罪を犯した人間の全てが、国民の納得する刑罰を科されるわけではありません。
許しがたい犯行に及んでいながら、結局裁判で執行猶予判決が言い渡される場合もあります。
そういう場合、犯人に対する怒りが収まらなくてもどうしようもありません。
後は、何らかの形で「天罰」が下るのを待つだけです……。
〈originally posted on August 18,2018〉
1 標識を無視して事故死した標識窃盗犯
米国オハイオ州ノーウォーク在住のタイラー・マイヤー(19)には、かなり変わった盗癖がありました。
街のいたる所にある「一時停止」の標識を盗んでいたのです。
何でそんな物を盗みたくなったのかは分かりませんが、転売目的でないことだけは確かです。
彼は、自宅の寝室などに盗んだ標識を飾っていました。
さらに、一つだけでは飽き足らず、二つ目、三つ目と標識窃盗を繰り返します。
街からは、本来あるはずの標識が突然消えていくわけですから、いつ事故が発生してもおかしくなく、ドライバーにとっては大変危険な状況です。
ある日、マイヤーが車を運転しているとき、「一時停止」の標識を、ブレーキを踏むことなく通過しました。
普段から家の中で標識を見慣れているせいで、標識そのものに対して鈍感になっていたのかもしれません。
その直後、彼はトレーラーに激突されて、亡くなりました。
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2 銃の保管場所に被害者を閉じ込めた強盗犯
2013年5月某日、米国テキサス州ヒューストン南西部のシャープスタウンで、3人組の強盗が、ある男性の家に侵入しました。
彼らは銃をちらつかせながら、すぐさまその男性を近くにあったクローゼットの中に押し込めます。
強盗犯にとっては、その男性を大人しくさせておくには、それで十分だったのでしょう。
被害者にしてみれば、銃を持っている相手に対し、丸腰で向かっていくなどまさに自殺行為ですから、クローゼットの中でじっとしている方が賢明です。
しかしこの時、強盗犯たちは、一つ重大なミスを犯していました。
実はそのクローゼットは、閉じ込められた男性が普段から銃の保管場所として使用していたのです。
男性は銃を一丁携えると、ゆっくりとクローゼットを開け、強盗たちのいる1階へと降りていきました。
そして、強盗犯の一人とばったり出くわし、次の瞬間、双方が互いに銃を構えて発砲。
男性に怪我はありませんでしたが、強盗犯は重傷を負いました。
それを見た他の強盗犯二人は、床に倒れている仲間をあっさり見捨てて逃走。
見捨てられた犯人は、後に病院へ搬送されています。
3 自分の車にはねられたドライバー
認識能力の低下による高齢者ドライバーの事故は確かに深刻な問題ですが、交通事故に関して強く非難されるべきは、やはり飲酒運転でしょう。
飲酒運転の検挙としてはかなり珍しいケースに、2018年3月に米国バージニア州フェアファクスで起きたものがあります。
酒酔い運転の疑いがある一台の車に対し、パトカーに乗った警察官が、すぐに停止するように命じました。
問題の車は徐々に速度を落とし始めたのですが、まだ動いている車から突然ドライバーが飛び出し、逃走を試みたのです。
しかし、その男は相当に焦っていたようで、自分の車の前を横切ろうとしたとき、その無人の車にはねられ、地面に倒れました。
男はすぐに逮捕されましたが、後の調べで、彼が飲酒運転で逮捕されるのはこれが3度目であると判明。
これは、裁判により最長で懲役10年が言い渡される可能性があることを意味します。
4 ワニに噛まれた逃走犯
下手に警察から逃げようとすればその報いを受ける、という例はまだあります。
2013年5月某日、米国フロリダ州ピネラス郡で、ブライアン・ズニガという男が、交通違反により警察官から事情聴取を受けそうになったところ、急に車から降りて全速力で走り出しました。
警察は直ちに男の後を追いましたが、男のスプリント能力は意外なほど高く、しかも、途中にあったフェンスに穴を開けてすり抜け、夜の闇へと消えていきました。
警察は、念のために住民に警告を発することに。
