私達の周りには、科学では解明しきれていない、不可思議な現象が数多く存在します。
解明されなくても、特に困る、ということはないのですが、その秘密が気になると言えば気になる。
そういった類の「謎」です。
今回は、人体の謎に絞って、そのいくつかをご紹介しましょう。
現代医学でも説明しきれない、人体に関する謎には、興味深い要素が満載です。
〈originally posted on Audust 24,2015〉
1 人間になぜ指紋があるのか
この見出しのような質問を小学生にすれば、おそらく、
「犯人を捕まえるため」
と答える子供が何人かはいそうですが、これは勿論正しくありません。
人間の進化の過程と、「犯罪捜査」は無関係だからです。
では人間に指紋がある理由とは何なのか。
実は、専門家の間でも、指紋が生まれた理由というのはいまだに解明出来ていない謎なのだとか。
しかし、近年発見された、ある非常に稀な遺伝的病気は、その謎を解明する糸口になるかもしれません。
というのも、その病気の最大の特徴は、
指紋が無い
ということだからです。
世界中でもわずか数家族にしか見られない症状なのですが、通常の人よりも発汗量が少ないというこを除けば、特に健康上の問題はありません。
つまり、指紋が無くても人間が生きていくには何ら支障は無いと言えるわけで、専門家たちは、これらの家族について詳しく調べることで、「指紋の謎」が解明できるのではないかと考えています。
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2 人間になぜ血液型があるのか
血液型は、血球に含まれる「抗原」の違いによって分類されますが、細かく分けるとその種類は、一般的な4タイプ(A, B, O, AB)よりもはるかに多く存在します。
そして、このような血液型の違いが存在する理由は、いまだに大きな謎のままです。
そもそも、血液中の「抗原」に、複数のタイプがある理由が、はっきり分かっていないのです。
最近の研究で、特定の血液型は、ある種の病気のかかりやすさと相関性があるとされており、血液型の違いは、病気を防ぐことと関係があるのではないかとも見られています。
3 首を切断されると何が待っているか
などというのは、怪談めいた都市伝説にありそうですが、では、首を切断された直後の人間の頭部は、一体どうなるのか。
ほんのわずかな時間でも、脳が機能していて、場合によっては表情が変わったりすることもあるのか。
この点については、詳しい研究はほとんどなされていません。
理由は明白で、研究のために被験者の首を刎ねるわけにはいかないからです。
しかし、この点に関して、これまでで唯一といってもいい研究報告があります。
ギロチンが一般的な処刑手段となっていたフランス革命時に、ガブリエル・ボリュという医師が、罪人が首を刎ねられた直後、その頭に向かって何度もその男の名を呼び続けました。
すると、男の目がわずかに見開いて反応したとか。
これに基づき、その医師は、首を切断されて30秒以内であれば、かすかに意識は残っているのではないか、と結論付けています。
4 人間にフェロモンは効くのか
動物や昆虫の世界で「フェロモン」が重要な役割を果たしていることは、早くから知られていました。
しかし、そのフェロモンが人間どうしの関係においても効果があるのかは、まだ不明な部分が多いのです。
フェロモンを研究するには、全く匂いの無い被験者が必要なのですが、そういう被験者を確保するのが難しいというのがその一因。
現在明らかとなっているのは、人間には動物が持っているのと同じような、フェロモンを感じ取る器官は無いということ。
非常に小さな器官はあるらしいのですが、それが実際にどう機能しているのかは定かではないようです。
これまでの研究で、人間には指紋と同じように、その人固有の「匂い」が存在することが分かっています。
例えば、赤ん坊は匂いだけで母親を認識することが可能だと言われていますし、似たような匂いを持つ男女は互いに惹かれあう傾向があるとも言われています。
匂いの果たしている役割についての研究が進めば、人間とフェロモンの関係も解明される日が来るかもしれません。
5 カミナリに撃たれると何が起きるのか
人間がカミナリに直撃されれば、脳に深刻なダメージが残り、全身に火傷を負い、場合によっては死に至る、というのは誰でも知るところでしょう。
ところが、意外に思われるかもしれませんが、カミナリに撃たれた人の大半は、命を落とすことは無いのです。
しかも、中には撃たれた直後に無傷で平然と歩き出す人もいるのだとか。
ある人は重傷を負い、ある人は無傷で済む。
このような極端な違いが何故現れるのかを、今の科学では説明しきれません。
謎の解明のために、ある研究者は、カミナリ発生率の高い南アフリカに渡り、調査を行ったそうです。
その結果、カミナリが人間の体を通過するときには、ある特有の通り方をすることが判明しました。
そしてこれが、カミナリに撃たれてもなお無傷でいられることと関係があるのでは、と見られています。
6 妊娠に気づかない人
女性が妊娠すると、約9ヶ月後に出産が待っているわけですが、妊娠してから出産までの9ヶ月間、自分が妊娠していることに全く気づかない人が稀にいるのです。
こういう人は、ある日突然、腹部に異常な痛みを感じたと思ったら、そのまま病院で出産となります。
この現象には2つのパターンがあります。
1つは、妊娠した女性が太りすぎている場合。
お腹の中で胎児が成長を続けても、体型がほとんど変わらず、また、胎児が動いてもほとんど分からないため、自分が妊娠していることに気づきにくいのです。
このような体格の女性は、生理不順であることが多いのも妊娠に気づかない一因となっています。
もう1つは、ごく普通の体型をしていて、健康面でも精神面でも全く問題無いのに、出産の直前まで自分の妊娠に気づかないというパターン。
そして、この後者のパターンについては、一体なぜ本人が妊娠に気づけないのかが、医学的に大きな謎となっているのです。
7 口の中は謎だらけ
ヒトの口の中には数多くのバクテリアが潜んでいます。
そして、それらのバクテリアについての研究が進めば、歯周炎など、口の中の病気を予防するのに大いに役立つのですが、実はこのバクテリアの研究は非常に困難なのです。
その原因は、人間の舌に存在するバクテリアのほとんどは、ペトリ皿で培養するのが不可能であるという事実。
口の中のバクテリアなどは、とっくの昔に研究者たちが調べ尽くしていると思っていましたが、意外にもそうではありません。
我々の口にある微生物の多くは、まだまだ謎だらけの存在のようです。
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