異常な手段で勝利を目指した選手たち5選

現在、日本のスポーツ界はかなりヤバいことになっています。

アメフトでは監督が反則プレーを指示、バドミントンでは金銭的不正、ボクシングでは助成金流用、バスケでは代表選手が買春、レスリングではパワハラ、体操でもパワハラ、重量挙げでもパワハラ、駅伝では「ひき殺すぞ!」などなど。

最近になって不祥事を起こす人間が急に増えたのか、あるいはかなり前から問題山積みだったのが、最近ようやく明るみに出始めたのか。

おそらく後者でしょう。

この状況を改善するのはそう簡単ではありません。

それくらい異常な事態です。

こうなったら、スポーツ界の異常な側面をとことん覗いてみましょう。

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1 堕胎ドーピング

ハードル

まだベルリンの壁が存在していた時代、東ドイツにおける女子アスリートたちの扱われ方は、相当に酷いものでした。

オリンピックで金メダルを獲るためなら、たとえ選手たちの健康に害を及ぼすような手段であっても正当化されかねない風潮があったのです。

選手本人の承諾なしにステロイドが与えられることなどはまだマシな方で、それよりはるかに人道的に問題があり、後に大きな物議を醸すこととなったのが、「堕胎ドーピング」です。

女性が妊娠したときに起こるホルモン増加が身体能力を高めると考えられていたのが、このドーピングが生まれたきっかけとされています。

国際オリンピック委員会の委員でもあった、ベルギー出身のアレクサンドル・ドゥ・メロードの話によると、人工授精させられた後に子供を堕ろした選手もいたとか。

女性

この話はあまりにも残酷なので、都市伝説ではないかという見方もあります。

本当にこんなドーピングが存在したのか否かについては、正式な記録が残っていないこともあり、定かではありません。

一説によると、1970年代~1980年代にドーピングとして使用されていた「同化ステロイドホルモン」が、堕胎ドーピングの話が生まれたきっかけではないかとも言われています。

当時、同化ステロイドホルモンを投与された女子アスリートは、過度の筋力増強を得る代償として、後に妊娠した際に、生まれてきた子供に問題が見られたり、流産してしまうケースがよくあったのです。

2 障害者のいないパラリンピック

バスケ

中央省庁が障害者の雇用割合をごまかしていたのは何とも許しがたい話ですが、障害者でない人を障害者として扱うという意味では、かつてパラリンピックでも同じようなごまかしがありました。

2000年にシドニーで行われたパラリンピックにおける、知的障害を抱えた選手による男子バスケットボールの試合で、かなり大胆な不正があったのです。

当然ながら、何ら知的障害を負っていないのなら出場資格はないはずですが、それをごまかして、障害の無い選手を送り込んでいた国があります。

それが、スペイン

登録選手12人中、知的障害があったのはたったの2人

結果はスペインの優勝です。

バスケ

このときスペイン代表チームとして参加した選手の一人は、パラリンピック閉幕の後、ビジネス誌のライターとして仕事をしており、本まで出版。

不正が明らかになると、その選手は金メダルを返還すると約束し、オリンピック委員会にも事実を全て打ち明けました。

その後の詳しい調査により、スペインは水泳卓球でも同様の不正を行っていたことが発覚。

さらに、ロシアも同じごまかしをやっていました。

ちなみに、現在は、知的障害者はパラリンピックに出場できないので、このような不正は不可能になっています。

3 流血ラガーマン

ラグビー

プレー中の選手たちの体力消耗が激しいラグビーでは、選手交代をいかに上手く活用するかが勝敗に大きく影響します。

原則的に、交代によって一旦ベンチに戻った選手は、再度の交代でフィールドに復帰することはできません。

ただし、これには例外があり、フィールド上の選手が負傷して流血した場合は、一時的に他の選手との交代が認められます。

2009年、ヨーロッパ最強チームを決めるハイネケンカップで、ハリクインズとレンスターが戦っている最中、ハリクインズの選手が口から血を流し、ベンチで治療を受けました。

しかし、しばらくしてフィールドに復帰すると、彼は何事も無かったかのように(すなわち傷一つ無く)走っていたのです。

実はその選手は、血糊の入ったカプセルをソックスの内側に隠しておき、試合中にタイミングを見計らってそのカプセルを噛んでいました。

血

流血した選手の様子がおかしいことをレンスター側から怪しまれると、ハリクインズのチームドクターは、疑いを晴らすため、実際に選手の口を刃物で切り、傷は本物であると主張。

