今回は、この上なく不幸な人たちをご紹介します。
自分のことを、世界で一、二を争うほど不幸だと思っている方は、これを読めば考えが変わるかもしれません。
それくらい、この人たちは運に見放されています。
まるで、前世で恐ろしい罪を犯したのかと思いたくなるくらい……。
〈originally posted on April 19,2018〉
1 忘れられた男

スペインでは毎年クリスマスの時期に、「エル・ゴルド」という宝くじが販売されます。
この宝くじが普通と違うのは、当選金が余りにも高額なので、「同じ番号」がまとめて同一の地域で販売される点。
つまり、1等当選者が同じエリアから多く出る可能性があるわけです。
あるとき、スペインの北東部にある小さな村、ソデトの婦人会がこの宝くじ(全て同じ番号)をまとめ買いし、村の各世帯を回って売り歩いたのですが、コスティス・ミツォタキスという男性の家だけ訪れるのをうっかり忘れました。
村の中でその宝くじを持っていないのは彼だけです。
果たして、婦人会がまとめ買いした宝くじは見事1等に当選。
村中の家が、100万ドルを下らない当選金の分け前に預かることになったのです。
……彼以外は。
2 落雷男

ロイ・サリバンという男性は、ヴァージニア州のシェナンドー国立公園でパークレンジャーとして働いていたごく普通の男性なのですが、れっきとしたギネス記録保持者なのです。
カミナリに「7回」直撃された人間として。
人が一生のうちで、カミナリに「1回」直撃される確率は、アメリカ国内の場合、15300分の1とされています。
では、「7回」ではどれくらいの確率なのかというと……。
196,263,715,246,013,700,000,000,000,000分の1
の確率です。
普通に考えればありえない確率ですね。
ちなみに、7回目に直撃されたときは、ちょうど釣りを楽しんでいる最中だったのですが、彼が地面に倒れている隙に熊が近づいてきてせっかくの釣果を盗もうとしたので、その辺の枝を使って追い払ったのだとか。
7回目ともなると、気持ちにかなり余裕が出てくるのかもしれません。
3 ハリケーン女

「落雷男」の次は「ハリケーン女」です。
ルイジアナ州でスクールバスの運転手をしていたメラニー・マルティネスさんは、1965年に「ベスティ」、1985年に「フアン」、1998年に「ジョージ」、2005年に「カトリーナ」と、4回もハリケーンに自宅を直撃されました(注:ハリケーンには必ず人名が付けられます)。
しかし、4度目の不幸の後、彼女の運気は好転します。
あるテレビ局が、番組の企画として、ボロボロになった彼女の自宅を改装することを申し出たのです。
約2万ドルの費用をかけた1週間の工事の末、生まれ変わった住居には新しいキッチンや食器棚、50インチのテレビまで備わっていました。
ところが……。
2012年8月29日水曜日、「アイザック」という名の付けられたハリケーンがマルティネスさんの家を直撃。
彼女は、飼っていた3匹のネコと5匹の犬とともに救助されましたが、その他の物はすべて消え去ってしまったのでした……。
4 不幸と共に生きる男

ジョン・ラインという男性は、イギリスで最も不幸な人物と言っていいでしょう。
彼の不幸は生まれたときから始まっています。
生後直後から肺の発達障害が原因で、ステロイドを使った特別なケアの欠かせない生活を余儀なくされました。
生後18ヶ月の時には、風呂場に置いてあったプラスチックのボトルを誤って口にしてしまうのですが、運の悪いことに中身が「消毒薬」だったため、すぐに病院に運ばれる事態に。
10代のときには、木から落ちて腕を骨折し、救急車で病院に運ばれる途中でその救急車が事故に遭い、同じ腕も2度も骨折するハメに。
ちなみにその日は「13日の金曜日」だったそうです。
その他にも、3度の交通事故や、落雷、落石なども経験しており、あるときには飛んできた石が口に当たって、前歯を8本も折ったとか。
まさに「不幸」とともに生きているといった感じですね。
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5 呪いの銃弾

1883年、ヘンリー・ザイグランドという男性が恋人と別れた際、その彼女は自ら命を絶ちました。
この事実を知って激昂したのが、その女性の兄。
彼は、ピストルを片手にザイグランドの家を探し歩きました。
そして目的の家に辿り着くと、ザイグランドの姿を発見。
自分の妹を死に追いやった男に狙いを定め、彼はピストルを発射しました。
妹の仇をとったと信じつつ、彼はそのピストルで自害します。
ところが……。
ザイグランドは死んでいなかったのです。
銃弾は彼の顔をかすめて背後にあった木の幹にめり込んでいました。
この時点では、ザイグランドはラッキーな男ということになるでしょう。
しかし話はここで終わりません。
数年後、ザイグランドはその木を切り倒そうとするのですが、手っ取り早く終わらせるべく、爆薬を使って木の幹を爆破しました。
すると、数年前に元彼女の兄が発射し、木の幹にめり込んでいた弾丸が、爆破の衝撃でザイグランドの頭部を直撃し、命を奪ったのです。
まさに数年越しの復讐劇。
これはひょっとすると、その兄の怨念がなした業なのかもしれません……。