子供たちの夏休みのメインイベントと言えば、友人や家族と行楽地に出かけて、思いっきり遊ぶことでしょう。
ただ、今年は、新型コロナウイルスの影響で、そういったことを控える人が多いかも知れません。
さらに、緊急事態宣言による授業の遅れを取り戻すため、ほとんどの学校が夏休みを短縮。
子供たちにとっては、例年に比べれば少々味気ない夏休みとなりそうです。
そして、忘れてはならないのが、宿題の存在。
なるべく早めに宿題を終わらせないと、夏休みの終了間近になって地獄を見る羽目になります。
〈originally posted on July 27,2020〉
1 自分の葬式をセッティングせよ
イングランドのレスターに住むジェマ・マーストンは、今年の6月、息子のブロディ(13歳)が学校から与えられた課題を見て、愕然としました。
その課題の内容は、「自分の葬式をどのようなものにしたいかを考える」というもの。
ジェマは最初、息子が持ち帰った課題のプリントを見た瞬間、信じられずに思わず「二度見」したとか。
そのプリントには、以下のような項目について、自分の考えを書くことになっていました。
葬儀で流したい曲は何か
どんな棺桶が好みか
参列者にはどんな色の服を着てほしいか
誰に参列してほしいか
遺体をどこに埋葬してほしいか、或いは散骨がいいか
などなど……。
13歳の生徒に出す課題としては、なかなかダークな内容です。
しかも、この課題は、都市封鎖がなされ、大人だけでなく子供も大きな不安を抱えている状況で出されました。
生徒の中には、身近な人をコロナウイルスで亡くした子もいたかも知れません。
それを考えると、この課題を出した教師は、一体何を考えていたのか。
学校側の説明によると、この課題は、本来は配布されないはずだったのに、ごく一部の生徒に対してのみ、誤って配布されてしまったとのこと。
毎日のように感染者や死亡者の数が報じられていた中で、この課題を受け取ってしまった生徒は、相当に気が滅入ったことでしょう。
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2 誰かとデートせよ
2017年、米国ユタ州にあるハイランド高校で、「デートに行くこと」という、大変奇妙な宿題が出されました。
デートすることの一体どこが「宿題」なのかと言いたくなりますが、一応、宿題と言えるだけの制約があるのです。
まず、デートの予算は一人5ドル。
彼氏も彼女も5ドルしか使えませんから、行ける場所や出来ることはかなり限られるでしょう。
よって、この宿題を出した教師からは、グループ・デートが推奨されていました。
例えば、10人のグループで、全員が5ドルを出し合えば、合計50ドル。
50ドルあれば、それなりに時間を潰せる場所は見つかりそうです。
そして、デートが終わったら、それがどんなデートだったか、何をしたか、などをレポートにまとめた上で提出します。
デートを学校の課題にするというのも問題がありますが、それとは別の部分で、この課題は保護者からの怒りを買いました。
怒りの原因となったのは、その教師が、女子生徒に配布した課題プリント。
その中に、「理想的なデートのために守るべきこと」という提案が列挙されていたのですが、それらの内容のほとんどが、女性蔑視に満ちたものだったのです。
そのいくつかをご紹介すると……。
女性らしく振る舞うこと。
汚い言葉遣いは避けること。
彼氏に敬意を示すこと。
彼氏の習慣にいちいち難癖をつけないこと。
彼氏が紳士らしく振る舞えるようにすること(ドアを開けてくれるのを待つとか)。
彼氏の運転に文句を言わないこと(危険な運転でない限り)。
などなど。
この課題プリントを、16歳の娘から見せられたある母親は、激怒して、プリントの画像をフェイスブックに投稿。
すると、それを見た女性たちから、怒りのコメントが山のように寄せられました。
ある女性は、
「何これ。1940年代の宿題が発見されたの?」
などと皮肉の効いたコメント。
こんなトンデモ課題を出す教師は、どーせ女性に理想を押し付けようとするモテない偏固オヤジだろうと思われた方もいるでしょうが、意外なことに、この課題を出したのは、女性教師なのだそうです。
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3 残虐な殺人事件についてリサーチせよ
善と悪。
いかなる基準で両者を区別するのかは、場合によってはかなり難しい問題です。
倫理的、哲学的、宗教的な要素が絡むこともあり、そう簡単に答えが出せないこともあるでしょう。
それだけに、こういったテーマを学校で扱うのは、ある程度の慎重さが要求されます。
しかし、このテーマを使い、驚くほど大胆な内容の課題を出した学校があるのです。
2020年2月、イングランドのオックスフォードシャーにある学校で、12~13歳の生徒を対象に、「ジェイムズ・バルガー殺害事件について調べよ」という課題が出されました。
この事件は、1993年、イングランド北西部のマージーサイド州で、2歳のジェイムズが、10歳の少年二人組によって連れ去られ、その後殺害されたというもの。
この課題の狙いは、現実に起きた殺人事件を題材にして、「悪」とは何であるのかを、宗教的な観点を交えながら議論することだったとか。
生徒たちは、この事件の詳細を、インターネットを利用して調べることになるわけです。
しかし、そこには一つ大きな問題がありました。
それは、この事件がかなり残虐で、異常な面を持っていること。
事件について調べていくうち、そういった内容に接する可能性も十分あるでしょう。
これに関して、複数の保護者が学校に抗議。
その一人であるロブ・グレッグという男性は、12歳の息子がこんな宿題をやったら悪夢にうなされる、と憤慨しました。
これに関して学校側は、「悪とは何か」という問題について議論する上で、この事件を取り扱うことは、十分に検討を重ねて決定されたと説明。
この課題に対しては、グレッグのように怒りを顕にする人がいる一方で、学校側の決断を支持する保護者も多数いたそうです。
つまり、保護者の間でも意見が分かれたのですが、その後、学校はこの課題を取り止めにしました。