しかし、ここまでやっても、血糊のカプセルを使っていたことがバレるのは避けられませんでした。

結局、この不正に関わったハリクインズの監督や選手数名、チームドクターの全てが出場停止罰金などの処分を受けています。

このスキャンダルは、ニクソン大統領のウォーターゲート事件をもじって、後に「ブラッドゲート事件」と呼ばれるようになりました。

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4 ツール・ド・フランスの反則行為祭り

自転車

ツール・ド・フランスは、100年以上の歴史を持つ、自転車のロードレース。

毎年7月に行われ、20を超えるチームが参加し、約3週間走り続けます。

このレースは、今でこそ厳正なルールの下に行われていますが、まだその歴史が浅かった頃は、ほとんど何でもアリのレースでした。

他の選手を妨害するため、道路にガラスの破片を撒いたり、他人の水筒に異物を入れたり。

見物人が選手たちを攻撃することもよくあったので、そういう連中を追い払うために銃が発砲されることも。

考えようによっては、今のツール・ド・フランスより数倍面白いと言えるかも知れません。

自転車

ただでさえ面白い初期のツール・ド・フランスを更に面白くした選手の中に、イポリト・オクテュリエという人物がいます。

第2回のツール・ド・フランスに参加した彼は、レースの途中で、前方を走る車を見つけると、用意していたワイヤーのフックをその車のバンパーに引っ掛けました。

そして、ワイヤーの反対側の端を口で咥え、自動車に引っ張ってもらう作戦で優勝を目指したのです。

わざわざワイヤーを咥えなくても、自転車のハンドルに結びつければいいだけのような気がしますが、そこは多分突っ込んではいけない部分なのでしょう。

この方法は、最初のうちは上手くいっていたのですが、途中で他の選手に抜かれてしまい、彼は優勝を逃しました

ちなみに、彼を抜いたその選手も不正行為を行っていました。

結局、1位から4位までの選手が不正のために失格となり、5位でゴールした選手が優勝しています。

5 コルク入りバット奪還作戦

バット

 コルク入りバットは、やろうと思えば誰でも作れます。

木製バットの先端の面にドリルで穴を開け、そこにコルクを詰め、目立たないように穴を塞げば完成。

この特製バットは普通のバットよりも軽く、それ故にスイングが速くなり、ヒットが出やすくなるという効果があります。

野球に全く興味の無い方でも既にお気づきでしょうが、試合でこういうバットを使うのは反則です。

ただ、見た目は普通のバットと変わらないので、この反則がバレるのは、例えばボールを打った瞬間にバットが折れて謎のコルクが飛び出したような場合に限られます。

コルク

メジャーリーグの歴史で、コルク入りバットを使ったことが発覚したのは全部で6名

その一人であるクリーブランド・インディアンスのアルバート・ベルは、反則行為をしたのとはまた別の意味で伝説を残しました。

1994年、クリーブランド・インディアンスとシカゴ・ホワイトソックスとの試合中、ホワイトソックスの監督であるジーン・ラモントが、ベルの使用しているバットに疑いの目を向けます。

ラモント監督が透視能力か何かを持っていたのかは不明ですが、彼の抗議を受けて、問題のバットは審判の控室に保管され、試合後に調べられることとなりました。

審判

この時、インディアンスの監督だったマイク・ハーグローヴは、コルク入りバットのことを承知していたので、背中から嫌な汗が滝のように流れていたことでしょう。

バットが調べられたら一巻の終わりです。

見た目は普通のバットでも、じっくり観察すれば違いに気づかれてしまうでしょうし、バットが折られたら致命的。

そこでハーグローヴ監督は、ある作戦を実行します。

リリーフ投手のジェイソン・グリムズリーに、こっそり控室に潜り込んでバットをすり替えるように命じたのです。

グリムズリーはこの指令を忠実に遂行しました。

彼は球場の換気口から侵入し、狭いスペースを這うようにして進み、バットが保管されている部屋に天井から降り立つと、コルク入りバットをチームメイトのバットと交換

そのあとは、急いでブルペンまで戻り、何食わぬ顔。

野球

ミッション・コンプリート

と、言いたいところですが、このミッションは完全に失敗です。

審判の控室の天井が一部剥がれ落ちているのが発見されたのです。

誰かが天井から侵入したのはほとんどバレていました。

さらに、保管してあったベルのバットを見てみると、そこにはハッキリと「ポール・ソレント」という文字が。

アルバート・ベルのバットに、何故チームメイトであるポール・ソレントの名前が刻まれているのか。

ここまで来るともう誤魔化しようがありません。

その後、コルク入りバットの存在が白日の下にさらされることとなったのです。

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