ポテトヘッド
と言えば、映画『トイ・ストーリー2』にも登場する、ポテト型の人形。
アメリカに本拠を置く玩具メーカーであるハズブロが製造・販売しています。
もともとは、「Mr.ポテトヘッド」と「Mrs.ポテトヘッド」の二種類が存在していました。
しかし、ご存知のとおり、昨今は、女性・男性といった性別にこだわらない、「ジェンダーニュートラル」の考え方が浸透しつつあります。
その観点からすれば、子供向けの玩具に付ける名前にも、一定の配慮は必要と言えるかも知れません。
(アイキャッチ画像:geric10 / Pixabay)
「Mr.」と「Mrs.」が消える
先日、ハズブロ社は、ポテトヘッドの名称から「Mr.」と「Mrs.」を取り除く、と発表しました。
上記のような、ジェンダーニュートラルの重要性に鑑みれば、この決断には一面の合理性があります。
しかし、この突然の発表に、ネット上の反応は、やや否定的。
テレビ番組の司会などで有名なイギリス人のピアース・モーガン氏は、
「ポテトヘッドが男性だということに気分を害する人なんているのか」
「差別意識もここまで来ると、社会を駄目にする」
とコメント。
また、ツイッターでは、女性の側からも、この決定を疑問視する意見が多く出ています。
ハズブロ社に対して消費者から、名称に関して、差別的であるという苦情が寄せられたという話は無いようですから、この決定は、あくまで会社側の配慮によるもの。
ちなみに、男女の区別がある現在のポテトヘッド自体は、今後も販売を継続するものの、商品名から「Mr.」と「Mrs.」の表記は無くなるそうです。
Mr.ポテトヘッドの意外な歴史
玩具としてのMr.ポテトヘッドは、1940年代に、ニューヨーク在住の発明家であるジョージ・ラーナーによって生み出されました。
もともとは、目や鼻、口などのパーツだけしかパッケージに含まれておらず、子供たちは、本物のジャガイモにそれらのパーツを取り付けて遊んでいたのです。
まさにリアル・ポテトヘッド。
また、一般的に当時のテレビCMは、大人向けのものばかりだったのですが、ポテトヘッドは、歴史上初めて、テレビCMデビューを果たした子供向け玩具なのです。
この玩具は、発売された年に、一気に100万個以上を売り上げ、大成功を収めました。
ちなみに、胴体の部分が商品に含まれるようになり、本物のジャガイモが不要になったのは、1964年から。
子供が遊んだ後のジャガイモが、腐った状態でベッド下から発見される事態が多発し、親からの苦情が増えたのが一因です。
ゲームの世界もジェンダーニュートラル
ビデオゲームの中には、プレイヤーが、自分の分身となるキャラクターを最初に作るタイプのものがあります。
こういったキャラクターメイキングでは、まず性別を決定するのが、かつての常識でした。
しかし、最近では、特に海外のゲームにおいて、性別の項目は無く、あくまで見た目の特徴だけを設定する仕様が主流になってきています。
こういう流れは、今後、より広い分野で新たな常識になっていくことでしょう。
それを考えると、ポテトヘッドの名前から「Mr.」と「Mrs.」の文字が消えるのも、自然な流れなのかも知れません。
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