自己破産
するほどの私財をなげうって巨額の献金をする信者。
信者の生活が破綻すると分かっていながら、その献金をすんなり受け入れる教団。
どちらも狂ってます。
しかし、そんな教団や信者が普通に存在しているのが、今の日本。
オウム真理教の時代から何も変わっていません。
危険なカルト教団が勢力を拡大すればするほど、信者ではない、何の関係も無い人々が巻き込まれる可能性も高くなります。
さらに、その教団が政治とズブズブになってしまったら、もはや日本はオワリかもしれません。
〈originally posted on August 1, 2022〉
1 他人の家を燃やす教団
もともとはロシアで活動していた平和的な教団(ドゥホボール派)が、その後カナダへ拠点を移し、さらにそこから分派したグループが、フリーダマイツと呼ばれる人々。
彼らの目的は、物質主義を非難することです。
さらに、その考えを無関係な人たちに押し付けること。
しかもかなり過激なやり方で。
彼らは、物から解放されることの素晴らしさをアピールするために、街中をしばしば全裸でパレードしていました。
住民にしてみれば、いきなり裸の男女が練り歩いている光景を目の当たりにするのですから、迷惑この上ないでしょう。
服を着ることに耐えられないほど物を毛嫌いするのであれば、家にも住めないではないか、と思われた方もいるかもしれません。
まさにその通り。
なんと、彼らは自分たちの住んでいる建物を燃やし始めたのです。
それだけでは飽き足らず、1920年代から1960年代にかけては、他人の家はもとより、学校や、裁判所、橋など、様々な建造物をターゲットに。
ターゲットにされた住居の多くは、ドゥホボール派のものだったというから、皮肉な話です。
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2 ただのマジシャンだった教祖様
カルト教団の教祖が信者を引き込む手段として、何らかの「超能力」を披露することは大変効果的です。
インドネシアで活動していたディマス・カンジェンという男もそれを実践していました。
彼は、人々の面前で、自分の背中に手を伸ばし、体を捩らせると、ヒョイッとその手を引き戻すのです。
するとアラ不思議、その手には札束が。
まさに背中がATM状態。
さらに、札束以外にも、果物などの食べ物を出すことがあったとか。
ここまでくると、ATMというよりは、ドラえもんの四次元ポケット。
もちろん、本物の超能力などではなく、これは単なる手品。
とは言え、この手品でもって、彼は信者の数を激増させ、手に入れた献金の額は3800万ドル。
普通にマジシャンとして働くよりよほど稼げます。
しかし、信者のうちの二人がようやくトリックに気づき、カンジェンに詰め寄りました。
そして彼らは、まるでマジックのように、この世から消されるハメに。
これが原因で、2016年、カンジェンはインドネシアの警察により逮捕されています。
3 バナナがよく育つ教団
パプア・ニューギニアで、トーマス・ペリと名乗る謎の男が始めた謎の宗教があります。
その教えによると、信者は公共の場で、恥ずかしげもなく男女でイチャコラすることが義務付けられます。
そんなことをして一体何になるのか。
答えは、バナナ。
バナナがよく育つというのです。
この場合のバナナは、そういう意味ではなく、バナナ園に育つ普通のバナナのこと。
イチャコラとバナナの関係がよく分かりませんが、常識では理解できないのがカルト教団というもの。
こんなとんでもない行為を信者に強要していれば、警察が動くのは当然です。
トーマスの自宅に警察官数名が訪れたとき、彼は素っ裸で現れたかと思うと、そのまま森の方角へと逃走したとか。
しかしその直後、信者たちとともにきっちり逮捕されています。
4 栄養源は「空気」だけの教団
人間は、何も食べずとも、日光を浴びて、空気を吸っていれば、それだけで生きていける。
これなら、食費はゼロ、カロリーもゼロ、カーボンフットプリントもゼロ。
こんなことを真面目に説いていたのが、ワイリー・ブルックスという人物。
