日本の刑務所とアメリカの刑務所。
決定的な違いは何かと言えば、アメリカの方が、囚人が強そう、ということだろうか。
……海外ドラマの見すぎかもしれないが。
ところで、アメリカの刑務所内ではどのようなスラングが使われるのか。
覚えていても学校の試験では全く役に立たないが、覚えていればタフな男になった気分になれる(?)かもしれない。
〈originally posted on November 29, 2014〉
1 all day
普通に訳せば「一日中」であるが、刑務所内では「終身刑」を意味する。
“I’m doing all day.”
「オレ、終身刑なんだ」
また、「all day and a night」という表現もあって、こちらは「仮釈放なし」の状態を指す。
2 beef
もちろん、「肉」という意味でも使われるが、刑務所では他の使われ方がある。
(1) 処断刑のこと。
“I caught a burglary beef in Philly.”
「フィラデルフィアで強盗罪をくらっちまったよ」
(2) 他の囚人とのトラブル。
“I have a beef with that guy in Block D.”
「Dブロックのあいつとトラブってるんだ」
3 bug
信頼できない(要注意の)刑務官を意味する。
「虫」のようにうっとうしい奴ということだろう。
実に分かりやすいスラングだ。
4 cadillac
車のキャディラックのことではなく、囚人の寝床のこと。
また、”cadillac job“といえば、誰でもできるような容易い仕事のこと。
5 catch a ride
「ボーダーランズ」というゲームをやったことのある人ならおなじみのフレーズかもしれない。
通常は「車にのせてもらう」という意味で使われるが、刑務所では仲間と一緒にドラッグでハイになることを指す。
6 cowboy
これはちょっと難易度が高い。
まず”cowboy”を逆から綴ってみると、”yobwoc”となる。
そしてこれが、
“young, obnoxious bastard we often con”
「騙しやすくてヒヨッコのウザいクソ野郎」の頭文字を取っているのだ。
かなり無理矢理な感じがするが。
早い話、新入りの刑務官のことを指す。
7 duck
他の刑務官や囚人の秘密をバラす刑務官のこと。
おそらく、アヒルの口が何でもペラペラ喋るのを連想させるからだろう。
8 granma’s
お婆ちゃんが何の関係があるのかと言いたくなるが、これはギャングのボスが収監されている独房のこと。
9 jacket
ある囚人に対する他の囚人たちからの評判。
11 monkey mouth
まったくどーでもいい話を延々と続ける奴のこと。
これは刑務所以外でも使えそうだ。
12 Ninja Turtles
ニンジャ・タートルズといえばアニメや映画でお馴染みだが、これは「フル装備の警備員」のこと。
確かにニンジャ・タートルズは硬い甲羅を身にまとっているから屈強な警備員と似ていなくもない。
13 no smoke
刑務官の指示に素直に従って何もトラブルを起こさないこと。
” He let the guard search his cell, no smoke.”
「あいつ、警備員に自分の独房を調べさせたよ、抵抗せずに」
14 rabbit
を試みたことがあったり、脱獄を計画中の囚人。
日本語でも、「脱兎のごとく逃げ出す」などと言うが、発想は同じなのだろう。
15 road kill
「ロードキル」という言葉は通常「車にはねられて道に転がっている動物などの死体」を指す。
一方、刑務所スラングでは、道に落ちているタバコの吸い殻を集め、刑務所内のトイレットペーパーでくるくると巻いてタバコにすることを意味する。
日本の刑務所と違って、アメリカの刑務所に服役する囚人たちは、とにかく筋肉ムキムキの屈強な男ばっかり、というイメージがある。
映画などの影響もあるのだろうが、そのイメージは決して間違ってはいないように思える。
ここでご紹介した刑務所スラングは、英検でもTOEICでも全く何の役にも立たないが、仲間どうしの隠語として使えるかもしれない。
例えば、
「昨日は嫁の機嫌が悪かったので、”No Smoke” 状態だったよ(素直に言うことを聞いていた)」
みたいな……。
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