米国オハイオ州ドイルズタウン在住のヴァレリー・スプライルは、夫のパーシーが亡くなってから6年後の2004年、にわかには信じがたい真実を、叔父から知らされました。
それは、ヴァレリーの夫が、彼女の実の父親だったということ。
このことは、DNA検査でも確認されています。
ずっと、自分の父親と夫婦生活を送ってきたという事実は、彼女を精神的に追い込んだだけでなく、肉体的にも大きな負担となり、彼女は心臓発作に襲われ、さらに糖尿病を患うまでに。
一体なぜこのような異常な関係が成立しえたのか。
ヴァレリーの母親は、10代のとき、後に夫となる男性(当時15歳)との間に子供を作ります。
その子がヴァレリーなのですが、母親は、娼婦として働いていたことから、生後間もない娘を自分の両親に預けました。
そのため、ヴァレリーは、自分の祖父母のことを両親だと思っていたのです。
しかし、彼女が8歳のとき、自分の家によく来る女性が、本当の母親であることを知ります。
一方、本当の父親については、周りの大人の誰も、何も教えてはくれませんでした。
その後、ヴァレリーは結婚し、子供をもうけますが、離婚。
そして、子供たちを女手一つで育てていたとき、オハイオ州のアクロンという町で出会った男性と再婚します。
その再婚相手こそが、ヴァレリーにとってほとんど何の情報も無い、実の父親だったのです。
ヴァレリーの話では、結婚生活を送っているとき、夫(であり父親)は、彼女との真の関係について何も語らなかったので、彼自身も知らなかった可能性があるとのこと。
彼女は、この体験を、2012年9月、60歳のときに初めて公にしました。
このような過酷な試練があっても、人はそれを乗り越えられる、ということを多くの人に知って欲しかったそうです。
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12年間父親だと思っていた相手が、実は「兄」
生まれたときから「パパ」と呼んでいた相手が、実は自分の兄だった。
そんな驚くべき体験をした少年がいます。
この話を、つい最近ネット上の投稿サイトで公開したのは、その少年の兄であるスティーヴ(仮名)。
スティーヴが生まれたのは、両親が共に19歳のとき。
そして、両親が42歳のときに、弟のジョッシュ(仮名)が誕生。
しかし、ジョッシュがまだ生後4ヶ月のときに、両親が離婚。
さらに、父親も母親も、ジョッシュの育児を放棄しました。
当時23歳だったスティーヴは、付き合っていた彼女(現在の奥さん)と二人で暮らしており、やむなく弟の監護や世話を全面的に引き受けることに。
それ以来、ジョッシュはスティーヴをパパと呼び、その彼女をママと呼んで過ごしてきました。
現在、スティーヴには妻との間に4歳の娘と9歳の息子がいますが、ジョッシュは、彼らを自分の弟・妹と思い、接してきたのです。
スティーヴとその妻、そしてジョッシュとの特殊な関係は、トラブルを引き起こすことも無く、日々の生活は実にスムーズでした。
しかし、ジョッシュがもうすぐ13歳を迎えるというときになって、スティーヴは、良心の呵責に耐えられなくなり、真実を伝えるべきか否か、悩み始めます。
真実を伝えるということは、ジョッシュが本当の両親によって見捨てられたという残酷な事実を、彼に知らせるということ。
スティーヴの妻は、これに反対でした。
なかなか答えが出せないスティーヴは、ネットの投稿サイトでアドバイスを求め、その結果、真実を伝えることを決意。
ジョッシュは、自分がずっと父親だと思っていた相手が、実は兄だったと分かり、それまで秘密にされていたことに怒って部屋を飛び出したとか。
しかし、その数日後、ジョッシュはスティーヴに向かって、「本当の父親ではないけれど、世界で一番の父親だ」と言って、怒ったことを謝りました。
とりあえずはハッピーエンド……と言いたいところですが、スティーヴの話によると、ノーマルな生活とはまだほど遠く、解決せねばならない課題は山のようにあるそうです。
〈originally posted on February 3,2020〉