ご存知の方も多いと思いますが、日本人のガン罹患率は世界的にみてかなり高くなっています。
半世紀近くもの間、我が国おける死因の第一位です。
ガンの要因としてよく挙げられるのは、喫煙や極端な食生活、運動不足など。
ちなみに、男性では喫煙がトップ。
これらはほとんど常識の範疇ですが、常識とは言えない、あまり知られていないものもあるのです。
1 熱すぎるお茶
WHO(世界保健機関)のがん研究機関が2016年に発表したところによれば、熱すぎるお茶を毎日飲むことは食道がんのリスクを高める可能性があるそうです。
これは、イラン在住の40歳から75歳までの約5万人について、その食生活を調べた結果導き出された結論。
研究を主導したファラド・イスラミ氏の話では、65度を超える温度だと問題が生じうるのだとか。
舌を火傷しそうなくらい熱いお茶でなければ飲んだ気がしないという人もいるでしょうが、日常的に熱すぎるお茶ばかり飲むのは避けた方がいいかもしれません。
この問題の解決法は、考えてみれば簡単です。
お茶にせよコーヒーにせよ、少し冷ましてから飲むか、コーヒーや紅茶ならミルクを注いで温度を下げればいいだけの話です。
2 充実しすぎるイチャコラ生活

人間の3大欲求の1つといえば、ベッドの上でのパートナーとのイチャコラであります。
パートナーの数、すなわち「経験人数」に関しては人によってかなり違いがあるのが普通です。
生涯で配偶者とだけしか経験がないという人もいれば、正確な人数は覚えていないという人もいます。
何人もの人と経験がある方が充実した人生を送っているように感じる人もいるかもしれませんが、数が多い方が良いとは限りません。
イギリスやオーストリア、カナダなどの研究者が約5700人を対象に行った研究によれば、経験人数の多さとがん罹患率との間には関連があるとのこと。
男性については、経験人数が1人以下の人と比較すると、2~4人の人は57%、10人以上の人は69%、それぞれがん罹患率が高かったのです。
注目すべきは女性の場合で、経験人数が10人以上の人は91%もがん罹患率が上がります。
その原因については完全には解明されていないようですが、経験人数が多い人はタバコや酒を頻繁にのむ傾向が強いことが関係しているのかもしれません。
3 髪の毛を染める

イギリスのロンドンにあるプリンセス・グレース病院のケファ・モクベル医師によると、女性が髪の毛を染めることは、乳がんのリスクを高める可能性があるそうです。
具体的には、髪の毛を染めない人に比べ、乳がん罹患率が14%上がります。
モクベル医師のアドバイスでは、髪の毛を染める場合でも、年に2~6回に留めるべきであるとのこと。
また、合成染料の使用はなるべく避け、天然素材のものを使用するべきなのだとか。
普段からよく髪の毛を染める人は、40歳を過ぎてからは、定期的に乳がん検診に行った方が良いとされています。
ただし、染髪が乳がんリスクを高めるメカニズムについてはまだよく分かっていません。
4 タトゥーを彫る

スウェーデンにあるルンド大学で、約12000人を対象に行われた研究によると、タトゥーを彫ることで血液がんの一種である「リンパ腫」に罹患する危険性が21%上がるそうです。
研究を主導したクリステル・ニールセン博士の話では、タトゥーを彫ると体内で軽度の「炎症」が生じ、それが血液がんの引き金になっている可能性があるとのこと。
人間の体内にとってタトゥーのインクは「異物」と見なされ、免疫システムがそれを体から排除しようとするのですが、そのことと関連性がありそうです。
ただし、タトゥーと血液がんとの因果関係についてはまだ詳しくは分かっていません。
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5 血液型でがんのリスクは上がる(?)

約5万人のイラン人を対象にしたリサーチによれば、血液型がA、B、ABのいずれかの人は、O型の人に比べ、胃がんになるリスクが55%高いのだそうです。
また、A型の人は他の血液型の人に比べ、大腸がんになるリスクが6倍も高いのだとか。
やや古いリサーチですが、2016年に18000人を対象にしたリサーチでは、AB型の人は肝臓がんになるリスクが45%高いという結果が出ています。
ちなみに、胃がんになった有名人には以下のような方々がいます(カッコ内は血液型)。
- 渡辺謙(A)
- 大橋巨泉(A)
- 宮迫博之(B)
- 東ちづる(AB)
- 小林克也(A)
- 宮川花子(AB)
- 王貞治(O)
- 逸見政孝(A)
- 今いくよ(A)
- 越路吹雪(A)
日本人の血液型の割合は、A型が40%、O型が30%、B型が20%、AB型が10%となっているので、A型が多いのは不自然ではないですが、逆にO型は少なすぎるように思います。
血液型とがんリスクとの関連性については、はっきりとした科学的証明はなされていません。
一部の専門家は、バクテリア等の脅威に対する人体の免疫システムは血液型によって違いがあり、そのことが、ある血液型が特定のがんのリスクを高めるのではないかという仮説を立てています。
その一方で、血液型とがんリスクを安易に結びつける捉え方は危険であるという指摘もあります。
がんリスクには、タバコやお酒など、他の要素も重要な原因となりうるからです。
6 お店のレシート

スーパーやコンビニ等で買い物をした際に必ずもらう物といえば、レシート。
このレシートに使われる感熱紙にはBPA(ビスフェノールA)という物質が含まれていることがあります。
これは環境ホルモンの一種で、人間の皮膚を通して体内に取り込まれる性質があり、それにより不妊症や肥満、がん等のリスクを上げる可能性があるとされています。
昔はレジの店員さんが客に手渡ししていたので、店員さんがBPAにさらされる機会はかなり多かったはず。
しかし、今は精算機から客が自分でレシートを取るのが普通ですから、気をつけねばならないのは客の方です。
専門家は、レシートの扱いについて、以下のようなアドバイスをしています。
- 財布やハンドバッグに何枚も収納しないこと。
- メモ代わりにしないこと。
- 捨てるときにクシャクシャに丸めないこと。
すべてのレシートにBPAが含まれているわけではないですが、なるべくならこれらの行動は避けたほうがいいかもしれません。