世界の驚くべき隠遁生活4選

もう誰とも会いたくない……。

たった一人でひっそりと暮らしたい……。

日々の仕事のストレスが増大していくうちに、こういう思いに至ることは、誰しも一度くらいはあるでしょう。

人との付き合いを断てば、人間関係で神経をすり減らすことも無くなります。

とは言え、本当に誰にも会わない生活を始めるのは、普通の人には不可能。

たいていは、「たまには孤独になりたい」という願望を抱きつつ、いつもと変わらぬ生活を送るわけです。

しかし、ごく稀に、完全な孤独を手に入れるべく、本当に隠遁生活に入る人が現れます。

今回は、そんな人たちの話です。

(アイキャッチ画像:Free-Photos/Pixabay)

1 突然消えたスペイン人医師

病気

iira116/Pixabay

今から約20年前、スペインのセビリアで医師をしていた、カルロス・サンチェス・オーティス・ド・サラザールという男性が、突然行方不明になりました。

当時のスペインは、深刻な不況の真っ只中。

そのことが、失踪と何かしら関連があるのかも知れません。

いずれにせよ、家族の必死の捜索にも関わらず、手がかりは何も無し。

しかし、2019年、イタリアのトスカーナ州スカルリーノ近くの森で、きのこ狩りをしていたグループが、一人の男性と遭遇します。

その男性は、汚れた顔で、長い髭を生やしており、たまたま森にいたというよりは、森で生活しているといった様子。

お察しの通り、彼こそが、カルロスだったのです。

声をかけられると、彼は、

私はスペイン人だ。名前はカルロス。ここに住んで20年になる

と答え、薄汚れたパスポートを提示。

きのこ狩りのグループは、念の為にパスポートを開いてそれを写真に収め、その場を立ち去りました。

その後、カルロスの母アメリアが、この話を聞きつけてスカルリーノを訪れます。

そして、先程のパスポートの写真を見て、そこに写った顔写真から、森にいた男性が息子のカルロスであると確信。

しかし、彼は再び森の中で姿を消し、またもや居所がつかめない状態に。

アメリアの話によると、息子がどういう生き方をしようと勝手だが、もう一度、最後に会っておきたい、とのこと。

おそらくカルロスは、母親のこの切実な願いを、この先知ることは無いでしょう。

2 危険すぎる洞穴で暮らす老人

崖

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中国の陝西省南部に住むフェン・ミンシャン(61)という男性は、かなり危険な場所で生活しています。

彼は、崖の途中にある洞穴で暮らしているのです。

洞穴は、海抜15メートルの所にあり、誤って落下すればただでは済まないでしょう。

フェンがこの洞穴を発見したのは、彼がまだ子供の頃

そのときは、洞穴はかなり小さかったのですが、彼はハンマーを使い、何年もかけて、人が住めるくらいの大きさに拡張していったのです。

そして、今から約25年前に、洞穴に移住。

本人の話によれば、穴の中は夏でも涼しくて快適なのだとか。

穴に出入りする際は、ロッククライミングよろしく、岩肌のわずかな出っ張りを使って、器用に移動します。

フェンの家族は、一応彼と連絡を取り合ってはいるのですが、誰一人として、洞穴まで辿り着けた者はいません

市の役人が、介護施設に入るように彼を説得したことが何度かあるものの、その度に失敗に終わっています。

今はまだいいですが、フェンが70代、80代になって体力が衰えるに連れ、この洞穴生活の危険度はさらに増すかも知れません。

3 隠遁生活をしていたものの、ピンチになって救難信号を発信

ヘリコプター

JACLOU-DL/Pixabay

隠遁生活は、必ずしも平穏を維持できるとは限りません。

2019年2月、スコットランドの森の中で、自作の丸太小屋を住み処としている男性が、救難信号を発信しました。

彼は70代で、何年もその小屋で生活を続けていたのですが、何らかの原因で、命にかかわる非常事態が発生したのです。

そして、その救難信号が受け取られた場所が、なんと米国テキサス州のヒューストン

スコットランドとヒューストンは、約7200kmも離れています。

その後、ヒューストンからイギリスの沿岸警備隊へ連絡が行き、沿岸警備隊が救助隊を信号の発信源に派遣。

一時間半に及ぶ救助活動の末、男性は無事に最寄りの病院へと運ばれました。

4 自分が殺人を犯したと勘違いして25年間も隠れていた男

警察

geralt/Pixabay

世間との接触を完全に絶ち、一人でひっそりと暮らしたくなる理由は、人間関係に疲れたから、という場合が多いでしょうが、ちょっと怖い理由のこともあります。

今から25年前、ロシア在住のニコライ・グロモフという男性が、酒に酔った状態で妻のリューボフと口論になり、妻と娘(当時6歳)に暴力を振るった後、家を飛び出しました。

それからしばらくして、酔いが覚めた彼は、帰宅して驚きます。

家の中が無人だったのです。

このときの彼は、気が動転していたためか、妻と娘に最悪の事態が起きたという感覚に襲われました。

実際は、リューボフは娘とともに病院に行き、それから別の住所に移り住んでいたのです。

ところが、殺人を犯してしまったと思い込んだグロモフは、警察から逃れるため、森の中へと逃亡

それ以来、ずっと森で生活していました。

森

flo222/Pixabay

しかし、2019年6月、脚に負った怪我が元で壊疽にかかり、彼はやむなく病院で治療を受けることに。

72歳のグロモフの脚は、症状がかなり進行していて、残念ながら、切断以外の選択肢はありませんでした。

手術は成功しましたが、その直後、彼は、妻と娘の身に起きた真実を知ることになります。

妻のリューボフは、この数ヶ月前に、入浴中の事故により死亡

娘の方は、すでに結婚し、家庭を持っていました。

自分の父親はもうこの世にいないと信じていた彼女は、グロモフが生きていると分かった後も、彼に対して何の関心も示さなかったとか。

グロモフは、一時的に身柄を拘束されましたが、妻と娘への傷害の罪は時効にかかっていたため、その後釈放されています。

自分が殺人犯では無かったと知ったとき、彼の中には、ある種の安堵感があったことでしょう。

しかし同時に、25年間の逃亡生活は一体何だったのか、という疑問に苛まれたはず。

そんな彼は、25年振りに再会した娘に対し、

どんなに愚かな男でも、父親は父親だ

と語ったそうです。

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