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ミスというのは、誰にでも起こりえます。

時には、機械でさえミスをするのですから、人間であればなおさら。

そのミスが、例えば、文字を一つだけ間違えた、というような些細なものであれば、多くの場合、大事にはなりません。

しかし、そのたった一文字が、人の運命を変えてしまったとしたら……。

今回は、そんなお話です。

(アイキャッチ画像:Pexels / Pixabay)

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1 フェイスブックで挨拶しただけで逮捕された男

建設作業員bridgesward / Pixabay

2017年10月某日の早朝、建設作業員として働くパレスチナ人の男性が、フェイスブックに、「みんな、おはよう」という挨拶を投稿しました。

もちろん、これは、フォロワーに対する、何の変哲も無い挨拶。

しかしこの後、彼は逮捕されることとなるのです。

しかも、テロリストの疑いがある人物として。

一体なぜそんなことになったのか。

原因は、オンラインの自動翻訳機能でした。

挨拶geralt / Pixabay

その男性は、「みんな、おはよう」という挨拶をアラビア語で投稿したのですが、それが自動翻訳された際、あろうことか、「奴らを攻撃しろ」と訳されてしまったのです。

そして、イスラエルの警察が、その翻訳された投稿を発見し、誰かがテロ行為をけしかけていると判断。

その男性のフェイスブックに掲載された情報から身元を特定し、事情を聞くために彼を逮捕したのです。

イスラエルでは、過去に、ブルドーザーを使ったテロ行為があったので、それとの関連で、犯罪行為を促すような投稿には当局が目を光らせていました。

それにしても不思議なのは、単なる挨拶が、テロ行為を指示するような意味に誤訳されることなどあるのか、という点。

これについては、「みんな、おはよう」と「奴らを攻撃しろ」は、アラビア語にすると、たったの一文字違いなのだとか。

アラビア語に関して、筆者は全くの門外漢なのですが、実に不思議な言語という気がします。

2 ある日突然、性犯罪者にされた男性

逮捕4711018 / Pixabay

イングランドのサウス・ヨークシャーで、薬物依存症患者を回復させるための仕事をしていたナイジェル・ラングという男性がいます。

彼はこの仕事を天職だと思っていたそうですが、そんな彼の日常は、2011年7月某日、終わりを告げました

当時、44歳だった彼は、早朝、警察に逮捕されたのです。

性犯罪の容疑で。

薬物中毒に苦しむ人たちを救うために尽力していた彼が、何故そんな卑劣な犯罪に手を染めてしまったのか。

普通に考えれば、信じがたい話です。

そしてこれは、全くの冤罪でした。

逮捕後、彼は、自分が無実であることを一貫して主張。

数週間が過ぎ、ようやくナイジェルの疑いは晴れ、彼は自由の身になりました。

しかし、逮捕によって一旦地に落ちた名誉は、そう簡単には回復できません。

彼は、仕事を失い、精神的にも大きなダメージが。

それに加え、自分がなぜ誤認逮捕されたのかについて、警察からは納得のいく説明は何も無し。

何としても真実を知りたい彼は、弁護士を雇って、独自に調査を開始

それから数年後、遂に真実に辿り着きました。

ナイジェルが逮捕される前、警察は、あるIPアドレス(インターネット上において個々のパソコンを特定する情報)で、違法なわいせつ画像が多数シェアされているのを確認していたのです。

パソコンStockSnap / Pixabay

そのIPアドレスを追跡した結果、到達した先が、ナイジェルのパソコン

これにより、彼は「性犯罪者」の汚名を着せられることとなりました。

ところが、違法な画像をシェアしていたIPアドレスは、ナイジェルのIPアドレスではなく、そのアドレスに、数字を一つ加えたものだったのです。

つまり、犯人は全くの別人

にも関わらず、このたった一桁の違いを見落としてしまった警察は、ナイジェルを犯人と断定

これが、彼が誤認逮捕された理由です。

この事実が明らかになると、2014年、警察は、ナイジェルに対し正式に謝罪

そして、2016年、彼は、補償金として6万ポンド(約820万円)を受け取りました。

これで汚名返上となったわけですが、しかし彼は、以前の職場にはもう戻れないと語っています。

その理由は、逮捕された容疑が性犯罪であるがゆえに、周りの女性職員からの偏見を考えると、耐えられないからだそうです。

3 メールアドレスの間違いがきっかけで結婚

カップルOlessya / Pixabay

わずかな文字の間違いは、人を不幸にするだけではありません。

そのおかげで、運命の人と出会うこともあるのです。

イギリスのシェフィールドに住むフィル・サイドボトムという男性のもとに、ある時から、「求人広告を見た」という人たちからのメールが大量に届くようになりました。

彼は、求人広告など出した覚えはありません。

実は、その公告を新聞に掲載したのは、シェフィールドから5600km離れた、ニューヨーク在住のアデル・ジェラーティという女性。

文筆業を営む彼女は、共同執筆者を募集するため、新聞社に公告掲載を依頼していました。

しかし、その新聞社は、彼女のメールアドレスの最後にある「45」という数字を、誤って「54」と記載したのです。

その間違えたアドレスこそが、フィルのものでした。

これにより、アデル宛のメールが、彼のメールボックスに次々と届くことに。

ディスプレイStartupStockPhotos / Pixabay

単なる迷惑メールとはちょっと違うと感じたフィルは、試しに、自分のアドレスの「54」を「45」に変えたアドレスにメールを送り、間違って自分にメールが届いていることを伝えてみたのです。

もちろん、このメールは、アデルに届きました。

それを受け取った彼女は、新聞社に問い合わせ、何が起きたのかを知り、フィルにメールで事情を説明

これで一件落着。

二人の関係も終わり……。

……に、なるはずだったのですが、翌日、アデルがパソコンの電源を入れてみると、フィルからのメールが。

そのメールを読んで、彼女は、フィルの人柄に惹かれました。

これをきっかけに、二人はオンラインでチャットをするようになり、長いときには5時間も話し込んでいたとか。

当然の流れとして、二人は、互いに自分の写真を送ります。

当時、49歳だったアデルは、54歳のフィルの写真を見て、完全に恋に落ちました。

それからは、二人の関係はどんどん深まっていき、アデルは何度かイギリスへ飛び、フィルの自宅を訪れるまでに。

そして、2007年、アデルがイギリスに移住し、遂にゴールイン

これはある意味、凡ミスを犯した新聞社に感謝すべきかも知れません。

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