学生にしろ、教師にしろ、学校では様々な問題にぶち当たります。
例えば、学生にとっては、定期試験をどう乗り切るか、というのはかなり重要です。
教師にとっては、試験で生徒に不正をさせないように対策せねばならないこともあります。
こういった問題は、本来はそう簡単には解決できません。
しかし、発想の転換によって、意外とあっさり答えが出ることもあるのです。
〈originally posted on January 1,2020〉
1 好きな音楽を聴きながらテストを受ける方法
学校でテストを受けるとき、好きなアーティストの曲をスマホで聴きながら問題を解くことが出来れば、普段の実力を最大まで引き出せるのに、という学生もいるかも知れません。
とは言っても、試験中のスマホ利用を許可する学校などまず無いでしょう。
しかし、2018年4月、米国ワシントン州にある、ハドソンズベイ高校で行われた数学のテストで、一人の男子生徒が、好きな曲を聴きながら試験を受けることに成功しました。
もちろん、スマホ等の電子機器は、禁止されているので、使用していません。
彼は、レコードプレーヤーを教室に持ち込んだのです。
そして、レコードをセットし、イヤホンで音楽を楽しみながら、順調に問題を解いていきました。
試験を担当した、エリック・サウアラッカー先生も、この生徒に対しては何も文句が言えませんでした。
「レコードプレーヤーを持ち込んではいけない」というルールが無いからです。
恐らくその生徒は、レコードのようなアナログな物であれば、規則に反しないと考えたのでしょう。
そうして音楽を聴きながら、彼が受けた数学のテストは、トップの成績だったとか。
ちなみに、彼が聴いていたのは、カニエ・ウェストというアーティストの曲です。
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2 トイレでカンニングする生徒を一網打尽にする方法
試験中にスマホが使えないのは当然ですが、それはあくまで教室の中での話。
トイレに行けば、堂々とスマホを見ることが出来ます。
学校側も、カンニングの可能性を十分把握しているはずですが、だからといって、試験中のトイレを禁止するわけにもいきません。
この問題に、実に上手いやり方で対処した大学教授がいます。
2019年12月、その教授は、自分が作成した試験問題に、学生が絶対に解けない超難問を一問入れておきました。
配点は、100点満点中の5点に過ぎないので、ほとんどの学生はその問題を、いわゆる「捨て問」として無視。
自信をもって、この問題の解答が書けたのは、試験中にトイレに行き、スマホで答えを調べた者だけです。
ところが、この問題こそが、まさに教授の仕掛けた罠でした。
その教授は、試験の一ヶ月前に、自分のアシスタントに命じて、その難問と全く同じ問題を、質問投稿サイトに投稿させておいたのです。
その後、教授自らが、いかにも正解っぽい形で、ウソの解答を書き込みました。
別の人が、この解答と同じ間違え方をするのは、確率的に不可能です。
つまり、この解答を答案用紙に書いた時点で、その受験者がネットで答えを調べたのはバレバレ。
この方法により、約100人の受験者のうち、14人の不正が発覚したそうです。
3 男子が制服で猛暑を乗り切る方法
高校時代、学生服の第一ボタンを外して廊下を歩いていたら、体育教師に呼び止められ、胸ぐらをつかまれ、恫喝されつつ、平手打ちを数発食らったのは、今となっても嫌な思い出。
気温が特に高い日でも、きっちり第一ボタンを留めておかないと体罰を受けてしまうことに、何の意味があるのかは、今でも謎です。
2017年の夏、イギリスのデボン州で、例年に無い酷暑となったとき、イスカ・アカデミーに通う一部の男子生徒が、制服のズボンでは暑すぎるため、短パンを穿いて登校したいと学校側に訴えました。
しかし、この要望を、校長はアッサリと却下。
同校の制服に、短パンは存在しない、というのがその理由です。
その際、校長は、「そんなに暑いのなら、スカートでも穿きなさい」と、(恐らくは冗談で)言ったとか。
すると、約30名の男子生徒が、後日、女子生徒から借りたスカートを穿いて登校。
これには校長も、何も言えません。
彼らが着用していたスカートは制服ですし、何より、スカートでも穿け、と言ったのは他ならぬ校長ですから。
ちなみに、「スカート男子」の中には、ちゃんと脚のムダ毛を処理してきた生徒もいました。
もちろん、男子生徒の誰もがスカートを穿いて登校できるはずもなく、これは、根本的な解決にはなっていません。
ただ、このことがあってから、学校側は、将来的にこの問題にしっかり対処すると宣言。
スカートによる抗議は、無駄ではなかったのです。
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4 生徒が全員揃って(0点なのに)A評価をもらう方法
米国メリーランド州にあるジョン・ホプキンズ大学で、プログラミングを教えるピーター・フレーリッヒ教授は、試験の結果について相対評価を採用していました。
例えば、ある試験の全問題の80%を正解した生徒が1位の成績だった場合、その生徒のスコアを100(すなわち、A評価)として、残りの生徒は全てその生徒を基準にして評価するのです。
よって、試験問題が難しければ、全問題の半分しか正解していなくても、A評価が付く可能性はあります。
このことは、生徒側もフレーリッヒ教授から知らされていました。
一見すると、これは、合理的な評価方法のようにも思えます。
しかし、プログラミングを学んでいるだけあって、学生の中に、この評価方法の重大な欠陥に気づき、それを利用しようと考える者たちがいました。
2015年に、フレーリッヒ教授のクラスで期末試験が行われたとき、受験する学生たちは、教室の前まで来ておきながら、その全員が、席に付くことなく、最後まで試験を受けなかったのです。
彼らは、全員で示し合わせて、試験を放棄しました。
結果は、言うまでもなく、全員0点。
ということは、0点が最高得点になるので、この教授の評価点方法では、全員が最高の評価ということになります。
さて、フレーリッヒ教授は、狡猾な学生たちにどう反撃したか、ですが……。
意外にも、反撃しませんでした。
教授は、全員にA評価を与えたのです。
ただ、その後は、評価方法を変えてしまったそうですが……。