誰しも、恐怖症の一つや二つはあるでしょう。
最もありがちな恐怖症は、高所恐怖症ではないでしょうか。
閉所恐怖症の人も、けっこう多い気がします。
しかし、恐怖症と名の付くものは、まだまだ数多く存在するのです。
今回は、実在する奇妙な恐怖症の数々をご紹介します。
〈originally posted on December 27,2014〉
1 Deipnophobia – 「会食」恐怖症
一発目は、「会食恐怖症」。
他の人と一緒に食事をして、会話をすることへの恐怖症です。
この症状を持つ人は、ディナーパーティに行くことなどもってのほか。
食事は家で済ませるか、外食するときも一人で食べるしかありません。
【スポンサーリンク】
2 Selenophobia – 「月」恐怖症
オオカミ男みたいな感じですが、月に恐怖を感じる人が存在するのです。
「お月見」などという言葉に代表されるように、日本では月に対して肯定的なイメージを持っていますが、欧米では逆に人を狂気に駆り立てるイメージがあります。
実際、この恐怖症を患っている人は、月によって危険な行動に走ってしまうのではないか、という不安感を抱くことがあるようです。
幼少期に聞かされた、月にまつわる迷信などをきっかけに発症する場合があるらしいです。
3 Genuphobia – 「ヒザ」恐怖症
この恐怖症は、ヒザそのものを見ることへの恐怖の他に、「ひざまづく」という行為に対する恐怖心も含みます。
ひざまづく行為は相手への服従を連想させるので、それに対する嫌悪感も関係しているのだとか。
4 Octophobia – 「8」恐怖症
数字の「8」に対する恐怖症。
実は一般的に思われているよりも、特定の数字に対して恐怖心を感じる人は多いそうです。
この恐怖症に当てはまる人は、例えば部屋数が「8」の建物が怖かったり、住所の番地に「8」が入っている家に住むのが嫌だったりするらしいです。
原因として考えられるのは、迷信に対して抱く恐怖心だと言われています。
また、「8」という形は90度回転させると「無限」を表す記号になることからも分かるように、「終わりの無いループ」を連想させるので、この数字をじっと見つめているだけで目眩を起こしたりする場合もあるそうです。
また、映画『オーメン』でおなじみの「666」という数字に対する恐怖症(Hexakosioihexekontahexaphobia)や、数字全般に対する恐怖症(Arithmophobia)もあります。
5 Aphenphosmphobia – 「接触」恐怖症
他人の体に触れたり、また他人から触れられたりすることへの恐怖症です。
特に、異性との間でこの症状が現れる例が多いようです。
性別を問わず、過去に性的暴行を受けた経験などが原因となりうるのだとか。
この症状を持つ人は、挨拶の時に行われる「握手」さえもできません。
6 Hippopotomonstrosesquippedaliophobia
これは、「長い単語」恐怖症です。
はい、その通りです。
誰もがツッコミたくなる恐怖症です。
この恐怖症の名前自体が長すぎだろ、と。
この恐怖症を患っている人は、確実にこの恐怖症の名前自体にも恐怖心を抱くわけです。
長い単語が怖い、というのは何だか妙な感じがしますが、この症状を持つ人は、十分な教育を受けていないことによって、言葉を正確に読むということに極度の不安を感じてしまうそうです。
彼らの中には、本を読むことを避けたり、高級料理店のような長いメニューが置いてある店を避けたりする人もいます。
7 Venustraphobia – 「美人」恐怖症
「美しいバラにはトゲが…」というような比喩的意味ではなく、文字通り美人に恐怖を感じる症状です。
この症状のある男性は、美人が近くにいると、極度の恐怖心やストレスに苦しめられるそうです。
原因は大別して2つあり、1つは、美しい女性との関係で大失敗をやらかした経験。
一種のトラウマといえるのかもしれません。
もう一つは、自分の容姿にまったく自信が無いこと。
美人がそばにいると、その人との「超えられない次元の壁」を痛感させられることで、それが恐怖心に発展するのだとか。
激しい劣等感と似たようなものでしょう。
8 Cacophobia – 「ブサイク(醜容)」恐怖症
美人が怖いという人がいるなら、ブサイクが怖いという人もいるのです。
この症状を患っている人は、ブサイクな人に恐怖心を抱くのみならず、自分が「醜い」と感じるような物や状況などはすべて恐怖の対象となるようです。
9 Vestiophobia – 「衣服」恐怖症
服を着ている状態や、服それ自体に対する恐怖症です。