この男は、「ブリザリアン」と呼ばれる信者たちを従えて、上記のようなライフスタイルを推奨していました。
アメリカのテレビ番組に出演した際は、自分が20年近くも何も食べずにいることを公表し、
「やろうと思えば誰でもできることだ」
と断言。
冷静に考えずとも、空気だけで生きていくなど、デタラメなのは明らかです。
しかし、これがカルト教団の怖いところなのですが、ブルックスの主張に賛同する信者は、アメリカ国内だけでも相当な数に上っていたとか。
その中には、ハリウッド女優であるミシェル・ファイファーもいたというから驚き。
ところで、ブルックスは本当に何も食べずに生活していたのか。
そんなわけありません。
彼は、信者にバレないように夜中にこっそりセブンイレブンに行ってホットドッグを買っているところを目撃されるようになりました。
さらに、マクドナルドに立ち寄っている現場も。
ボロが出始めたブルックスは、メディアに対してこう語っていました。
「マクドナルドの周辺には、高いエナジーが集まっており、精神体が行き来する場所でもあるんだ」
なるほど。
さっぱりワケが分かりません。
5 アメリカ史上最悪のバイオテロを起こした教団
1981年、インドから米国オレゴン州に、バグワン・シュリ・ラジニーシという男が移住しました。
彼は、アンテロープという小さな町の近くで、1600人ほどの信者とともに、そこでユートピアを作り上げようとしたのです。
アンテロープはもともと人口の少ない場所だったので、彼らは信者の数で圧倒し、その町を実質的に支配することに成功。
1984年には、投票によって町名を「ラジニーシ」に変更しました。
これに味をしめたラジニーシは、オレゴン州ワスコ郡で行われる選挙で信者を当選させることを画策。
そのために、彼はニューヨークやフェニックス、サンディエゴなどの街からホームレスをしこたまかき集め、「投票要員」として利用しようとしたのです。
しかし、この目論見が実現不能になると、ラジニーシは恐るべき計画を実行します。
ワスコ郡最大の都市を標的にして、バイオテロを決行したのです。
具体的には、複数のレストランで、サラダなどにサルモネラ菌を混入させました。
これにより、約750人が体調不良を訴え、50人近くが病院へ搬送される事態に(死者は無し)。
これは、アメリカの犯罪史上で最悪のバイオテロとされています。
この事件をきっかけにして、ラジニーシのコミュニティは瓦解。
彼はインドへ逃亡を試みますが、1985年10月28日にノースカロライナ州で逮捕されました。
その後はインドへ帰り、名前を「オショー(和尚)」に変えて活動を続けていたとされています。
6 信者が次々と謎の死を遂げる教団
かつて、米国テキサス州ダラスを拠点に、あるカルト教団が活動していました。
テリ・ホフマンという女性によって創設され、「体、心、魂の意識的開発」を唱えていたこの教団は、複数の信者が謎の死を遂げています。
例えば、シカゴの大学で英語の教授をしていたチャールズ・サザーンという男性。
彼は、ホフマンの教団に関わるようになった直後、街を彷徨っているところを家族によって発見されたのです。
すぐにサザーンは入院し、ホフマンの「洗脳」から解放されました。
しかしその後、インドに旅行に行くと言ったまま、彼は行方不明に。
奇妙なことに、彼の自宅には、パスポートが置かれたまま。
さらに、彼の机の引き出しからは毒物が発見され、遺書と思われるメモには、遺産をホフマンに贈与する内容が書かれてあったとか。
この教団に絡んだ謎の死は合計で11件。
その多くのケースで、何故かホフマンの利益になるような遺書が見つかっているのです……。
しかしながら、ホフマンの犯行を裏付ける証拠が乏しく、彼女が殺人罪で起訴されることは遂にありませんでした。
チャールズ・サザーンの行方も謎のままです。
7 祈るだけであらゆる病気を治す教団
この世の病の全ては、ただ祈ることで治療できる。
これがもし真実であれば、今、世界中で起きているウイルスの猛威など大した問題では無くなるでしょう。
そしてそれを信じているのが、「クリスチャン・サイエンス」という教団。
