僕はゲームが好きなので、時々、現実の世界でもゲームのようなことが出来たら、というおバカなことを考えることがあります。
ゲームの中には強力な武器や変わったアイテムが色々と登場しますが、そういった物が実在するなどと考える人はまずいないでしょう。
しかし、実際に現実世界に反映されているような技術が、すでにいくつか存在するのです。
今回は、オートエイムからエクストラ・ライフまで、TVゲームの世界を現実にしたような最新技術の数々をご紹介します。
テクノロジーが進化するに従って、こういう例は今後さらに増えてくるかもしれません。
〈originally posted on February 17,2016〉
1 オート・エイム
FPSのようなジャンルのゲームでは、敵を正確に狙って銃を撃つ必要がありますが、ゲームによっては自動で敵に照準を合わせてくれる機能を持ったものがあります。
これがいわゆる「オート・エイム」と呼ばれる機能なのですが、この機能を実際に備えたライフルをアメリカのトラッキング・ポイントという会社が開発しました。
「XS1ライフル」と呼ばれるその銃は、ターゲットを捉えると照準がそれに合わせて動き、敵に弾丸を命中させるのに最適のタイミングで自動的に弾が発射されるのです。
さらに、発射時には風の強さまで計算に入れるというから驚き。
これがあれば、どれだけ不器用な人でも達人級のスナイパーになれるでしょう。
気になる(?)お値段は、日本円で約190万円です。
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2 コントローラー
ゲームのコントローラーは画面内のキャラクターを操作するだけですが、将来的には「生物」をコントロールできる日が来るかもしれません。
それを実現する可能性を秘めた技術を、ノースカロライナ州立大学附属の研究所が生み出しました。
その研究所では、ゴキブリの脳に特殊なワイヤーを埋め込んで、ゴキブリの動きをコンピュータで制御する実験を行い、見事に成功させたのです。
この技術を応用すれば、深刻な災害が発生したとき、人間が踏み込めないような場所にこういった生物を「派遣」することで、生存者の有無を確認することが可能になると期待されています。
3 特殊グレネード
ゲームに出てくる普通のグレネードは、敵や障害物に当たったり、あるいは一定時間が経過すると爆発します。
しかし、中には『ギアーズ・オブ・ウォー』のようにグレネードが爆発するタイミングを早めることが出来るものもあります。
これを現実の戦闘でも可能にしたのが「XM25」というグレネード・ランチャー。
予め起爆するタイミングをプログラムしておくことが可能で、発射されたグレネードを任意のポイントで爆発させられます。
この兵器は、アメリカ陸軍特殊部隊によって既に使用されており、今後は使用範囲の拡大も検討されているそうです。
4 最強のタンク
『バトルフィールド3』というゲームに登場する戦車は凶悪なまでに装甲が頑丈で、ロケットランチャーをもってしてもなかなか撃破できない厄介な相手です。
この戦車のような最強の防御性能を実現するための技術開発に、アメリカ国防高等研究計画局が取り組んでいます。
彼らが研究しているのは「アイアン・カーテン」と呼ばれるシステムで、これを備えた戦車は、車体の周りに電気フィールドを発生させ、飛んでくるミサイルなどを着弾する前に爆発させることが出来るのです。
この戦車が実現すれば、戦場で最大の脅威となるのは間違いないでしょう。
5 エクストラ・ライフ
人間は一度死んだらそれで終わりなのに対し、ゲーム中のキャラクターは残機がある限り復活します。
そして、この「復活」を現実世界で実現させようとしている人がいるのです。
ロシアの大富豪であるドミトリ・イツコフがその人で、彼は人間の記憶や人格をインストールできるアンドロイドを2045年までに開発すると宣言しています。
本当にそんなことが実現すれば、我々が死んでしまってもアンドロイドの「体」さえ用意すれば、それに記憶と人格を移すことで何度でも復活できることになるでしょう。
まるでSF映画のような話ですが、イツコフ本人によれば、このプロジェクトを実現させるのに必要な技術は既に完成しており、計画の成功にかなり自信があるようです。
6 透明化クローク
『クライシス』というFPSゲームでは、クロークというモードをオンにすることで自分を透明化させ、敵に見つからないようにすることが出来ます。
いかにもゲームならではの能力といった感じですが、こんな技術がセントラルフロリダ大学で真面目に研究されており、しかも実現一歩手前の段階にまで来ているのです。
その研究で試作された特殊なマントは、「ナノアンテナ」と呼ばれる金属ナノ粒子で覆われているので光を反射させることが無く、さらに周りの光を屈折させる効果があります。
その結果、このマントを身につけていると外部から存在が視認できなくなるのです。
現在、このリアル・クローク技術はごく小さな対象物にしか適用できないのですが、この研究が進めば人間を完全に透明化するのは不可能では無さそうです。
7 回復薬
巨大モンスターと戦うようなゲームでは、使用するとその場で体力を回復するアイテムが必ずといっていいほど出てきます。
そして、瞬時に怪我を治療するという意味では、それに近いものをアメリカの生物医学工学者で発明家でもあるジョー・ランドリーナが開発しました。
それが「ヴェティジェル」と呼ばれるジェル状の薬です。
これを傷口に塗れば一瞬で出血が止まります。
どういう仕組みでそんなことが可能なのかといいますと、このジェルは細胞どうしを急速に結合させる効果があり、さらに自然治癒能力も高めているのだそうです。
これさえあれば、多少の傷はどうということはない……かもしれません。
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