先日、NHKニュースのサイトを見ていたら、「フジテレビが謝罪」という見出しが目に留まりました。
「チャンハウス」という番組内で、街頭インタビューの映像を、本人の意図とは異なる形で編集し、放送したとのこと。
相変わらずですね、フジテレビは。
そういえば、コロナ禍の時期にも、某番組内で、竹下通りの映像を、事実とは異なる印象を視聴者に与えるように編集していたのが発覚し、謝罪していました。
このときの謝罪から、フジテレビは何も学んでいないということになります。
その昔、とあるコラムニストが、「テレビ局というところは絶対に学習しない」と断言していたのですが、今のフジテレビを見ているとそれがこの上なく真実であると実感できます。
現在、中居正広の性暴力に関連して、フジテレビの人権意識の低さが問題視されていますが、フジテレビは昔から人権意識が低かったのです。
その具体例は、細かいものまで挙げるときりが無いのですが、僕が特に問題だと思うものを以下にご紹介しましょう。
1 女子アナの胸タッチ事件
これは、あるお笑い番組で、某大物芸人がフジの女子アナの胸を「手の甲」で触れたというもの。
ご丁寧に、触れた瞬間に「ぽよん」という効果音まで入っていました。
フジテレビとしては、手の甲で触れる場合はセクハラにならないというルールでもあったのでしょうか。
今のフジテレビからすれば、あったと言われてもそれほど驚きはありません。
手のひらで触ろうが、手の甲で触ろうが、常識的にはセクハラでしかないのですが、そうは考えないところがフジテレビの凄いところです。
2 女優の胸を鷲掴み事件
これは、ゴールデンタイムの人気バラエティで発生した「事件」。
映画監督としても有名な某お笑いタレントが、番組にゲスト出演していたとある女優の胸を突然鷲掴みにしたのです。
いきなり胸を揉まれたその女優は驚きのあまり数秒間フリーズしていました。
そんな彼女に対し、その芸人が言い放ったセリフが、「ずっとファンだったんだ」。
この番組は生放送ではなかったので、ひょっとすると、その女優さんも了承済みで行われた一種の「コント」だったのかもしれません(そうは見えませんでしたが)。
唐突に露骨なセクハラ行為が展開されるというのは、人によっては笑いのツボにはまる可能性はあります。
しかし、ここまで明白なセクハラを堂々とオンエアーしていたのは、僕の知る限りではフジテレビだけです。
当時のフジテレビは、笑いのためなら何でもやるという感じでした。
3 サブリミナル障害者差別
こちらも、かつて人気を博したお笑い番組での話。
その番組内で、芸人たちが目隠しをした状態で、口に入れた食べ物を当てるという人気コーナーがありました。
そのコーナーの内容自体は別に問題は無いのです。
しかし、観客席のセットをよく見ると……。
「mecra」というアルファベットの文字列が、ミミズが這ったような書体で書かれてありました。
一瞥しただけでは気づきにくいですが、しかしよく見るとはっきり分かる。
芸人たちが目隠しをして参加するから「mecra」というわけ。
そこまでして、この差別用語を番組に盛り込みたかった理由は一体何だったのか。
笑いのため?
しかし、この下劣で幼稚な文字列の意味に気づいた視聴者の中に、笑える人がいたのでしょうか。
問 フジテレビは学習するか
一応、フジテレビの名誉のために書いておきますと、上記のセクハラや差別はかなり昔の話です。
昔の民放はどの放送局も似たりよったりで、セクハラや暴力、差別、偏見といったものに対して極めて鈍感でした。
でっかい付け鼻をした芸人がカタコトの日本語を喋って欧米人のマネをするなどといった、今では恐ろしいことが平然と行われていたのです。
よって、フジテレビだけが「特に」酷かったというわけではありません。
「ちょっと」酷かっただけです。
さて、そんなフジテレビは、今後、本当に変わることができるのか。
これに関しては、「テレビ局は絶対に学習しない」というのが真実であるという気がします。