ナチ
といえば、アウシュビッツやホロコーストを連想する方も多いでしょう。
しかし、ナチの世界征服計画の中には、あまり知られていない奇抜なものが色々と存在します。
これからご紹介する計画の数々は、失敗に終わったものから一応成功したもの、戦争が終結したために実行のチャンスを失ったものなど様々。
今の常識で判断するとかなり無謀な内容の計画もありますが、当時のナチにしてみれば、ドイツ国民を世界の頂点に立たせるために大真面目に考えていたのでしょう。
今回は、そんなトンデモ計画の話です。
〈originally posted on March 21,2016〉
1 「超兵士」計画
1944年、ナチ所属の科学者が「D-IX」と呼ばれる薬を開発。
その薬は、コカインや鎮痛剤、アンフェタミンなどから製造され、人間の身体能力の限界を超えられる「超兵士」の部隊を生み出すことが目的でした。
この薬を服用した者の筋肉疲労やスタミナの変化を調べるべく、ザクセンハウゼン強制収容所の囚人たちに「D-IX」を服用させ、彼らに多量の重りを装着して延々と歩かせたのです。
その結果、一時的に身体能力の上がった囚人たちは、88kmの距離を休むこと無く歩き続け、薬の効果は信頼できると結論づけられました。
しかし、この薬を実際にドイツ軍兵士に使用する前に、戦争が終結したのです。
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2 「サン・ガン」計画
ナチは敵国の市街地を一瞬で焦土と化すことのできる巨大兵器、その名も「サン・ガン」なるものを開発していました。
直径が1.6kmもあったというこの兵器の仕組みは名前から何となくバレている気もしますが、凹面鏡を使って太陽光を集め、それをターゲットに向けて集中的に照射するというものでした。
1923年に開発が始まり、当初の目的はあくまで積もった雪を解かすためだったとか。
ナチはこの巨大な「サン・ガン」の中に兵士を住まわせることも考え、その際の酸素補給には植物(カボチャ)を使うつもりだったそうです。
3 「スーパー・モスキート」計画
1942年、ナチは昆虫を使って病原菌を拡散させる計画を実行するため、ダッハウに研究施設をつくりました。
計画の具体的な内容は、遺伝子操作された蚊(スーパー・モスキート)を敵国に送り、マラリアを流行させるというものだったのです。
その蚊は4日間水もエサも無しに活動できると考えられていました。
最初のターゲットにする予定だったのはロシア。
その理由は、蚊の寿命を少しでも長くする気候条件が揃っていたためです。
4 「爆弾チョコ」計画
英国首相だったウィンストン・チャーチルの殺害を目論んでいたナチが、同首相がスイーツに目が無いという事実を知って編み出したのがこの計画。
計画内容は実にシンプルで、爆薬を練り込んだチョコレート・バーをチャーチルが利用する食卓にこっそり忍ばせておくというもの。
その爆弾チョコは小ぶりながらも相当な威力で、半径7m以内の人間を吹っ飛ばすのに十分だったと言われています。
ところが、この「甘い計画」は事前に情報が漏れてしまい、爆弾チョコへの警戒を促すポスターがイギリス中に張られたそうです。
5 「キリストの聖杯」計画
ナチ党員だったハインリヒ・ヒムラーは、キリストの聖杯がドイツを勝利に導くものと信じ、それを見つけるべく1940年にスペインのバルセロナで修道院を訪ねました。
彼は聖杯の謎を解き明かすことで、イエス・キリストが非ユダヤ系白人であることを証明し、さらにはドイツ人こそが世界の支配者に相応しいと宣言するつもりでした。
ヒムラーはまた、失われた大陸であるアトランティスを探し出し、そこで暮らしていた支配者層の子孫に関する手掛かりを手に入れようと考えていたそうです。
6 「ローマ教皇誘拐」計画
1943年、ヒトラーはローマ教皇のピウス12世を誘拐する計画を立てました。
それによりキリスト教信仰を崩壊させ、代わりにヒトラー自身を神のように崇めさせる狙いがあったのです。
具体的な計画内容は、ギャングに扮したナチの親衛隊がヴァチカンで銃撃戦の騒ぎを起こし、安全を確保するという名目で教皇をドイツに移送し、そこで監禁するというものでした。
7 「死のタバコ」計画
ナチでは女性のスパイも活動していましたが、彼女たちが使用していた武器や道具の中には、ある特殊なタバコがありました。
そのタバコを吸った者は、強烈な頭痛に襲われるようになっていたのです。
女性スパイにとって、殺害対象となるターゲットにタバコを吸わせるのはさほど困難ではないでしょう。
そして、相手がタバコを吸って頭痛を感じ始めたらさりげなく「頭痛薬」を手渡すのですが、その頭痛薬には毒が仕込んであるというわけなのです。
8 「マインド・コントロール」計画
1945年、ヒトラーはドイツ国内各所に巨大なTVのスクリーンを設置し、そこにナチのプロパガンダやニュース、教育番組などを流す計画を立てました。
驚くことに、ナチを裏切った者の処刑を放送することも予定されていたとか。
さらに、小型のTVを各家庭に配る話もあったそうです。
ナチ党員のヨーゼフ・ゲッベルスは、ナチの権威をTVを通して宣伝することが民衆をコントロールするのに効果的だと考えていたのだとか。
しかし、この計画も、実行に移される前に戦争が終結しました。
9 「生命の泉」計画
これは、ドイツ国民の純潔性を高める目的で1935年に始まった計画で、レーベンスボルンとも呼ばれます。
ナチ党員の男性に北欧女性との間に子供をもうけることを推奨したり、占領下の国々で子供を誘拐しては完全なる非ユダヤ系白人として育てることなどがその内容でした。
誘拐された子供は、食事内容を厳しく管理され、髪の毛にはUVライトを当てられていたとか。
この計画を徹底させることで、将来的に金髪碧眼の民族だけからなる理想国家を目指していたと言われています。
10 「第4の国」計画
第二次世界大戦で敗色濃厚となったナチが、最後の生き残り策として立てたのがこの計画です。
ナチと資本家が協働し、ナチが復活を遂げる日までその保有する資産を維持・増加させるのが目的でした。
具体的には、数十億ドルの価値がある金塊を中立国であるスイスに移転させるという計画内容だったのです。
一説には、この時の資産が現在のドイツ経済の基盤を築いたとも言われています。
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