大学で学生が利用できる施設には色々ありますが、最もポピュラーなものと言えばやはり図書館でしょう。
定期試験が迫ってくると、教科書や参考書、ノートを机上に広げて最後の追い込みをかける学生たちで館内は一杯になります。
単位を落としてしまうと、最悪の場合、人生設計が狂うことになるので皆必死です。
それだけに、試験勉強のストレスは相当なもの。
日本よりも卒業のハードルが高い欧米の大学であればなおさらです。
〈originally posted on November 12,2019〉
1 墓穴に入ってストレス解消
大学にとって、学生たちが抱える試験勉強のストレスは、軽視できる問題ではありません。
オランダのナイメーヘン市にあるラドバウド大学では、かなり奇抜な手段でこの問題に対処しました。
学生のため、大学の構内に「墓穴」を掘ったのです。
人間一人がすっぽり収まるその墓穴に、ストレスに苦しむ学生たちが入ります。
そして、死者にのみ与えられるような静寂に包まれ、学生は瞑想状態になって気持ちを落ち着けるのです。
そうすることで、自分の存在意義や生きる目的、乗り越えるべき壁など、様々な思念が頭の中を去来し、自然とストレスが和らいでいきます。
ストレス解消法として非常に奇妙であることは大学側も承知で、墓穴の底には「奇妙であれ」というメッセージがでかでかと書かれているほど。
学生からはかなり好意的に受け入れられており、人気が高すぎて常に順番待ちが発生している状態だとか。
2 勉強のストレスのせいで小学生がタバコを吸う
イギリスでは、学校の試験勉強によるストレスに苦しむ子供が近年増え続けています。
子供の相談を受け付けるホットラインである「チャイルドライン」には、2016~2017年で、試験勉強のストレスに関する相談が3000件以上ありました。
また、2015年の統計では、標準到達度試験を受けた小学生約1000人のうち、勉強のストレス軽減のために、30人がエナジードリンクの助けを借り、8人がタバコを吸っていたことが明らかに。
さらに、全体の半数を超える子供が、この試験でしくじると自分の将来に悪影響を及ぼすのではないかと不安を感じていました。
ストレスの程度が酷くなると、摂食障害や自傷行為、自殺未遂などが起きるケースも報告されています。
あるリサーチによれば、教員の約65%が、学校における試験制度に批判的とのことです。
3 命がけで試験勉強をする女性
試験勉強からくるストレスにどう対処すべきかは、学生にとっては試験対策と同程度に重要です。
ただ、仮にストレスに対処できなくても、普通はそれほど深刻な事態にはならないでしょう。
しかし、試験勉強をすることで、命にかかわる危険にさらされる人もいるのです。
イギリスのマンチェスター出身のジェニファー・ロイドという女性は、「アジソン病」という珍しい病気を患っています。
通常、人間はストレスを感じるとアドレナリンを体内で分泌しますが、彼女の場合、臓器が機能停止に陥る危険があるのです。
よって、ジェニファーにとっては試験勉強さえ自分の命のことを考えた上で計画を立てて行わねばなりません。
例えば、1時間勉強した後は、約2時間の休憩を挟む必要があります。
学校の試験の準備をするときは、他の生徒より数週間前から対策を始めないと間に合いません。
しかし、大変な努力家でもあるジェニファーは、こういった困難にも関わらず、トップクラスの成績を維持しているそうです。
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4 毎日50回以上の発作に耐える女性
イギリスのエセックス在住のペイジ・ソープ(17)という女性も、やはり試験勉強によるストレスで人生を狂わされました。
彼女は、GCSE(大学進学のための全国統一試験)のために過大なプレッシャーを感じながら勉強を続けた結果、昨年、非てんかん性の発作を伴う病気であると診断されたのです。
ペイジの症状はかなり悪く、階段を降りる際は必ず誰かが付き添わねばなりません。
階段の途中で発作が起きて意識を失う恐れがあるからです。
医師によると、ペイジの病気を根本的に治療する方法は無く、彼女自身が克服するしか無いのだとか。
彼女には整骨医になるという夢があるのですが、最近はそのことを考えただけで発作が起きるそうです。