消防庁が公表しているデータによると、出火原因で最も多いのは、やはりタバコです。
続いて、放火、こんろ、焚き火など。
これらの原因は特に意外性は無いですが、しかし、放火にせよ失火にせよ、妙なことがきっかけで出火に至ったケースがあります。
中には、なぜ火災が発生せねばならなかったのか理解に苦しむようなものも……。
〈originally posted on November 28,2019〉
1 テレビが観られないというだけで監房を燃やした囚人
2015年12月、ウェールズにあるカーディフ刑務所の一角で火災が発生しました。
火元はリーアム・プライス(当時22歳)という囚人の監房。
彼は最初、新聞紙に火を付けたのですが、看守に見つけられて放火未遂に終わります。
諦めの悪いプライスは、今度はタオルに火を付けて放火。
窓からの風に煽られた炎が、監房の扉の下から吹き出し始めました。
程なくして職員が消火器で鎮火し、死傷者は出ませんでしたが、驚くべきは彼が放火した理由。
窃盗の罪で服役中だったプライスは、何日もテレビが観られないことに退屈し、火を放ったのです。
しかもこの囚人、出所間近だったというからさらに驚き。
よほど観たい番組があったのでしょうか……。
2 トコジラミを駆除しようとしてアパートを全焼させた人
2017年12月、米国オハイオ州シンシナティで、5世帯が暮らすアパートが全焼する火事がありました。
火事の原因を作ったのは、住人の一人である女性。
その女性は、ベッドにトコジラミがいるのに気づき、それらを駆除しようとして、アルコールをシーツ全体にぶっかけたのです。
しかし、運の悪いことに季節は真冬。
暖炉の火がベッドに引火し、またたく間に建物全体が炎に包まれました。
不幸中の幸いというべきか、たまたま家を空けていた住人が多く、死傷者は無し。
ただ、住人の中には所持品を全て失った人もいました。
被害総額は、日本円にして約2500万円。
これだけの賠償金を払うはめになるくらいなら、トコジラミだらけのベッドで寝る方がマシかも知れません。
地元の消防署は、トコジラミへの対処法として、「プロの業者に頼んでください」というもっともなアドバイスをしています。
3 「平和の象徴」が引き起こした大火災
2014年、サウスロンドンのストックウェルという町で、3階建の住居の屋根から出火し、21人の消防隊が2時間がかりで消し止めました。
幸い、住人は速やかに避難を済ませ、怪我人はゼロ。
出火原因については、住人の火の不始末、というわけではありません。
ハトです。
ハト派の放火魔とかではなく、空を飛ぶハト。
道に落ちているタバコの吸い殻をハトが咥え、屋根の巣にポトリと落としたところ、吸い殻に火が残っていたために巣が燃え出し、建物が炎上したのです。
ハトが「放火」の犯人だったというのは意外ですが、もっと意外なのは、ロンドンではこの手のハトが決して珍しくないということ。
この火災が起きた前年にも、同様の火災が発生しているのです。