その数時間後、隣町の警察署から、逃走中の男が病院で治療を受けているという連絡が入りました。
実はこの男、逃走中に水処理施設のそばを通ったとき、何を思ったか水の中に足を踏み入れ、それに驚いたワニによって攻撃されたのです。
顔と腕をガブリとやられていました。
5 自分の股間を撃ち抜いた強盗犯
2017年、シカゴ在住のテリオン・パウンシー(19)は、強盗で一稼ぎしようと思い立ち、まずはホットドッグ屋を襲いました。
調理に使う油の入ったバケツを持ち、これからホットドッグを作ろうとしている男性に対し、パウンシーは銃を突きつけ、スマホと財布と売上金を全て渡すように命令します。
しかし、ここから先の展開は、パウンシーの全く予想しないものでした。
ホットドッグ屋の男性が財布を取ろうとして、バケツの油を派手にこぼす
↓
高温の油がパウンシーにかかる
↓
財布の中のドル紙幣が宙を舞う
↓
それを取ろうとしてパウンシーが咄嗟に銃をホルスターに入れる
↓
誤って銃の引き金を引く
↓
自分の股間に命中
とりあえず命に別状は無かったものの、この後パウンシーを待っていたのは、逮捕、そして裁判でした。
6 犯行現場に財布を落とした犯人
2013年12月、米国フロリダ州ネイプルズで、ライアン・キーガン(22)という男が車上荒らしを繰り返していました。
停めてある車のドアをこじ開け、中の現金を盗んでは、また次の車へ。
現金とは言っても主に小銭で、彼はその金をポケットに入れるなどして盗みを続けていました。
そして、ある程度の金を盗むと自宅へ帰還。
早速その日の「稼ぎ」を財布に入れようとしたところ……。
無い。
財布がどこにも無い。
落としたのかも。
でもどこで?
………ハッ!
車上荒らしに精を出している真っ最中、彼は一台の車の中に財布を落としていました。
被害に遭った車の持ち主がその財布を発見し、警察に通報。
財布の中には、キーガンの身分を示すカード類が入っており、彼はあっさり逮捕されました。
7 事故現場にナンバープレートを落とした犯人
先程の例のように、犯行現場に自分の持ち物を置き忘れるというのは、確率的には十分ありえる話です。
しかし、時には普通では考えられないような珍しい物が現場に残されることもあります。
2017年9月10日、カリフォルニア州キングス郡ハンフォートで、アートゥロ・リマス(43)が、泥酔状態で車を運転中、自転車に乗った男性と衝突。
自転車は大破し、乗っていた男性は脚に重傷を負いました。
本来ならすぐにその男性を助けねばならないはずですが、リマスはパニックに陥ってそのまま車で逃走。
しばらくして警察官が事故現場に到着すると、自転車の残骸などの中に、1枚のナンバープレートが。
自転車とぶつかった時の衝撃により、リマスの乗った車のナンバープレートが落ち、彼はそれに気づかぬまま逃走したのです。
これにより、リマスの住所はすぐに判明しましたが、警察が彼の家に行ったとき、リマスはあまりに酷い酩酊状態のため、自分の車から降りられないほどだったそうです。
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8 携帯を切り忘れてテロ計画失敗
2010年が残すところあと数日となった日、ロシアの空港でテロ事件があり、35人が犠牲になりました。
そして同年12月31日、同じテロ組織が、またしてもテロ攻撃を目論んでいたのです。
実行犯は3人組。
そのうちの一人の女が、自らの体に巻き付けた爆弾を使って、自爆テロを行う計画でした。
毎年、新年を祝うために数千人の人たちが赤の広場に集まって花火を楽しむので、女がその中に紛れ込み、年が明ける瞬間に仲間が彼女の携帯にメッセージを送ると、それを受信することで起爆装置が作動する予定だったのです。
ということは、年が明ける直前まで携帯の電源は切っておかなくてはなりません。
ところが、その女はそれをすっかり忘れていました。
新年へのカウントダウンが始まる数時間も前に、自分が契約している携帯会社から「ハッピーニューイヤー」のメッセージが入り、その瞬間に爆発。
大勢の人を巻き込むはずだったテロ攻撃による犠牲者の数は、「一人」にとどまりました。