お葬式には、守らねばならないマナーが山ほどあります。
それらのマナーをしっかり把握せず、葬儀場で非常識な行動を取ってしまうと、大ヒンシュクを買うことになりかねません。
ただしそれは、「普通のお葬式」の話。
マナーの知識が頭の中から吹き飛んでしまうくらい、普通でないことが葬儀の最中に起きることもあるのです。
〈originally posted on March 6,2020〉
1 「葬儀破壊屋」の驚くべきオシゴト
憎い連中に対する恨み。
こういった恨みは、晴らしてスッキリするに越したことはないでしょう。
では、恨みを晴らす機会に恵まれないまま、人生を終えてしまったらどうすべきか。
簡単な話です。
憎い奴らに、草葉の陰から絶望を与えてやればよいのです。
オーストラリアのブリスベンに住むビル・エドガーは、本職は私立探偵ですが、彼は自分のことを「葬儀破壊屋」と称しています。
その理由は、葬儀の参列者に、悪夢のような体験をさせるから。
彼は、死期が迫ってきた人からの依頼を受け、その人の葬儀にて、参列者の前で、身内の醜い秘密を暴露するのです。
例えば、ある末期患者の男性から依頼されたときは、その人の葬儀において、長年隠されていた家族の秘密をバラしました。
さらに、故人の親友が弔辞を読み上げるのを途中で遮り、その友人が故人の妻と浮気していたという衝撃の事実を公表。
さすがは「葬儀破壊屋」です。
ちなみに、このときのビルの報酬は、日本円にして約130万円でした。
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2 葬儀中の落雷で6人が死亡
ジンバブエ南部にあるビンガ地区では、誰かが亡くなると、遺族や親戚縁者が集まり、4日間を共に過ごして故人の死を悼む習慣があります。
2017年1月、この地区で、ある男性の妹が亡くなり、上記のような集会が催されました。
それから4日目のこと。
突然の豪雨とともに、激しく雷が鳴り始めました。
彼らがいる場所は屋外だったのですが、生憎すぐ近くに家屋が無く、多くの人が、咄嗟に木の下に身を隠すことに。
その直後、落雷が木に直撃し、6人がほぼ即死。
亡くなった人々は、そのほとんどが高齢者だったとか。
他に、体に火傷を負った被害者も何人かいましたが、病院で手当を受けて命は助かりました。
このショッキングな事故によって村は大きな悲しみに包まれ、すべての店が一時的に営業を休止したそうです。
3 どんな葬儀にも顔を出す謎の老女
イギリスでは、葬儀の前、もしくは後で、参列者たちが、故人にまつわる思い出を語り合いながら食事をすることがあります。
当然ながら、そこに集まるのは、故人と親しい関係にあった人ばかり。
ところが、故人と一面識も無い老女が葬儀場に現れる、という妙なことが、ロンドンの西方に位置するスラウという町で多発していました。
他人の葬儀への参列を繰り返していたのは、テリーザ・ドイル(65)という女性。
彼女は、近くの教会で葬儀が行われるのを知ると、チャリンコに乗って教会へと向かい、途中で喪服に着替え、故人の知り合いであるかのように装って参列するのです。
ドイルのお目当ては、参列者に提供される食事。
彼女はその食事をたらふく食べた上に、タッパーウェアにも詰めて帰ります。
つまり、他人の葬儀で出される食事を堪能し、お持ち帰りするために、葬儀に参列するというわけ。
驚くなかれ、彼女はこの異常な習慣を、14年以上も続けています。
他の参列者から非難されると、
「アンタには何もしていないでしょう?」
と反論するのが常なのだとか。
教会の神父も、葬儀の度にやって来るドイルの存在には気づいているのですが、半ば諦めているようです。
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4 参列者が爆笑する葬儀
お葬式で絶対にやってはならないことの一つ。
それは、いきなり爆笑すること。
頭の中で、ふいに面白すぎることを考えてしまったとしても、笑ってはいけません。
恐ろしいマナー違反です。
とは言え、わざわざこんなことを書かずとも、葬儀で爆笑する人などいないでしょう。
しかし、2019年、アイルランドの首都ダブリンで、参列者が爆笑する葬儀がありました。
故人は、シェイ・ブラッドリーという男性で、8人の孫がいます。
重々しい雰囲気で、彼の葬儀が行われていると、突然棺の中から、ドンッ、ドンッと蓋を叩く音が。
さらに、参列者たちが驚いている中、「おーい、ここから出してくれ!」という声。
それは、シェイ本人の声でした。
「早く出してくれよ!」
「みんなの声は聞こえてるぞ」
「お、その声は神父か?」
「俺は棺の中だ!聞こえるかー?」
この段階で、すでに参列者たちは笑いをこらえ切れずにいました。
実は、彼らを爆笑させたのは、他ならぬシェイ自身です。
彼は、上記のセリフを予め自分で録音しておき、遺言書の中で、もし自分が死んだら、葬儀でその音声を再生してほしいと書き記していました。
要するにこれは、シェイが生前に企画したイタズラ。
彼は、悲しみに沈んでいる参列者を何としても爆笑させたかったのです。
葬儀で笑いが起きるというのは、常識で考えれば不謹慎ですが、この場合は故人が望んでいたのですから、むしろ思いっきり笑うべきでしょう。