春。
春といえば進学・就職の季節。
高校から大学や専門学校に進学した人の中には、人生最後の学生生活が始まるまでの、この何とも言えないマッタリした期間を遊び倒して過ごそうと考えている人もいるでしょう。
その一方で、早速アルバイト探しに精を出している人も多いはず。
純粋に仕事の内容が面白そうだから応募するのも良し、とにかく時給の高さだけで応募するのも良し。
あるいは、「狂ったバイト」だから応募するのもアリでしょう。
聞いたこともないような怪しげなバイトの経験は、一生モノの財産になるかもしれません。
〈originally posted on March 29,2019〉
1 「万引き」のアルバイト
窃盗犯を捕まえる仕事と言えば「万引きGメン」がおなじみですが、それとは逆に、店から品物を盗んで、しかも給料がもらえるという実に狂った仕事があるのです。
イギリスのグレーター・ロンドンで、2013年から小売店を経営している或る女性オーナーは、毎年、万引きの被害に頭を悩ませていました。
この死活問題に対する打開策として、彼女が思いついた手段は、「万引き犯」を雇うこと。
採用された人は、実際にその店で万引きを行います。
ただし、それで終わりではありません。
万引きを実行した後は、店のスタッフとどのような会話をしたか、監視カメラの場所は適切か、セキュリティ上の欠陥は何か、といったことについてレポートをまとめ、それを提出せねばならないのです。
つまり、このアルバイトの目的は、あくまで店の防犯対策に関する問題点を洗い出すこと。
時給は最大で50ポンド(約7200円)。
応募条件は、犯罪歴が無いことと、セキュリティに関する専門知識・経験があること。
ちなみに、盗んだ品物は、3点まで「報酬」として自分の物にできるそうです。
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2 毎日アボカドを食べるだけの簡単なオシゴト
アボカドが好きすぎて、毎日毎食でも食べたいという人には夢のようなアルバイトが募集されていたことがあります。
2018年、米国カリフォルニア州にあるロマリンダ大学は、アボカドを食べるだけのバイト君を実験のために募集しました。
採用された人たちは二つのグループに分けられ、一方のグループは毎日一個のアボカドを、他方のグループは、毎月二個のアボカドを食べることを義務付けられます。
期間は6ヶ月で、報酬は日本円で約3万3千円。
ガン予防や動脈硬化予防など様々な健康上のメリットがあるアボカドをタダで食べられて、おまけに報酬もゲットできるのですから、悪いバイトではありません。
3 億万長者の生活を味わうバイト
大金持ちと同じような生活を満喫し、その上報酬までもらえる。
そんな嘘のような仕事で求人を行っていたのが、ロンドンに本部を構える高級品専門サイト「ハッシュハッシュ・ドットコム」です。
仕事の内容は、一般庶民ではまず味わえないような億万長者の生活をすること。
城のような屋敷に住み、ヨットやジェット機を乗りこなし、高級ブランド品に囲まれて毎日を過ごすのです。
何故そんなことが必要なのかというと、一言でいえば「商品テスト」。
実際に高級品を販売する前に、その使用感を第三者に評価してもらい、顧客からの信頼度を上げるのが目的なのです。
テスターに選ばれた人は、個々の商品について詳細なレポートを作成する必要があります。
また、各地で売りに出されている個人所有の島などを見るため、世界中を飛び回ることも要求されます。
誰でも気軽にできる仕事ではありませんが、テスターとして採用された暁には、超リッチな生活を送ることができ、しかも報酬は一年あたり75000ポンド(約1千万円)です。
4 子供を寝かしつけるだけのバイト
あるリサーチによれば、小さな子供を持つ親にとって最もストレスのたまる原因の一つは、子供の寝かしつけなのだとか。
そこに目をつけたのが、イギリスの「チャイルドケア」というウェブサイト。
このサイトでは、子供を寝かしつけるためだけのプロを募集しています。
ベビーシッターとは異なり、仕事をするのは子供の就寝時間だけ。
子供をパジャマに着替えさせ、歯磨きをさせ、場合によっては絵本を読み聞かせます。
毎日、決まった時間に寝る習慣を身に付けさせるのが重要。
時給は20ポンド(約3000円)。