この教団は、ただの風邪から癌に到るまで、あらゆる病気は祈りで治せると説いていました。
これは、危険な要素を孕んでいます。
何故なら、祈るだけで治療できるということは、医師の治療を拒否することにつながるから。
実際、この教団の創設者の一人は、肺炎にかかったとき、病院での治療を拒否したために亡くなっています。
有名な話ですが、ハリウッドスターであるヴァル・キルマーもこの教団の信者です。
2015年に腫瘍が見つかったとき、彼もまた祈りで治療しようとしたのですが、家族の強い説得のすえ、病院で治療を受けて一命を取り留めました。
8 「1981年」以降に生まれた子供が消える
ブラジルのアルタミラという街で、1989年より、少年たちが行方不明になるという事件が目立ち始めました。
住民を不安に陥れるこの現象は約4年間続き、その間に19人の少年が失踪。
しかし、この「失踪」事件の背後にあったのは、ヴァレンティナ・ド・アンドレードという70代の女が設立した恐るべき教団。
この教団は、1981年以降に生まれた子供は全て邪悪な存在であり、この世に存在してはならないと考えていたのです。
その考えに基づき、少年たちを次から次へと連れ去っていたというわけ。
消えた少年たちのうち、教団の魔手から逃れることができたのは、わずか5人。
この5人の証言によって、2003年にようやく教団に捜査のメスが入りました。
その結果、幹部クラスの男3人が懲役刑を食らうことに。
しかし驚くことに、教祖であるアンドレード自身は、殺人の罪を免れています。
9 もうすぐ宇宙人がやって来る!
1973年ごろに元カーレーサーの男が始めたカルトが、ラエリアン運動と呼ばれるもの。
あるとき、UFOに乗った宇宙人が彼のもとにやって来て、ヒトのDNAを作ったエイリアン(=人類の創造主)が、もうすぐ地球に戻ることを伝えたとか。
それ以来、彼は自身のことを「ラエル」と名乗り、エイリアンを受け入れるための行動を開始したのです。
彼の考えに賛同する信者(=ラエリアン)は世界中に存在し、その活動内容は多岐にわたります。
2002年には、クローン人間を誕生させることに成功したと発表。
当然ながら、これはかなり物議を醸しました。
その他にも、過激な活動内容が目立つことから、この教団は住民との間で度々衝突を起こしています。
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10 謎の教団と一家失踪事件
1980年、米国テキサス州ダラスで、ある若い夫婦が、まだ赤ん坊の一人娘とともに行方不明になりました。
彼らの名前は、ハロルド・クローズ(21)とティナ・クローズ(17)、そして娘のホリー。
それからしばらくして、ハロルドの母親に、ときどき奇妙な電話がかかってくるように。
電話の主は、ある宗教団体の女性信者。
その話によると、ハロルドとティナ、そして娘のホリーは、彼女の教団に入信したので今後は家族との一切の関係を絶つとのこと。
それっきり、3人の行方は全く分からなくなっていました。
それから40年が過ぎた2021年10月、DNA鑑定技術の進歩により、40年前に発見されていた身元不明の男女の遺体が、ハロルドとティナのものであることが判明。
二人は何者かによって殺害されていました。
さらに、2022年には、娘のホリーの所在を突き止めることに成功。
彼女は、現在オクラホマ州で5人の子の母親として暮らしています。
ホリーの両親が行方不明になった後、赤ん坊だった彼女は、二人組の女性によって、とある教会に託されていました。
その二人は、ハロルドとティナが入信した教団の信者と思われ、白いローブを身にまとい、裸足で教会に現れたとか。
ところで、ホリーの両親は一体誰に殺害されたのか。
普通に考えれば、その教団がアヤシイということになりますが、今のところ、教団が事件に関わっていたという証拠はありません。
しかし、事件に無関係だとすると、教団の信者がホリーを教会に託したのは、あまりにもタイミングが良すぎるのではないか。
これに関しては、執筆時点ではまだ詳しい情報はありません。
何にしても、非常に謎の多い教団であることは間違いないでしょう。