この症状を持つ人は、いつも裸で過ごす……という訳にはいかないので、服はちゃんと着るのですが、なるべくサイズの大きい、肌と密着しにくいものを選ぶ傾向があるようです。
しかし、症状がひどくなると、完全に引きこもり状態になって、家の中で裸の生活を送る人もいるのだとか。
10 Sinistrophobia – 「左」恐怖症
左利きであることや、体の左側にある物に恐怖を感じる症状です。
この症状を持つ人たちは、強迫神経症的に、自分の左側にあるものを何でもネガティブな要素に結びつけてしまう傾向があるようです。
左側があるのなら、右側もあるのだろうかという疑問が湧きますが、ちゃんとあります。
それが、Dextrophobia(右恐怖症)です。
11 Bibliophobia – 「本」恐怖症
特定のジャンルの本に恐怖心を抱いたり、本を音読することができなかったりする症状です。
原因はさまざまで、幼少期の体験や学習障害が関係していると言われています。
この症状を持つ子供に本を声に出して読ませようとすると、パニックに陥って泣き出してしまう子もいるのだとか。
12 Philophobia – 「恋愛」恐怖症
恋に落ちたり、誰かと付き合うことに耐えられないという恐怖症です。
原因としては、トラウマになるような過去の体験や、自分の容姿などの遺伝的要因があるそうです。
この症状を持つ人は、誰かと「良い雰囲気」になったりすると、急に汗をかく、口の中が乾く、吐き気を催す、言葉が出なくなる、などの症状が出ることがあるらしいです。
13 Consecotaleophobia – 「箸」恐怖症
お箸を使って食事をすることへの恐怖症。
原因は大きく分けて2つあり、1つはお箸の使い方が極端に下手なことに対するコンプレックス。
もう1つは、アジア諸国やその文化に対する強い嫌悪感です。
まあ、日本人でこの恐怖症を患っている人はまずいないのではないかと思いますが…。
14 Euphobia – 「吉報」恐怖症
幸福を感じさせる知らせ、ニュースに対する恐怖症です。
程度の激しい「ぬか喜び」をさせられた経験(宝くじの1等に当選したと思ったら、違う抽選回の番号だった…など)を持つ人がこの恐怖症に陥ることが多いそうです。
他の人の身に起きた幸せな出来事などにも嫌悪感を示し、逆に不幸な出来事に心地よさを感じる傾向があります。
また、この症状を持つ人は、同じようにネガティブな考え方を持つ人と仲間意識を芽生えさせることが多いのだとか。
15 Metrophobia – 「ポエム」恐怖症
「メトロフォビア」などと聞くと、東京メトロが怖いのかと思いたくなりますが、これはポエムに対する恐怖症です。
ポエムを読んでも、その意味が完全に理解できないのではないか、という不安感が増大して恐怖心につながるケースが多いようです。
結婚記念日に、ダンナがいきなり奥さんにポエムを読み出したりしたら、別の意味で恐怖ですね。
16 Peladophobia – 「ハゲ」恐怖症
読んで字のごとく、ハゲている人たちに対する恐怖症です。
「ハゲ」と結びついた幼少期の体験や、遺伝的要因などからこの症状に発展するそうです。
ハゲ恐怖症によるストレスから自分がハゲる、という「ミイラ取りがミイラ…」みたいな展開もあるのかもしれません。
17 Panophobia – 「全般」恐怖症
恐怖症のラスボス的存在とでも言うべき、「全て」に対する恐怖症です。
身の周りのあらゆる物に対して恐怖心を感じてしまうのです。
例えば、暗い所が怖いからといって、明るい場所に行くと、今度は明るい場所に恐怖を覚えます。
原因としては、もともと何らかの恐怖症を患っていて、それが過度に悪化することで、他の恐怖症を次々と併発させてしまうケースが多いようです。
18 Phobophobia – 「恐怖症」恐怖症
何かに対して恐怖心を抱いてしまうことへの恐怖症。
言葉遊びのようですが、実際に存在する恐怖症です。
ある恐怖症からこの「恐怖症恐怖症」へと発展する場合もあるのですが、いきなりこの恐怖症に陥ることもあるのだとか。
この恐怖症が他の恐怖症と明らかに異なるのは、何らかの外部的なきっかけが無くても、常に不安や恐怖を感じてしまう点です。
というわけで、ちょっと変わった恐怖症の数々をご紹介しました。
僕自身は、特に何かの恐怖症を患っているということはありません。
でも、強いて言えば、「一度も結婚せずに死ぬかも」恐怖症、ですかね。
そんな恐怖症あるのか、と思って調べてみたら、何とありました。
それが、「独身」恐怖症(Anuptaphobia)です。
【スポンサーリンク】