もはや誰にも止められない。
学校を任せておくにはあまりに危険すぎる校長先生たちをご紹介します。
校長先生というのは、ある意味かなり謎に包まれた存在といえるかもしれません。
教壇に立って教える他の先生たちとは異なり、校長が毎日どんな仕事をこなしているのかは生徒ですらあまり知りません。
一つだけ確実なのは、学校で何か問題が発生したとき、保護者や報道陣の前でまず謝罪するのは校長であるということ。
顧問が部員を殴った、教師がワイセツ行為を働いた、担任がイジメを放置したなど、校長自らが関わっていなくても当然に重い責任がのしかかります。
しかし、ときには校長自身が異常な決断を下して学校を迷走させることもあるのです。
〈originally posted on January 8,2017〉
1 カンニングをすすめる校長
米国フィラデルフィアのケイユーガ小学校は、ある深刻な問題を抱えていました。
それは、生徒全体の平均学力が極めて低いこと。
最も学力の低い生徒のグループになると、英語で読み書きをするのにも苦労するレベルです。
こういう場合、本来なら生徒の学力を上げるためにカリキュラムや授業内容を見直したりするものですが、同校の校長であるエヴリン・コルテスは、成績を上げるためのもっと手っ取り早い手段をとりました。
それはカンニング。
彼女は関係者を通じて共通テストの問題用紙を事前に不正入手し、複数の教師の協力を得て、生徒たちに解答を教えていたのです。
さらに、定期テストでは校内放送でカンニングを勧めるような発言をしていたとか。
確かにこれで表面的には成績が上がりますが、もちろん根本的な解決にはなりません。
学校ぐるみの不正行為が明らかになると、校長を含めた数人の教師に刑事裁判が待っていました。
2 トイレに行かせない校長
誰でも日常的に行っている排便は、小学校のトイレで男子生徒が行う場合は異常なほど難易度の高いミッションになります。
男子トイレでは大便をしているのが周りにバレバレなので、トイレの個室から出てくると高確率で「うんこマン」などという間抜けなヒーロー名を付けられるのです。
うんこマンと呼ばれないためにトイレを我慢しつづけたものの、けっきょく授業中に臨界点を突破して椅子の上でモリモリと脱糞してしまい、悪臭で教室内をプチ地獄にする生徒もいます。
日本の学校では、生徒には我慢せずにトイレに行ってほしいと考える教師が大半だと思いますが、海外にはそれとは真逆の考えをもつ校長がいました。
2011年、メルボルンにあるキュー小学校の校長を務めていたキム・ドレイは、授業中に生徒がトイレのために席を立つことが、他の生徒の集中力を阻害すると考え、実に奇妙なルールを作ったのです。
それは、クラスの誰かが授業中にトイレに行く際、他の生徒も全員トイレに行かねばならないというルール。
一人がトイレに行くだけで民族大移動が始まってしまいます。
これにより、なるべくトイレに行かせない狙いがありました。
その狙い通り、生徒たちは出来るかぎりトイレを我慢するようになったのですが、案の定、失禁してしまう子供が続出。
中には、我慢しすぎて頭痛を訴える子や、なるべく水分を取らないようにする子も出てきたのです。
当然のごとく保護者から強い非難があり、それを受けて「誰かがトイレに行くときは他の生徒3人もトイレに行く」というルールに改定されました。
3 ホラー映画を撮影する校長
米国コネチカット州にあるグランビー・メモリアル中学校の校長だったマーク・フォーリーには、映画制作という副業がありました。
単なる趣味をはるかに通り越し、何と会社まで立ち上げて本格的に映画を撮っていたのです。
グロいホラー映画ばかりですが……。
映画に出ている役者は主に高校生くらいの男女で、かなり過激なシーンが随所に盛り込まれていました。
とても中学生に見せられる内容の映画ではありません。
校長が映画を撮ること自体は何ら違法ではないでしょうが、さすがにその内容がヤバ過ぎるということで非難が集中し、2014年にフォーリーは自ら校長の座を退きました。
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4 生徒を催眠術にかける校長
フロリダ州にあるノース・ポート高校の校長だったジョージ・ケニーは、催眠術を得意としていました。
ただし、飽くまで趣味であって、公的な資格などは何も持っていません。
しかし、彼は自分の催眠術に絶対の自信があったようで、学生たちの悩みを解決する手段として催眠術を使っていました。
素人が催眠術を行うことに一抹の不安はあるものの、それが悩み相談の一環としてなされるのならそれほど問題は無さそうですが……。
実際は問題大アリでした。
あるとき、ウェズリー・マッキンリーという16歳の生徒が、ギターが上達しないことで悩んでいたので、校長が彼を催眠術にかけて自信を持たせようとしたところ、ウェズリーは、かえって自分の悩みをこじらせる結果に。
また、ブリタニー・プランボという17歳の生徒が抱えている不安を解消するため、彼女を催眠術にかけたところ、不安は益々深刻になりました。
アメフト部の部員だったマーカス・フリーマンという16歳の生徒には、試合で自分の能力を最大まで引き出せるように自己催眠の方法を伝授。
マーカスは言われたとおりに自己催眠を実践したのですが、その直後、車でハイウェイを走っているときに突然意識がもうろうとなり、衝突事故を起こしたのです。
生徒たちが説明不能な運命を辿った陰に、必ず校長の催眠術が……。
この怪しすぎる催眠術のことが明らかになると、被害に遭った生徒の親たちは市を相手取って訴えを起こしました。
その結果、ケニー校長は停職処分を受け、教員免許も剥奪されることに。
さらに、無免許で治療的な行為を施したことに関して刑事責任も待っていました。
仮に、悩んでいた生徒たちの症状を悪化させた原因が校長の催眠術なのであれば、校長が責任を取るのは当然でしょう。
しかし、ある専門家は、催眠術にかけられただけで人にそこまで重大な変化が現れることは到底ありえないとして、一連の騒動の責任を校長に取らせることを疑問視しています。