を図ろうとすると、彼は、いきなり調査隊員の胸を目がけて矢を放ってきたのです。
結局、その「穴の男」に話を聞くことは出来ませんでした。
彼は、この地で生活を続けていた先住民族の最後の生き残りで、おそらくは言葉も通じないと考えられています。
2007年、先住民保護財団は、密林の中でこの男性が暮らしていた土地一帯の所有権は、憲法に則って彼にあると宣言しました。
しかし、2009年に銃を持った一団がこの場所を襲撃。
幸い、「穴の男」は無事でした。
おそらく彼は、その後も、アマゾンの中で穴を掘って獲物を捕らえながら、たった一人で生活を続けていたと考えられます。
2 人間嫌いの馬主
1905年にイングランドで生まれたドロシー・パジェットという女性は、学校を卒業した後、母親と同じく競走馬の馬主の道を選びました。
彼女の馬は1500以上のレースで優勝を飾り、馬主としては順風満帆の人生を送っていたのです。
しかし、それ以外の面では色々と問題を抱えていました。
体重が130kgの大台に乗りそうなほどの食生活に加え、タバコは一日に100本吸い続けるという不健康な生活が祟り、見た目は実年齢よりはるかに老けていたのです。
さらに、人に見られることを極度に恐れていたため、競馬場では常に女性秘書たちに自分の周りを取り囲ませ、時には人目を避けるためにトイレに篭りっぱなしのことも。
電車で移動する際は、一車両を丸ごと貸し切りにするという念の入れようでした。
また、スタッフに指示を出すときは会話を避けてメモを使い、しかも彼らのことは名前ではなく、自分で決めた色の名前で区別していたのです。
ドロシーは、やがて完全に外界との接触を絶ち、ほぼ一日中ベッドの上で過ごすようになります。
ある日の朝、彼女は心不全のため、54歳でこの世を去りました。
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3 27年間の窃盗ライフ
1986年、米国メイン州に住んでいたクリストファー・ナイトという男性(当時20歳)は、周りに何も言わずいきなり森の中で隠遁生活を始めました。
そんな彼の存在が発見されたのは27年後の2013年。
その間、ずっと独りで生き延びていたわけですが、アマゾンの熱帯雨林のようには獲物が手に入らない普通の森で、どうやって彼は生活していたのか。
実は、近くの民家に押し入って必要な物を盗みまくっていたのです。
寝袋や衣類から食料・酒類に至るまで何でもアリでした。
そのおかげで、日中は木々に囲まれて酒を飲みながらテレビを見たり、携帯型ゲーム機で遊んだりと、かなり悠々自適な時間を過ごしていたのです。
しかし、27年間続いた窃盗生活は、お菓子を盗もうとしているところを警察に逮捕されたことで終わりを告げます。
この時、彼の所持品の中で、彼自身が元々持っていたのは眼鏡だけだったとか。
森の中でクリストファーが生活していた場所からすべての盗品を運び出すのに、トラック2台が必要でした。
後の裁判で、彼には懲役7ヶ月が言い渡され、その刑期を終えた後は、アルコールを止めて定職に就き、現在は普通の生活を送っているそうです。