子供の世話をする仕事に一年以上携わっていたことが要件ですが、子供が好きな人なら比較的やりやすい仕事かもしれません。
5 飲んで食べて酔っ払ってスポーツ観戦するバイト
2018年、イングランド北西部のチェスターにある「ハングリー・ホース」というパブで、お酒が好きな人なら恐らく誰でもできる仕事の求人がありました。
その仕事内容は、「ハングリー・ホース」のお店でビールを飲み、食事をし、スポーツ中継を観戦すること。
日曜日のお父さんのような時間の潰し方をするだけで、500ポンド(約72000円)の報酬が待っています。
しかも、ビールや食事代はタダ。
あまりにも話がうますぎて警戒心を抱く人がいても無理はありません。
もちろん、あくまで「仕事」ですから、ちゃんと仕事としての面もあります。
採用された人は、実質的にはそのパブの広報のような役割を果たすことになるのです。
さらに、各地の店舗で飲食をした上で、改善点などを店側に提案することも要求されます。
とは言え、仕事らしい仕事はそれくらいで、勤務時間のほとんどは飲んで食べてスポーツ観戦。
酒好きの人がするバイトとしては最適です。
6 自分で何も決められない人を助けるバイト
物事を何でも迅速に決断できる人もいれば、逆にさんざん迷った挙げ句、結局何も選択できずに時間を無駄にする人もいます。
イングランドのブリストル在住の或る女性は、2019年、自分の優柔不断さをこじらせて、最終手段に出ました。
あらゆる事について自分で決断を下すのに疲れてしまい、赤の他人に決断を任せようと考えたのです。
そのような状態になった原因は、不幸なことから逃れられない生活が続いたから。
例えば、知人に貸していた金を回収できなくなったり、前の夫に暴力を受けたり、帰宅途中で強盗に襲われたり。
毎週のように何かしらの不幸が降りかかる生活が続いた結果、彼女は自分で物事を決めるのが嫌になったのです。
そこで、1ヶ月間、彼女の代わりに決断を下してくれる人を募集しました。
報酬は2000ポンド(約29万円)。
決断の対象となるのは、日常生活のほぼ全てに関わる事柄。
誰と親しくするべきか、というような人間関係から、何を買うべきか、といったお金の使い方まで。
ある意味、彼女の生活全般をコントロールすることになります。
彼女に対するアドバイスは基本的にメールで行うので、一日中拘束されるわけではないですが、彼女からのメールに対しては即座に返信する必要があります。
自分で何も決められないから他人に決めてもらうというのは、やや奇妙な感じかしますが、彼女にとっては、一ヶ月間「失敗の無い選択」を行うことで、日々の生活を軌道修正したいという思いがあったようです。
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7 急募!最強の家庭教師
人に物を教えるのが好きなら、家庭教師のバイトは魅力的な選択肢でしょう。
気になるのは、一体どれくらい稼げるのかですが、テレビCMで有名な「家庭教師のホニャイ」の場合、平均時給は1800円となっています。
しかしながら、これより遥かに稼げる家庭教師のバイトも存在するのです。
今年、イギリスのバーミンガムに住むある夫婦が、破格の条件で求人公告を出しました。
週に12時間の指導で、時給はなんと100ポンド(約14000円)。
一週間で168000円が手に入ります。
もちろん、うまい話には必ず「ウラ」があるものです。
その夫婦の子供は、5歳と7歳の娘、そして7歳の双子の男の子。
2016年から家庭教師を合計7人雇ったものの、これまでにその全員が辞めています。
その理由は、子供たちが「元気」すぎて手がつけられないから。
集中力が続かず、すぐに暴れだし、暴言を吐き、イタズラを繰り返すのです。
その「イタズラ」も、卵を投げつけるような子供っぽいものもあれば、時にはかなりタチの悪いこともあり、ある家庭教師は家のガレージに2時間閉じ込められました。
ちなみにその家庭教師は2週間で辞めており、これは最短記録です。
また、別の家庭教師は、その子供たちのことを「悪魔の生まれ変わり」と称していたとか。
3年間に7人の家庭教師が辞めたということは、平均すると一人あたり半年も耐えられなかったということになります。
どれほど恐ろしい子供なのかは想像するしかありませんが、時給100ポンドの家庭教師というのは、かなり狂ったバイトであるのは間違いないでしょう。